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リハ病棟における病院総合医の可能性?

Xで流れてきた「2024年度診療報酬改定で回復期リハビリ病棟に厳しい対応、リハビリの質低下、病院経営の悪化を強く懸念―日慢協・橋本会長」を眺めていた。

https://gemmed.ghc-j.com/?p=59795


診療報酬が実質マイナス改定という流れはもう分かりきっていたことで正直驚きはなかった。

・【体制強化加算】(加算1:200点、加算2:100点)の廃止
・【リハビリテーション総合計画評価料】(評価料1:300点、評価料2:240点)の廃止
・運動器リハビリ料の算定上限の引き下げ(単に「回復期リハビリ病棟に入院している」だけの場合、運動器リハビリ料の算定上限を1日9単位から6単位までに引き下げる)

その中で体制強化加算について、気になる箇所があった。

例えば、【体制強化加算】は、より質の高いリハビリを目指し「病棟への専従医師配置」などしてリハビリ体制を強化することを評価していました。この専従医師は「リハビリチームのリーダー」としてリハビリの質を担保するとともに、「総合診療医としての機能」(多病、⼊院関連機能障害(低栄養、脱⽔、拘縮等)の管理、重症(呼吸不全、意識レベル低下)対応など)や「専門医への連携機能」(泌尿器科、⽪膚科、精神科など各専⾨医との共観、コンサルトなど)といったさまざまな役割を果たしていますが、加算廃止によりこうした機能・取り組みの低下が生じてしまう可能性があります。

専従医の役割は
「リハビリチームのリーダー」
「総合診療医としての機能」
「専門医への連携機能」
ということらしい。

私はリハ医なので主には「リハビリチームのリーダー」の機能を期待されている。残念ながら総合診療医としてのトレーニングは実際には受けていない。病棟を管理する以上、いろいろな疾患が介在することも多々あり、困ることもいっぱいである。

リハ医を志望する学生・研修医の中からも「疾患管理への不安」の声は最も聞かれる不安である。そもそも、「病気」を診るのが得意でない(多くの)リハビリテーション科医に取っては「総合診療医としての機能」というのはほとんど存在しない機能なのではないかと疑う。多かれ少なかれそういった不安の声を

上で掲げられていた「総合診療医としての機能」については病院総合医に近いと思われる。


総合診療科との個人間のタイアップについては、かなり昔から見聞きしていた。確かに、親和性の高い双方ではあるが、あまりお互いの領域で活発な議論が進んでいない印象も受ける。

と同時に、リハ病棟にこういった疾病管理に特化した医師がいてくれても良いのになと思う。しかし、リハ病棟にいる内科メインの先生はやっぱり自分の専門分野のことしかやりたがらないというのも見てきている。逆に、疾病管理に特化するほど「リハビリチームのリーダー」の優先度は下がる。。。どうすれば良いのか。

あの無意味な回復期リハビリテーション病棟専従医師研修会にそこまでの意味合いがあったのかと今になってその重要さに頭がさがる(嫌味ですよ?)

と、ここまで中止される体制強化加算=専従医の役割についてだらだら論じてきた。

リハビリテーションに特化した医師という存在はまだまだ珍しいが、専攻医も増えてきた昨今では病棟管理をするリハ医も増えてきている。どうしても「リハビリチームのリーダー」として育成していく方針ではあるものの、今まで避けてきた病棟管理についても継続的に検討していきたいと改めて思った。定期的にこの話題には触れてしまうのは、やはり苦手意識があるからなんだろうな…


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