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ローマコロナ禍でのランニング

思い返せば、私は
コロナ禍が始まってからも走った。

家の中で。


コロナ感染がイタリアで拡大し始め、
イタリア政府は非常に厳しい規制を敷いた。

2020年1月30日、国内で初のコロナ感染者(海外からの旅行者)確認。
そして、1月31日、非常事態宣言。
3月10日には、北部に限られていた当初の移動・行動制限が全土に広げられた。
行動制限が広範囲になり、屋内でのスポーツだけではなく、
野外のものも、個人でするジョギングやトレーニングなども規制の対象になった。

結果、家の中で自主トレーニングをする人が増え、
私は家の中でランニングを試みた。

リビングから廊下、そしていちばん奥の寝室までの
短い距離を何度も何度も往復して、
私は30分間走ってみた。3回ぐらいだと思う。
プラス、軽いエクササイズ。

でも、うちはマンションの三階。

数日後、
下の階に住む家族から抗議の声が上がってしまった。
「うるさい。やめてくれ。」と。

早朝とか夜遅くに走ったわけではなかった。
午前だったら10時以降、午後だったら4時以降8時くらいの間。

少なくともうちのマンションの騒音禁止は、
朝8時までと、午後2時から4時の間、そして夜9時以降のはず、、、。
ローマの公式規定では、
建築や修理の業者などは朝7時から、午後2時から4時の昼寝タイムは避けて、7時まで騒音出していいことになってるみたいだし、、、。

「うるさい。」と言われたのは、私のランニングだけではなかった。
子供の自主トレ、さらに、日常の生活行動から出る生活音まで。

ダイニングの椅子を引きずる音、
歩く足音、
冷蔵庫のドアを開ける音まで、、、。

また、子供が翌日の旅行の準備を夜10時以降にしていた時。
クローゼットを開けたり、旅行カバンを引きずったりする音についても指摘された。

実際、そこまで文句言うのってどうなの、と思ったけれど、
これまで何度となくトラブル時のイタリア人気質に悩まされてきて
経験値の高い(苦笑)私は、
正論だけを返したら、相手はカッとなって、
問題は解決どころか、隣人関係も悪化し、
結局私自身も嫌な気持ちになるだけ、
という予測がすぐできたので、すぐソフトに対応。

まず、一言謝る。
イタリア人気質ではほとんどしないこと。
でも、そこはやっぱりみんな人間、
相手に謝れたら気持ちは一旦和らいで
話を聞こうという気持ちになってくれる。

子供は、日本よりイタリア、そしてローマの文化に浸って育ってきたので、
「ダメだよ、そんなに下手に出ちゃ。
こっちは何も悪い事してないんだから。」
って言ってたけど。

私は私のやり方で。

「すみません、
コロナ禍で外で運動できなくなったので
つい家の中で少ししてました。
でも時間外にはしてません。
これからはうるさい運動はしないようにします。
もちろん時間も守ります。
本当にごめんなさいねー。」

こういう時、私は日本文化的な態度が出る。
海外在住歴25年以上だけど、
いろいろな文化に浸ってきた分、
それぞれのいいところを実践してきたとも言える。

謝る時は、
すごく低姿勢で、最後には笑顔で。
相手を怒らせても何も得るものはない。

でも、
私たちが必要以上に騒音を出さないようにしていても
その後、何回かまた苦情が、、、。

ま、でも、その都度気長にていねいに説明して
ある程度納得してもらったし、
私のことを信頼してくれてるみたいだから、
まあ、良しとしよう。

で、「走る」に話を戻すと、

それから、しばらくは走ることを封印。
コロナ規制が長引いた。
さらに人生初めての外科手術を受けて、
その状態から身体的にと言うより精神的に回復するまで、
結構時間がかかった。
室内での軽いエクササイズは術後一ヶ月ほどからしてたけど。

ようやくランニングを復活したのは
去年の秋。

少し外で体を動かしたいなと思い始め、
夏の間にウォーキングを始めた。
最終的には2時間以上、
街中を歩くようになってた。

そして、暑さが和らいできた9月初旬、
ランニングを始めようという気になったのだった。





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