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もう一度、結び目を強く。

ーー関係を持つようになって、名前を変えながら4年目を迎えたわけですが、語ってきたような変化や伏線を感じることができるのはなかなかないことだと思ったし、感じることができるのは名前は変われど関係を断ち切らずに続けてきたから


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「もう一度、結び目を強く。」というテーマで話していこうと思います。



📚元カノの運転する車で

昨日の夕方から夜にかけて、僕が最近お世話になっている宮田さんのお手伝いをしにいっていました。宮田さんは茨城県水戸を中心にゲストハウス事業を展開している方で、近々水戸駅の近くにゲストハウス4号館がオープンします。そのオープンのお手伝いをしにいっていたんです。

昼過ぎから大学でゼミがあったので、その足でバスに乗って駅まで向かおうとしていたんですが、同じゼミの子から「車で送ってくよ」とお誘いを受けまして、お言葉に甘えることにしました。

ちなみにそれはサラって子で、僕の元カノです(笑)



大学一年のときに名前のない関係で始まって、大洗水族館の大きな水槽の前で名前を付けて、お付き合いを始めたんですが、2カ月もしないうちに、お互いに向き合わないといけない課題を解決するために距離を取ることになり、半年後の6月に正式に別れることになりました。

ただ、同じ学科ということもあり、別れてからも会う機会はあるし、別に仲が悪くなって別れたわけではないので、普通につるんでいました。なんなら、向こうの部屋にも行ったし、こっちの部屋に来たこともある。サラの今カレの相談に乗ったり、一緒に作品をつくろうなんて約束も交わしました。



📚変化と伏線

運転の道中、最近のことや未来のことを話していました。

ちょっと前までやんちゃで破天荒なタイプだったのに、「やっぱり安定した生活がしたいよね」「教師になりたくないって思ってたけど、教育実習行ったらありって思った」なんて現実的で堅実な暮らしを思い描いていました。少なからずの変化に、僕は驚いたし、ちゃんと未来への道を踏みしめて歩いていこうとしている姿にちょっぴり感動を覚えたんですね。4年前からいろいろ相談に乗ってきて身からすると、涙ものでした。



駅に着くちょっと前に思い出したことがありました。

確かあれは距離を置こうと決めた夜の公園でのこと。当時運転免許を取るために、サラは教習所に通っていたんですが、「いつか助手席に乗せてあげるよ」なんてことを言われたんです。

月に一度はふたりの時間をつくろうねと約束を交わしたその流れだったと思うので、ニュアンス的には少し遠出をしようねという意味と考えられるので、車で送るだけのドライブは味気ない気もしますが、それでも僕は4年前の伏線が回収されたことにカタルシスを覚えてにやにやしていました。

「お互い、卒論頑張ろうね」

そんな言葉を交わしてその場は終わりました。

関係を持つようになって、名前を変えながら4年目を迎えたわけですが、語ってきたような変化や伏線を感じることができるのはなかなかないことだと思ったし、感じることができるのは名前は変われど関係を断ち切らずに続けてきたからだなぁと振り返りました。


📚もう一度、結び目を強く。

分かりやすい例でいうと、僕は恋愛関係に固執していなくて、その人とベストな関係を築くことに重きを置いているんですよね。だから僕が1番避けたいのは「関係を断ち切る」こと。だから、僕は相手との関係を続けるための努力をしがちなんです。もう2度と戻れない状況をつくらないように上手くやりくりするんです。

僕が中学1年生のときに好きになった初恋の人とは高校卒業まで同じ部活だったし、相談し合っていたし、大学生になってからもたまに飲む仲です。この前なんて、朝まで飲んでお互いベロベロになっていました(笑)

恋愛関係だけではありません。

中学生のときからの親友とは、大学生になってから一度絶交したんですが、一年前に再会してから関係を改めることになり、一緒に創作する約束も交わしました。近いうちにも、また飲みにいきます。




一度ほつれた関係でも、両端から力を込めて結べば結び目を固くすることはできます。姑息な感情のハサミで断ち切らずに、結べる余裕を持っておく。そんな小さなことで、関係を続けた先にしかない幸福な瞬間を迎えることができるんです。

最後に僕の『Message』という小説のなかから言葉を置いておきますね。成人式を迎える孫に、祖母がメッセージを贈るシーンでのセリフです。何かの参考になれば幸いです。

一度結んだ関係はそう解けることはない。時を隔てても、その結び目は残っているもの。たとえ離ればなれになろうとね、何度だってやり直せるのさ

『Message』第2章より


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