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プレゼントは創るもの。

――プレゼントって、相手が喜んでもらうものを渡すことじゃないですか。相手が喜ぶってことは、相手の心を動かさないといけないわけで、そのために必要になってくるのは「物語」なんですよね。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「プレゼントは創るもの。」というテーマで話していこうと思います。



📚パートナーの23歳の誕生日

昨日、僕のパートナーの誕生日だったので、1日かけてお祝いデートをしていました。

一昨日仕事が休みだったんで、夜に時間を確保して、ああでもないこうでもないとプランを考えていたんです。僕は記念日とか、誕生日とか、他の人にとっては何でもない1日だけど当事者にとってだけは意味や価値があるものが好きなんです。だからこそ、パートナーの誕生日にはステキな時間とプレゼントを贈りたいと思うのです。

そんなこんなでパートナーの誕生日当日、覚えたての運転で、僕は笠間市まで車を走らせました。

10時半頃に出発したので、まず向かったのはお昼ご飯を食べる場所。「笠間森のレストランMONOMI」です。常陸牛のハンバーグが絶品で、スープとサラダが食べ放題のレストラン。料理も、サービスも最高でした。

その後向かったのは、「製陶ふくだ」。陶芸体験ができる場所です。僕はそこに目を付けました。僕もパートナーも「創る」のが好きな人なので、下手にプレゼントを選んで贈るよりも、ギフトとしての価値が高いんじゃないかと思いました。

つまり、誕生日プレゼントを、自分たちで創ったのです。

製陶ふくだでは、お皿とマグカップをつくったんです。特性の粘土を皿やコップの形にして、形ができたら絵を掘ったり、模様をつけたりして、オリジナルの作品をつくれるのです。

僕はふたりの思い出の場所、日立の夜明けの海を掘ってみました。焼いてみたらどうなるか分かりませんが、完成が待ち遠しいです。また、マグカップはシンプルなデザインにしてみました。お互いのイニシャルを象った取っ手をつくったんです。これ結構センスいいでしょ?(笑)

「日立の夜明けの海」
「S」と「R」のマグカップ

その後、お互い絵本が好きってこともあり、笠間にある「cocolo」という絵本カフェに立ち寄りました。到着するやいなやパートナーは歓声を上げました。お気に入りの絵本を見つけたり、桜の香りの紅茶を飲んだりして、優雅な時間を過ごすことができました。

夜は、僕の行きつけの居酒屋トチローへ。最終的に僕の家に泊まる流れだったし、歩いていける距離の店を選んだというわけです。マスターとは仲良しだし、「バースデーケーキをお願いしたいです!」という緊急の依頼にも対応してくれると思いましたし(笑)

バースデーケーキのサプライズは成功したし、お祝いの手紙を贈ることもできたし、目を光らせるパートナーの姿を見られたし、時間がないなかで考えた割にはステキなプランを遂行できたなあと振り返っています。


📚「体験」「思い出」「もの」

今回僕が用意した誕生日プレゼントは、「もの」だけでいえば、お皿とマグカップなのですが、そこには「体験」「思い出」が詰まっています。一緒につくるという体験としての価値と、一緒につくったという思い出としての価値を含めて、僕はプレゼントしたのです。

はじめは、この選択に躊躇があったんですが、よくよく考えてみれば、なかなか面白いし、ギフトとして申し分ないのではないかと思い至りました。

パートナーは新社会人として新生活を始めたこともあり、端から実用的なものを贈るつもりでいたんです。そこで、僕が遊びにいったときにふたりで使うように、食器類を贈ろうかなとも思い付いていました。引っ越しのタイミングで古い食器を捨てたことも知っていたので。

しかし、ただ単純に市販のお皿やマグカップを買ってラッピングして贈るのはそれはそれでいいけれど、もっと価値や意味を高める工夫が施せるのではないかと思ったのです。

そこで、プレゼント用のお皿やマグカップを一緒につくって、その体験と、思い出も一緒くたにすることにしました。ああでもないこうでもない、こちの方がいいんじゃない?なんて会話をしながらつくる体験に価値はあるし、いつかの未来でそういえばあのとき笠間でつくったんだよね、雨だったよね、駐車が上手くいかなくて危なかったよね、なんて昔話に浸れるだろうから、そのときに振り返る思い出にも価値はある。

そのうえ食器なので、実用性もある。

「体験」としても「思い出」としても「もの」としても価値があるプレゼントだと結論付けたとき、これは立派なギフトであると、むしろこのうえないギフトになる予感を抱きました。


📚プレゼントは「創る」もの

僕は昔から、意味のないものに意味をつけることや、自分にしかできないものを贈ることが好きな人でした。

高校時代に付き合っていた人との付き合って半年記念日に買ったのは、どこにでもあるような鉛筆です。そのときにふたりでやっていた交換日記用の鉛筆を買ったんです。短くなった分だけ、ふたりの日々を綴ったことになり、形のないそれらを可視化できるので面白いなあと思ったんです。

あと、自分でつくった詩や小説、曲を贈ることもありました。これに関しては、それを贈ったときにちゃんと喜んでくれることが担保されていると分かっている相手にしか贈らないのですが、ちゃんと伝わって、喜んでくれることが多いので、ギフトとしての価値は十分にあるといえます。

プレゼントって、相手が喜んでもらうものを渡すことじゃないですか。相手が喜ぶってことは、相手の心を動かさないといけないわけで、そのために必要になってくるのは「物語」なんですよね。

物語とは「主体が出来事を体験して、心情が変化し、成長する流れ」じゃないですか。

プレゼントを贈る相手に何が体験しているのか、あるいは何を体験させるのか、そして、どう心情を変化させるのかをみつめるべき。今回の僕を例にあげれば、「創る」ことが好きなパートナーに、僕と一緒にお皿とマグカップをつくるという出来事を体験してもらって、つくる楽しさやふたりでつくっていく喜びをもたらしたといえます。

ハイブランドのバッグや財布を贈るのが悪いわけではなくて、そこに物語を感じて喜んでもらえるならいいけれど、そういう人ばかりではないんだから、プレゼントを贈る相手に合わせて物語を設計することが大切だよねという話でした。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

20240407 横山黎

日立の夜明けの海










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