見出し画像

ゲストハウスの期待を超えるサービスを考える。

――ゲストハウスで期待を超えられるようなサービスはどんなものか考えたとき、現時点で僕が出した答えは「交流」でした。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「ゲストハウスの期待を超えるサービスを考える。」というテーマで話していこうと思います。


📚多忙のGWを乗り越えて

僕は今、茨城県水戸市上水戸にある木の家ゲストハウスという宿泊施設で働いているんですが、このGWが本当に忙しかったんです。そりゃあ連休だし、旅行するには良い季節だし、この時期の茨城といえばひたち海浜公園のネモフィラが有名だから観光客が多い……ということで、たくさんの方が宿泊されたんです。

木の家ゲストハウスは全部で4号館までありまして、別名義で他に3棟あるので、全部で7つの宿泊施設を運営している状況です。合計のキャパは80人くらいなんですが、それが連日埋まるほどの盛況ぶりでした。お断りをすることも少なくなかったので、なんだかんだ100人以上の需要があったのでしょう。

予約の調整も大変だったし、清掃も大変だったし、なぜか多忙なときに限って起こるイレギュラーの対応も大変だったし、とにかく駆け抜けた1週間でした。どうにか乗り越えることはでき、やっと落ち着いている状況なんですが、ゆっくり振り返ってみて、サービスを提供していくなかでの痛みをいくつか感じていたことに気付きます。サービスマンと胸を張れるほど大した者ではないけれど、サービスに携わる者として振り返ってみることにします。


📚芳しくないレビューを受けて

僕とオーナーで頭を悩ませていたのが、レビューが芳しくないことでした。宿泊者の方には宿泊後にレビューを書いてもらうようにメールが自動送信される仕組みになっています。評価してもらったら、僕らはそれを見て歓喜したり、改善点を知って以後に活かしたりするわけです。

もちろん高評価をしてくれる人もいるんですが、そうではない人もなかにはいて、どうすればよりよいレビューを書いてもらえるのかオーナーと語り合う時間があったんです。

10段階のレビューがあったとして、最高値の10がついたら嬉しいわけで、それより低いと、どうすれば10になったんだろうと思案するわけです。普通に宿泊してもらうだけだったら、払った金額と同等の価値を感じて、7や8をつけるんだと思います。実際、僕もそうですから。どんなアンケートでもそうで、普通に良いと思ったら、最高値のひとつ、ふたつ手前の点数をつけることが多い。みなさんも似たような感じだと思います。

10をつけるときは、払った金額以上の価値を見出したとき。自らレビューを書きたくなるほど、それも長文で書きたくなるほど、提供されたサービスが想像以上だったときに10をつけるんです。

宮田さんともこれについてよく話していて、「いかに期待を超えられるか」を常に考えているんですよね。


📚ゲストハウスの期待を超えるサービス

お客さんに喜んでもらうことがサービスマンの創造するべき価値であるため、それが実現できなければ仕事と呼べないんですよね。もちろん金銭的に価値を見出すからこそそのサービスに対価が発生するけれど、「喜び」や「満足」につながるわけではありません。期待を超えるような何かを提供できなければ、喜んでもらえないし、満足してもらえないんですよね。

学生時代、僕は結婚式のバイトをしていたんですが、そのなかでよく耳にしていたのが「どうすればお客さんの期待を超えるサービスを提供できるか」という問い。最高のウェディングをつくるためには、ゲストの期待を超える必要があって、ゲストの期待を超えるためには、お客さんのことを観察して、洞察して、働きかける必要がある。

たとえば、魚料理を全然食べていない人がいたとします。それに気付いて、「お口に合わないものがございましたか?」と訊く。その人がアレルギーの食材が料理に使われていると分かったとき、キッチンの人に相談して、別メニューを提供することがありました。この場合、お客さんの期待を超えるサービスを提供できているといえるわけで、最後にすごく感謝されたり、口コミに書いてくれたりするんですよね。

ゲストハウスで期待を超えられるようなサービスはどんなものか考えたとき、現時点で僕が出した答えは「交流」でした。

ゲストハウスの場所としての魅力を引き出すことには限界があります。清掃をきちんとするとか、備品が壊れていないか確認するとか、マイナスをゼロにする作業になってしまうんですよね。期待を超えるサービスとはプラスの世界の話だから、それでは物足りないんですよね。

となると、僕らがゲストハウスでどうにかできるのは、交流の時間をつくることに尽きるのかなと思います。一期一会の出逢いにとことん付加価値をつくる。それはプライスレスなものだから可能性は無限大なんですよね。

ゲストハウスを好んでよく泊まる人はそこに惹かれているわけだし、人とのつながりを感じられる環境をつくることはゲストハウスだからこそのサービス。旅館やホテルにはない、期待を超えるサービスだと考えるのです。

今後はより「交流」に重きを置いて、ゲストハウスの仕事に向き合おうと思いました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240503 横山黎



この記事が参加している募集

自己紹介

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?