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学び方を学ぶ


大学時代、西洋史ゼミに属していました。
ゼミの教授の専門は、古代メソポタミアとか古代ギリシア文明だったと記憶しています。
とにかく、講義では、「アルカイックスマイル」がやたら出てきました!


ゼミでは、英語の文献を当てられた順に訳していくという、ほぼ英語の授業で、はっきり言って面白くも何ともなかったです。
歴史の勉強がしたくて大学受験を頑張ったものの、大学での歴史の講義やゼミの内容は自分のイメージと大きく離れていたのでした。

学生たちのつまらなそうな反応に気づいていた、退官間近の「ぬらりひょん」に似ていた教授は何度もも私たちに言っていました。
「いま読んでいる文献の内容は、君たちの将来に何の役にも立たない。ここでは、文献を読むためにどうすれば良いか?学び方を学んでいるのだ」と。
「なるほど!たしかにメソポタミア文明がどうのこうの、いますでにあまり興味ない」と、当時はそんな感じで納得していました。

それから、25年の月日が流れました。
西洋史とは直接関係ない福祉の仕事をしています。
いまは、福祉の現場で若手職員に指導する立場になり、他者に知識や技術を伝授する難しさを実感しています。
いまの若い人たちに足りないものがあるとしたら、「調べる力」なのでしょう。
インターネットで検索すれば、すぐに回答が得られる便利さに気づかないほど、それが当たり前になり、わかった気になりがちなのかもしれません。
一字一字、辞書を引くことでついでに得られた知識。
図書館や本屋で、文献を探しまくることでついでに得られた知識。
足を運び、ようやく手にした情報から得た学びは、強く印象に残り、記憶に刻まれるのだと思います。

わからないことがあったとき、
どう学んでいけばよいか?
学び方を学ぶというあの時の学びは、
私の大きな財産のひとつであったと
今更ながら気づいたのでした。

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