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封印されし物の本体:〜お相手は本物の運用者か?〜約定(可能)金額

毎日、いや毎時だろうか、時間の経過とともに新しいことが起きて、目まぐるしく変化しているように思える。
私には、この変化は、情報伝達の速度が技術によって早まり、さらに頻度が高まったが故でしかないように思える。
その昔、英ロスチャイルド家(NMロスチャイルドの祖)は、
ワーテルローの戦い(英語ではWaterloo:ウォータールー)の結果を、
市場に錯誤させ、空売りを行い、底値で買い集め、巨万の富を築いた、とされている。(参照:三井住友銀行『ネイサンの空売り」  https://www2.smbc.co.jp/kojin/special/moneyguide/asset-management/column/021/

IT技術の高まりで、個人ですらも、大資本と同じような情報のみならず技術にアクセスできるようになった。

これは、資産運用という分野においても広い意味で同様だ。

従来であれば、機関投資家のような金融機関が、情報収集・分析・戦略立案・判断・約定執行・管理という一連の流れを実施していた。
今では、ファいくも含めて情報は迅速に伝わり、「イナゴ」や「ニラ」とまで称される「個人投資家」が、感覚で判断し、売買を行えるようになっている。
ちなみに、その管理は、利益相反の対極にいる売買相手である金商業者(ですらない場合もあるようだ)にお任せしているようだ。

さて、フリーランスになって以降、有象無象の方々と会う機会が多くなった。

ここから、一気にきな臭い話になる
「喫茶室ルノアール」は中央区はじめ各所に展開しているカフェにて今も日常繰り返されている事柄である。

サラリーマン時代には、神田の一人がけの席で日中から寝ているおじさん達を見て平和を感じていたのだが、
今では、この手のカフェでの会合(実際にはホテルのラウンジやロビーも同様だが)に呼び出されると、周囲では以下のような怪しい話をよく耳にする。

例えば、
①FXで月次20%のリターンが出ますので、運用させてもらえませんか?

(おいおい、運用の免許持ってんの?財務局怖いぞ)

②海外で取引されている仮想通貨で、上場する前ですが、割安に購入できます。
(資金移動業での暗号資産業者以外、それやっちゃダメでしょ、以下同文)
③中東の王族が欧州の金融機関に4兆円の資産があります。それの一部をSwiftではなくバンカーを介したTT送金できれば20%を受け取れます。

(色々ツッコミどころあるけど、まず、資金移動業とか銀行じゃないと罰則受けるし、
SWIFTも含めて第三者が管理する送金方法まで指図する権限なんて預金者?側には無いから怪しまれるよ、
そもそもSWIFT回避して送金なんて、経済制裁されている人しかやってないから、国際的な犯罪組織のマネロンに巻き込まれちゃうぞ)
と言った次第である。

(参照:一社)日本資金決済業協会 https://www.s-kessai.jp/businesses/funds_transfer_overview.html
しまいには、その総括として、
④日本で取引されていない仮想通貨の裁定取引で月次20%の利回りを出しています。
海外の王族から、資金管理を任せられているので、バンカーを指定してTT送金受けてくれれば、仮想通貨の裁定取引で、無リスクで儲けられます。

(いや、もう、すごいな・・・やったことないだろうし、犠牲者しか生まれないだろうな・・・)
とまで、どんどん商品?商材が派生していくのだ・・・・

果たして、この喫茶店にいる「にわかトレーダー」は、何を根拠に自分たちのパフォーマンスを測定しているのだろうか?

気になったので、調査してみた。

すると、彼らには「約定(可能)金額」という金融における「前頭葉」のようなものがすっぽり抜け落ちていることに気がついた。

彼らの主張はこうだ、今後私は彼らを「一代」と定義する。
曰く、「1万円の資金がトレーディングをしたら1万2千円になった」
から「20%のリターン」だそうである。
数字だけ見ると、その通りに見えるが、
「では、その2千円のリターンを得る為に、どんな取引をしたのですが?」
なんて、聞き様ものなら、もうまともな答えは返ってこない。
売買約定管理は業者任せであるからかもしれない。
例え、返ってきたところで
「50ロットの売買を1日に4回トレーディングを行い、鞘を抜いて稼ぎます」とか・・・
その「50ロット」とはなんぞやと細かく聞くと、1ロットが1,000通貨単位であったりする。(10,000の時もある)
書き続けると面倒極まりないが、
50lot*1,000(通貨単位)*4回*20(日)=4,000,000通貨単位
を費やして、2千円のリターンを確保したことになる。
この2千円のリターンを評価するのに、投資金額である1万円を母数にすべきか?
(= JPY 10,000)
それとも
その利益を産み出すに費やした、約定リスク金額 4,000,000通貨単位を母数にすべきか?(=USD 4,000,000 )

ここに「一代」との分かれ道がある。(←重要

一代は、一万円を分母とする。リスク量という概念が存在しない。(時間軸同様)
自分の投資した金額が最大のリスクだと思っている。
本来は、収益を確保するために用いた約定金額であるべきだ。
これを先の2千円で4百万通貨単位で除すると
(通貨単位次第ではあるが仮に1USD@130として),0.00038%といきなりパフォーマンスが下がる。

また、そもそも、こんな一万円の投資金額で運用?している人の20%という数字を信じて、
果たして1億円も運用を任せるであろうか?

先の話では、レバレッジを聴かせて50ロットと言っていた。
わかりやすいように通貨コードを用いて表記すると
月間、一代トレーダーは、USD 50,000*4*20=USD 4.000,000 もの金額をたったJPY10,000の資本で行った。
極めて高いレバレッジの取引だ。
これを、1億円に当てはめると1億円と1万円の比率(1万倍)で
USD 4,000,000*JPY(100,000,000/10,000)
= USD 40 bio
月間USD 40bio….これは本邦大手商社さえも一月の間に
一金融機関とスポットで取引する金額を凌駕する。そもそも、こんなデカい金額を売買させて、傷を負わないなんてことはない。

法令違反はもちろんだが、
経済的にもまともな結果には繋がらないので
約定金額の概念もない様な人の話を聞くために時間を費やすよりは
プログラミングの本でも買って読んで寝てしまう方が
健康のためにも良いかなと
個人的には思う。

ちなみに、上記の金額で売買し続ければ、当然リスク量が広がるので、
約定可能金額に沿ったBid/Askが提供される結果、パフォーマンスも変わる。

この話は何かの機会で提供するつもりだ。

さて、今回で左足・右足・左腕・右腕そして本体が全て揃った。
Necromancer Reportを復活させようと思う。
少なくとも週次、できるだけ
月曜と木曜と週2回程度発信していこうと思う。

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