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長男と宿題③~もうルールはいらない

宿題に悩んできた、長男と私の記録。
前回までのお話はこちらから。

宿題をやりたいけどやれないと悩む中で、長男は「なぜ宿題をやらないといけないのか」ということについて、まわりに問い始めた。「単にお前がやりたくないだけだろ」と言われながら、「そうじゃない。なぜ苦しんでまでやらないといけないのか。ちゃんと考えたいんだ」と、問い続けた。
将来のため、勉強をより理解するため、中学生になったときに、ちゃんと自学できるようになるため、、、いろんな考えを聞くも、簡単には腑に落ちない様子だった。

私は私で、親としてできることは何か、まわりに問いかけ、考え続けた。
いろいろと考えたけれど、最後の最後は、無条件に存在を受け入れてさえいれば、愛してさえいればそれでいいんじゃないかという話も出てきて、それもそうかもと納得したりもしていた。

そして、長男は宿題から発展して「自由」についても考えるようになっていた。
今の自分は自由なんだけど、自由じゃない感じがする。そこがよくわからない。
そして、すべてが自由な上に成り立っている中学校の様子に触れ、じわじわと長男の中で何かが変わっていった。

宿題をやるために自分に課していた厳しいルールは少しずつなくしていき、最終的には全部なくした。そして、無理をしてがんばることもやめた。

これまでの経験の中で一番集中できる時間帯にのみ、宿題をやることにして、基本的には寝る前に、できなかったら早起きをして朝に宿題をやることにした。
基本早起きの長男にとって、朝に宿題をやることはそんなに苦しくない。ただ、前に試行錯誤したときは、宿題が間に合わなくて遅刻することも多く、やっぱりダメだねとなったプランだった。
でも、もうそれについては受け入れることにしたらしい。時々、朝に間に合わなくて、遅刻することが出てきたけど、それはそれとして自分で責めを負うからいいということになった。

さらに、試行錯誤の中で、苦手な漢字については、補助教材としてテスト形式のプリントをやるのが効果的なこともわかった。これは学校から帰ってすぐに、やれたらやるというだけでいいことになった。
プリントはテスト形式で、わかるところだけ埋めて、わからないところは空欄のままにする。そして、翌日は間違った部分と空欄部分をスマホで調べて書き写すだけ。手が止まる要素を排除したことで、ストレスなく続いた。
そして、これをやり始めただけで、なんと数年ぶりに漢字の書き取りテストが80点代に乗った。漢字を書くということにも慣れ、漢字ドリルの宿題もそんなにつらくなくなり、「無心でやれば一瞬」という名言(迷言)も生み出された。

ルールで押さえつけることはしない。できない時があってもいい。無理はしない。
でも、できるときにはちゃんとやる。できることはがんばる。
それでうまくいかなかったことについては、責任をもってちゃんと引き受ける。


それが葛藤の末に、長男がたどり着いた答えだった。

驚くほど、いい感じに回り始めた。
宿題に悩み始めてから約2年半。
やっとストレスがなくなり、長男が100%ハッピー!!と言える日々が戻ってきた。

長男も10歳。
もはや、私にできることは、見守り、求められたらサポートすることだけなのかもしれない。
信じるということ。ただそれだけなのかもしれない。
そんなことを思うようになっていた。

このまま、この流れが続けばいい。
長男も私も満たされて、そう思っていたところに、コロナがやってきた。

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