ホタテと牡蠣

関西で一人暮らしをしている長女が電話で
「お正月に帰る時さあ、牡蠣食べたい、生牡蠣!」と言ってきた。

彼女がまだ学生で実家にいる最後の数年、年末年始にふるさと納税でいろんな名産が届くようにしていたので、みんなで牡蠣を食べたり、鴨を食べたり、フグを食べたりしていて、「そうだ、家に帰るなら牡蠣が食べたい、いっておかないと、、」と思ったらしい。

「そう言われたらさ、美味しい生牡蠣調べて、日にち指定して頼んでおかなきゃ!って張り切っちゃうんだよね〜」って、学生時代の友人に話したら、

「うちはもう何年もずっと大晦日には青森のホタテだよ。」って言われ「わー!!ほたて!もしかしてあれからずっと買ってるの?」
と尋ねる。

もう15年以上前、青森に暮らすべつの友人の家に、大勢で子連れでお邪魔したことがあって。そこはとっても広いお家で多分総勢20人くらいで数日ワイワイ過ごした。畑の野菜を取ったり、バーベキューしたり、ドライブしたり、温泉に入りに行ったり、子供が寝た後お酒を飲んだりして、大人も子供も本当によく遊んだ。

その時連れて行ってもらった直売所のほたてが美味しくて、私はその年の暮れにはそこにから殻つきのほたてを取り寄せて、ご近所に配ったりした。なんとなく年末恒例になって、数年間、毎年ほたてを取り寄せていた。

でも、同じように彼女も毎年暮れにほたてを取り寄せていたなんて全然知らなかった。

子育てやら何やらに翻弄され、数年会わないこともざらだったけれど、毎年大晦日には同じお店から送ってもらったほたてを食べていたんだね〜。なんだかじわじわっとときた。

私は大晦日に大量のほたての殻をこじあけるのに疲れてしまい、何年か前から、購入をやめてしまっていたのだけど、彼女はあれからずうっと年末にはほたてを購入して、子供達も大晦日にはほたてを食べるものだとおもって育ったらしい(笑)

そして今年は、なんとほたてがあまり取れず、送れませんと断られてしまったんだそう。
あれ以来初めてホタテのない年末を迎えることになるらしい。

そんな話をしながら、今はもう成人している子供たちのあの青森での夏休みの日々を思い出し、なんだかしみじみしてしまった。

家族の歴史って日常や習慣の積み重ねだなー。と、同時に友情の歴史も、たとえ離れてる期間があったって、一緒に過ごした日々とかなにげない会話の積み重ねだなあ。 

歳を重ねるっていのもいいものだ。



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