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はじめて好きになったバンド『Galileo Galilei』を語らせてください

最近、夜の長さを感じる機会が多いです。ここ数年でリモートワークになって、移動の時間がなくなって、比較的ゆったりした夜を過ごせる日が増えたからです。

最初の方は本を読んだり、映画を見たり、「何か有意義に過ごさなくてはもったいない!」と思っていたのですが、次第にそれも飽きたり、疲れたりして、なんとなく音楽を聴きながら(選曲はSpotifyのレコメンドに任せて)、だらだらとボーっとしていることもあります。

そして、音楽というのは不思議で、何年振りかにふと聴くと、その曲を夢中で聴いていた当時の思い出まで蘇ってきます。

Galileo Galilei『ハローグッバイ』(2008年)

Galileo Galileiの『ハローグッバイ』という曲。この曲は全体を通じて、夜更けから夜明けに静かに向かっていく感じがして好きなのですが、特に冒頭の歌詞と、静かな始まりが、曲を聴いている時間帯の夜更けの感覚とマッチしています。

こんな時間にすいません
でも夜が長すぎたので
君の声聞きたくなったよ
寝ぼけた声で笑ってよ

Galileo Galilei『ハローグッバイ』

ある夜にSpotifyからこの曲が流れてきて、この曲を、Galileo Galileiを、夢中で聴いていた、2010年代の記憶を思い起こすことは不可避でした。

Galileo Galileiとの出会いは、アニメーション作品『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(通称『あの花』)でした。

当時私は大学生で、昔放送していたアニメを一気に観るのがマイブームでした。

(『あの花』がリアルタイムに放送されていたのは2011年頃です。ただ、僕が『あの花』を見たのは少し遅れた2014年頃でした)

特にフジテレビのノイタミナの作品を好んで観ていて、『あの花』もそのひとつでした。『あの花』の物語は面白くて、感動したのですが、それ同等か、むしろそれ以上に惹かれたのが、Galileo Galileiが歌うOP曲『青い栞』でした。

この曲のどこにそんなに惹かれたのかは、あまり言語化ができていないのですが(僕の表現力の問題かもしれないですが、音楽というのはそういうものな気もしています)、メロディ・歌詞ともに、全体的に漂う、懐かしい感じや、サビに近づくにつれて高まる疾走感、サビの盛り上がり、などかもしれないです。

この曲は、おそらく夏に合う曲で、実際に『あの花』も夏がメインの季節です(物語上、季節は進んでいきますが夏から始まっていきます)

ただ、僕が『あの花』を観て、『青い栞』を夢中で聴いていたのは、冬でした。なので、個人的にはこの曲といえば冬という感覚です。(ここら辺も、曲との思い出の面白いところだと思います)

ただ、アニメ主題歌で良い曲は沢山ありますし、今までも惹かれた曲はたくさんありました。『青い栞』はGalileo Galileiを聴くきっかけになりましたが、惹かれた理由は別にあります。

実は、全く別で、たまたまGalileo Galileiの曲をいくつか聴く機会があったのです。

『恋の寿命』(2015年)

これは2015年に放送されていた『まじっく快斗1412』のエンディングテーマの曲でした。僕は『まじっく快斗1412』自体は観ていたなかったのですが、その後に放送している『名探偵コナン』を観ていました。

たまたま、少し早めにチャンネルをつけたら、エンディングテーマの『恋の寿命』が流れていて、「この曲良いな」と一聴き惚れ(一目惚れの耳版)したのです。

この曲は、歌詞も良いですが、何よりもイントロに惹かれます。

最近は、サブスクの影響でイントロなしで始まる曲が増えていると言われて、その形式も好きです。ただ、『恋の寿命』のようなイントロがワクワクする曲を聴くと、こういう曲ももっと聴きたいなと思ってしまいます。

『嵐のあとで』(2015年)

もうひとつが、『嵐のあとで』。
当時、YouTubeで『青い栞』を猛リピートしていたので、レコメンドで出てきたのだと思います。聴いてみると、これも好きになりました。

余談ですが、この曲が主題歌をしている『台風のノルダ』は、スタジオコロリドさんの作品です。『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』は僕も観ていて好きな作品で、最新作の『雨を告げる漂流団地』もNetflixで公開中です。

話が長くなってしまいましたが、このような経緯で、Galileo Galileiというバンド自体に興味を持って、他の曲も聴くようになったのです。

Galileo Galileiには好きな曲がたくさんあって、それぞれ書きたいのですが、避けては通れないであろう曲をふたつだけ紹介させてください。

ひとつめは冒頭でも書いた『ハローグッバイ』。

Galileo Galileiや当時バンドをやっていたり、聴いていた人にとっては、いうまでもないことかもしれませんが、閃光ライオットというSCHOOL OF LOCK!やソニー・ミュージック等が開催していた、10代限定フェスがありました。

その初代2008年のグランプリに輝いたのがGalileo Galileiで、そのきっかけになったのが『ハローグッバイ』。

この曲をつくった尾崎雄貴さんは、当時16・17歳ごろ。驚きしかないです。

僕は楽器を弾いていたり、バンドをしていた経験はないですが、当時同年代でこんな凄い曲を作る人を見たら、その道を諦めていたのか、逆に闘志を燃やしていたのか、どうだったんだろうとふと気になります。

もうひとつが『管制塔』

この曲はGalileo Galileiが初めて作ったオリジナル曲とされていて、この曲から生まれたという彼らの出身地の稚内を舞台にした映画が2011年に公開されています。タイトルは同様に『管制塔』。

この曲はGalileo Galileiの中でも個人的に1・2位を争う程好きな曲かもしれないです。

特に、一番のサビ前のこの歌詞

望んだ未来が来るのかって不安でいつでも僕ら少し震えてた
僕らが飛ばした希望の紙飛行機の事を
いつまでも君と話していられたらいいのに

Galileo Galilei『管制塔』

この曲を夢中で聴いていた大学3年生頃の自分と重なっていました。就活で悩み、将来で悩み、これからどうしていこうかと考える度に聴いていた記憶があります。

管制塔 僕らの飛ばした未来が
見えるでしょう 綺麗でしょう そいつを信じていたいんだ
管制塔 僕らの信じた未来が
いつの日か来るんでしょう それを待っているんだ

Galileo Galilei『管制塔』

サビのこの「信じていたいんだ」「いつの日は来るんでしょう」
という箇所に、勇気をもらっていました。

将来がわからなくて不安の中で、自分が描いた未来について、「信じていたい」し、「いつの日か信じた未来が来る」と待っていればいいんだ、と思えました。社会に出て働き始めている今、こうして歌詞をみてみても、同じように、”今現在描いている未来”について、「信じたい」「未来が来ると待っていたい」と思わせてくれます。

余談ですが、映画『管制塔』はクラスメイトの中学生男女がバンドを結成する様子を描いているのですが、この男女は、山﨑賢人さんと橋本愛さんです(初めて見た時驚きました)

また、さらに余談ですが、映画『管制塔』の監督は『ソラニン』や『青空エール』などの三木孝浩さんです。特に『ソラニン』は個人的にとても好きな作品でまたどこかで書きたいと思っています。

映画『管制塔』の中に、主人公の山﨑賢人さんが曲の『管制塔』を弾くシーンがあるのですが、それが印象的です。

(ちなみに挿入歌として『ハローグッバイ』も使用されていて、それも非常に良いです)

ちなみに、曲の『管制塔』には通常版とacoustic版があります。

通常盤は切ない歌詞の中に駆け抜ける疾走感があって、acoustic版は切ない歌詞をより存分に感じられるように思えます(結論、どちらも違った良さを感じられます)

もともとロックやバンドに疎くて(そもそも音楽全般に疎かった)、好きだと自信を持って言えるバンドがいなかった自分にとって、Galileo Galileiは初めての存在でもありました。

バンドに限らずですが、「このアーティストや作家が好きです」というのって、少し勇気がいるかもしれないと思います。だって、自分より詳しい人や、好きな人もいる中で、その愛や好きの度合いを表現していくのだから。
(なので、このnoteを書くかも迷いましたし、今も少し迷っています)

ただ、それでも、他の人に勧めたくなってきた時、その想いを発信したくなってきた時に、自信を持って「好きだ」と言えるのかもしれません。(いわゆる「推し」に近いのかもしれないですが、そういう存在を人生の中で増やしていきたいですね)

ただ、ひとつ後悔していることがあります。

Galileo Galileiは2016年にバンド活動を終了しているのですが、活動中一回もライブに行かなかったことです。

好きになったのが活動終了後だったら仕方ないですが、活動終了が発表された時に、Galileo Galileiは既に好きなバンドではありました。

「寂しいし悲しいな」とは思ったのですが、当時はライブの価値をあまり分かっておらず(音楽を聴くこと自体、あまり習慣もなかったので)、足を運ぶまでには至りませんでした(あと、ライブというのは本当に好きな大ファンの人が行くもので、自分なんかが行っていいのかと、少しおじけついてしまいました)

余談ですが、当時好きだった人がいて、その人もGalileo Galileiが好きだったのですが、「解散するからライブ行こう」って軽く誘われたことがあります。

普通だったら喜んで行くよなって今でも思いますが、色々と怖気付いたりして、結局曖昧のまま行かずに終わってしまいました。

Galileo Galileiの記憶を遡ると最後には、結局ライブに行けなかったことと、誘われて乗れなかった話に帰結して、苦しさを感じつつ、これからはしっかりしようという気持ちにさせられます。

こんなに長い、単なる感想文を、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

Spotifyで、プレイリストもあるので、ぜひ聴いてみていただけると嬉しいです!(誰目線なのかと思いますが、イチファンとしてです)

※本内容は、筆者の個人的な感想・主観ベースで書いているものになります。意見が異なる箇所などある場合、ご了承ください(作品やバンドの活動等については調べて書いていますが、異なっている箇所ありましたら申し訳ありません)

※Galileo Galileiの活動終了時のメンバーやサポートメンバーで、「Bird Bear Hare and Fish(現:BBHF)」が2018年に結成されています。僕はまだ追えていないのですが、今後聴いていければなとも考えています。

※2022年10月18日追記
なんとGalileo Galileiが活動再開されるようです!
今度こそライブ行きます!


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