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これまで来た道、これから行く先

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旅がどこまでも続くように。1000字エッセイ。
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2018年3月の記事一覧

「学生のうちに遊ぶ」という蜃気楼

「学生のうちに遊ぶ」という蜃気楼

間もなく、社会人になって1年が経つ。昨年の今頃は何とも言えない緊張感と高揚感に包まれながら過ごしていたものだ。配属も同期の人数も全く知らされていなかった当時の私には、一年後にこうして毎日神経をすり減らして顧客の対応をしながら、PCに向かってぶつぶつと不平を漏らしていることなど思いもよらなかった。「光陰矢の如し」とは言い得て妙である。

平日5日間のほとんどを会社で過ごし、週末はその疲れをわずかに癒

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ふと見上げれば空

ふと見上げれば空

空。これを何と読むか。

——塾講師のアルバイトをしていた時、ある話の流れの中で、ふと生徒にこんな質問をしたことがある。その場にはおそらく15人程度いたように記憶しているが、その全員が「そら」と答えた。小学生に聞いても、高校生に聞いても、同僚の講師に聞いても、初めは必ず「そら」と読む。非常に興味深い。いくつか読み方はあるにも関わらず、答えはただ一つと言って過言ではないだろう。単にそれが訓読みである

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