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アメリカ風桃太郎論

メイフラワー号が新天地プリマスに上陸した頃、今のケンタッキー州あたりにジーサン・バーサンという老夫婦が住んでいたって話なんだが、これがまた傑作だぜ。


ある日、ジーサンがいつものように森を徘徊している間に、バーサンはミシシッピ川の下流へ洗濯をしに行ったんだ。すると、上流の方からビッグなピーチが、「ドーム・ブラック・オー」って音を立てながら流れてきた。村じゃ欲張りで知られたバーサンだから、何のためらいもなくピーチを持って帰ったらしい。

「ヘイ、バーサン。何だい、そのピーチは」
「神の贈り物よ」

答えると、バーサンはその神様からの贈り物をフランス土産のギロチンで割ったんだ。そこから何が出てきたと思う? 子供だぜ、子供。男の子が出てきたっていうんだ。ジーサンとバーサンは喜んで名前を付けた。ピーチから生まれた男だっていうんで、ピーチ・ジョンって名前だ。ちなみに、下着を作ったことはないらしい。

ピーチ・ジョンはものすごい早さで大きくなって、3mを超える大男になった……ってのはジョークだ。ハハハ。とりあえず大人になったピーチ・ジョンは、近所の犬を捕まえると、徘徊していたジーサンの代わりに家に帰ってきたサルを手なずけ、自宅で飼っていたキジ……待てよ、これはジャパンの国鳥だな。キジじゃなくてハクトウワシを肩に乗せて、旅立った。ちなみにその3匹の名前は、それぞれ「ホットドッグ」「サルサ」「白桃ワシ」という。


彼らの行先は、チャイナだ。大統領が「チャイナのせいで損ばかりしている」が口癖になってきたので、その国がどんなところなのか調べるために、チャイナに行っチャイナってわけだ。だんだん時間軸が歪んできたな。ハハハ。

チャイナへの航海の描写は面倒だから省くぜ。1000字も超えちゃうしな。

そんなわけで彼らが辿り着いたチャイナは、ドラゴンの国だ(そう言いながら両手を天井に向け、机の上に腰掛ける)。ドラゴンの絵に眼を描き入れるだけで、絵から出てきて飛んで行っちゃうぐらい、ドラゴンは身近って話だ。彼らの目的はそのドラゴンの退治だ。

そうはいっても、チャイナもファンタジーばかりじゃない。現実的な問題もある。チャイナってのは空気が汚いらしい。これじゃあドラゴン退治の前に肺炎になっちゃうっていうわけで、即時退却だ。


ゴホゴホと咳をしながら命からがらユーエスエーに戻った彼らは、みんなにこう言ったらしいぜ。

「清浄機よ永遠なれ」。


(文字数:1000字)

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