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脂質の脳や体への影響 ―魚を食べよう🐟 油は選ぼう―

脂質のコントロールができれば、多くの疾患の予防や改善が期待できる」[1]という脂質。とはいえ、どんな油を選べばいいのかな。自分の体内にはどんな油が多いのかな。油ってよくわからないしムズカシイ!と敬遠していたのよね。
学び始めたら、油って毎日口にするものだし、すごく重要なものだってわかってきました。だって脳にも腸にも密接に影響するのだもの。
オイリスト(脂質と精油のスペシャリスト)の地曳直子先生[1]のお話を伺いました。脂肪酸検査もやってみたので、まとめておきます。
何度聞いても、難しい脂質の話。少しずつ理解を深めていこうと思います。

1.油と脂とオイリスト

まず、油(OIL)は液体のもの、脂(FAT)は個体のもの。栄養素になると脂質(LIPID)になります。

油脂は、調理するときに油としても使いますが、肉や魚などの食材や加工食品、お菓子などにも含まれています。
脂質は生命維持に重要な栄養素で、3つの大きな役目があります。1つ目は体を動かすエネルギーの元になる役目。2つ目は体を作る構成要素としての重要な役目。3つ目が、体の調子を整えるという3つの役目です。

そして「脂質はどんな種類をどのくらい摂るかによって、全身の状態が変わる」ので、脂質は量も質も両方重要[2]なのだそうです。
現在の私たちの生活では、良い油の摂取が減少していて、良くない油の摂取が増加しているため、脂質のバランスが崩れていることが一番問題のようです。

写真の水色の可愛いボトルは、地曳先生が手がけている、搾りたてのエゴマオイル

このエゴマオイルは、生でかける油が本当に美味しい!!と、生まれて初めて思った油です

地曳先生が分子栄養学の中でも特に脂質をご専門にされて、脂質の重要性を伝えるようになったのはなぜかというお話が最も印象に残っています。
地曳先生が十数年前に脂質のことを学び始めたとき、
脂質の研究者が「今の食生活をしている子どもたちが40歳くらいになったときには、心筋梗塞などの心疾患がまさにパンデミックのように広がるだろう。」と話したのを聞いて、脂質の問題を何とか広く伝えなければならないと思ったのが始まりだったとのこと。

脂質のバランスが崩れている現在の食生活を続けていくと、数十年後、子どもたちの血管、脳へのリスクが高まるなんて!!!大変じゃない!
私たち大人だって、認知症や血栓系の病気やガンになるリスクが高まるということよね。
これは、早くもっとしっかり勉強して、子どもや学生たち、お母さんたちに伝えなければ💦💦!というわけで、脂質についても勉強をしています。

2.脂質の影響

「脂質の作用は、全身多岐にわたる」ため「食べる脂質を選ぶことが重要」[1]だそうなのです。
具体的にどのような脂質によって、どのような作用や影響があるかといえば、例えば、脳だと「認知症、脳機能、脳梗塞、精神疾患などのリスク」[2]。体へは「呼吸器疾患、心筋梗塞、心不全、乳がん、肺がん、大腸がん、骨粗しょう症、関節炎、糖尿病、血圧、肌、視覚機能など」[2]、本当に体のほぼすべての器官や機能に大きな作用や影響を与えるということなのです。

認知症が増加、精神疾患が増加、癌増加している加工食品大国の日本。多岐にわたる脂質の影響を見ると、日本の食の変化が病気と繋がっていそうだと思いますよね。

脂質のコントロールができれば、多くの疾患の予防や改善が期待できる」[1]ということです。だから、脂質は「量だけでなく質」[1]も重要なポイントなのですね。

3.隠れ油

地曳先生のお話聞く機会がない場合は、林裕之さん[3]の書籍がわかりやすいです。

林さんのお嬢さんは子どもの頃のアトピーが治ったものの、高校大学と7年間アメリカ生活をして帰国し、成人になってから再発したのだそう。その皮膚炎を何とか治そうと必死で情報を探し、勉強して完治させ、油の危険についての本を書くまでになったそう。奥様はその体験から、「体と頭に効くオメガ3料理ブロク『DE-OIL』でキレイになる」[4]というブログで情報を発信したり、料理本も出されているようです。
お子さんの皮膚が弱いとか、アトピーで悩んでいらっしゃる方は参考になると思います。

林さんは「街は油まみれ」で、「外食で油を使っていないものを探すのは至難の業」「空揚げ、とんかつ、コロッケ、メンチ、ポテトフライ、てんぷらなどの揚げ物はもちろん、マクドナルドやケンタッキードーナツ、ピザ、牛丼、たこ焼きなどのチェーン店」も「ファミレスのメニューもほとんどが油使用、中華料理店は油がなければ成り立」たないと書かれています[3]。

林さんはオメガ6系の油をやめ、オメガ3系の油を少量摂る生活に変えて、お嬢さんのアトピーを治したそうです。
油を変えたことで、アトピー性皮膚炎のほかにも「慢性のだるさ」「花粉症、冷え、便秘、鼻炎」なども治り、「熟睡できる日が増え、朝シャキッと起きられる日が増えた」ほか体重減少など、家族にも思わぬ良い副作用があったそうです[3]。

4.油を変える

私も家にある油を変えたり、初心者でも簡単にできることから脂質に気をつけ始めました。


・トランス脂肪酸はとらない。
・加工食品やファストフードなどで、油を使った食品はなるべく避ける。
・魚を食べる回数を増やす(養殖は使わない、産地を見る、大型魚はたまににする)
・米油を使う。(サラダ油はずいぶん前にやめました)
・オメガ6系オイル(リノール酸の植物油)を減らし、オメガ3系(亜麻仁油、えごま油)を摂る。
・オリーブオイルもごま油も、調子にのって使い過ぎないようにする。
・すぐにエネルギーになる無臭のココナッツオイルをうまく使う。
・MCTオイルもうまく活用する。
・油はプラ容器ではなく瓶入りを購入する。できれば遮光の瓶。
・溶剤抽出の油ではなく、圧搾法で抽出された油にする。
・揚げ物は、家で、たまに。(揚げ油は無臭ココナッツオイルか、ほうろく屋の菜種油などで)
などです。

5.脂肪酸検査

2022年に脂肪酸検査(日本リポニュートリション協会)[1]を受けてみました。
脂肪酸検査では、オメガ3インデックス(動脈硬化や新血管系疾患リスクの目安の数値)、トランス脂肪酸の量とか、アラキドン酸(AA)とEPAの比率や、オメガ6とオメガ3の比率などがわかるのです。

オイリストの地曳さんとお会いした時に、脂質検査をした方の中で、心筋梗塞一歩手前のような値の方がいらして、その方が食事を週5回魚に変えたところ、3か月後の脂質検査では、基準値内の、とても良い値になっていたというお話を伺いました。
魚を食べる機会を増やすことが、まずは体の脂質を整えていくのに大事な一歩のようです。
私もあまり良い数値だったわけではなく、ちょっとショック💦
脂質に気をつける生活・・・何をすればいいのだろう。
まずはアラキドン酸(AA)を減らすこと、リノール酸を減らす、肉を減らして魚を増やす、EPAとDHAを意識して摂ることですよね。

リポバランスオイル Mo3(モスリー)


「Mo3(モスリー)の【オメガ3】は藻類由来の安定型DHA・EPA」だというモスリーもよく活用するようになりました。

2023年(9か月後)に再度脂肪酸検査をしたところ、なんと、AA:EPA比が改善していたのです。
やったことと言えば、タンパク質を効率よく摂りたいと、肉に偏っていた食事から、魚を食べる機会を増やしました。
最低でも週に2~3回は魚を食べるようにしました。
でも、魚だけではどうしてもタンパク質量が少なくなり、刺身などではご飯が進んでしまうので、枝豆、豆腐、納豆、温泉卵などでタンパク量を意識しながら魚を食べる日を増やしました。
えごま油やあまに油を味噌汁にたらす、野菜にかけるなどもしました。
それから、加工食品はほとんど摂らない。外食でも揚げ物は極力避けるようにしました。
やっぱり魚の脂はいいのですね。

でもでも、まさかのトランス脂肪酸が増加??!!。
ひえーー💦ショック😢

JLNA日本リポニュートリション協会の脂肪酸検査レポートより

トランス脂肪酸って、マーガリンとかショートニングとかでしょ。まったく摂っていないつもりだったのに。って思ったら、脂肪酸検査レポートの資料をっ見ると、ふむ、思い当たる節が・・・

最近少し気が抜けて、チョコもケーキも食べる機会があったな~😢
気分転換も大事だし、チートデイっていうのもあるもんね笑

脂肪酸検査で、あんなたった数滴の血液だけで、体の中にトランス脂肪酸がどれくらいあるのかとか、リノール酸がどれくらいあるかとか、EPAやDHAがどれくらいあるかって割合が分かるって凄すぎる💦
血液は、ただの赤い液体に見えるけれど、本当にすべての体にはいったものが、莫大な情報としてこの液体になってちゃんと血管の中を流れていてくれていて生きているんだな~と変な感動までしているのでした🥰
ということで、まだまだ気をつけること多すぎですが、体のためにぼちぼち意識して良い油をとってトランス脂肪酸に気をつけていきたいものです。

6.ものごとバランス

それぞれの脂質には、一長一短の性質があります。
すべての物事には、一長一短あり、すべてに良いことはないので、物事バランスなのだなと、改めて思います。
脳は60%が脂質、40%がタンパク質でできているのですよね。脂質の重要性がわかります。タンパク質の重要性もわかります。
効率よくタンパク質やミネラルが摂れる肉と、良質の脂質とタンパク質が摂れる魚をバランスよく食べることで、脳も体も心も健やかになるのだな~。


「隠れ油という大問題」を書いた林さんは、「2005年」が魚離れの象徴的な年だと書かれています。2005年に魚介類の購入量が肉と逆転し、またこの年あたりから、加齢による食の好みの変化がいられなくなった」と言います。「歳をとっても肉が好き」な人が増加しているというのです。
さらに、若い世代の魚離れが顕著だというのです。

脂質は奥深い栄養素で、興味津々です❣

他にもこんな書籍も役立ちそうです。

まだまだ勉強中なので、知識がバージョンアップしたら、またまとめていきます。


[1]日本リポニュートリション協会 代表理事地曳直子
https://www.lipo-nutrition.com/about
[2]オイリストベーシック講座資料
[3]林裕之(2017)『「隠れ油」という大問題』三五館


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