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太刀魚のパン粉焼きカレー風味 サルディーニャ島の潮風とハーブ香る白ワイン

先日、韓国料理の太刀魚のピリ辛煮のカルチジョリムを作ってから、太刀魚の美味しさに気付いてしまったようだ。

以来、スーパーの鮮魚コーナーで銀色に光る、文字通り刀のような魚体が私の視界に入るたびに気になってしまう。
とはいえ、私にとってアジやイワシほどの気軽な存在ではなく、調理方法にも少し凝って頂きたいお魚だ。
私の太刀魚インターバルは1、2ヶ月に一回といったところだろうか。
そして先日、お手製カルチジョリムから約1ヶ月が経ち、そろそろインターバルの潮時がやってきたと千葉県産の太刀魚の切り身を購入。

自宅で三枚おろしに失敗してしまい、魚肉に張り付くような小骨の処理にはなかなか手間取った。無理やり取り除こうとすると身もはがれてしまう。次回の太刀魚は確実に三枚におろすように注意したい。
 
2種の風味のパン粉焼きにすべく、ディルとカレー粉を別々のバットに用意してパン粉を混ぜる。下処理した太刀魚をまぶして、切り身ごとにオリーブオイルを小さじ一杯かけてオーブントースターで焼く。

太刀魚の香草パン粉焼き
太刀魚のパン粉焼きカレー風味

セラーから取り出したのはイタリア カンパーニャ州の白ワイン(2品種ブレンド)、サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種、オーストラリアのセミヨン品種の白ワイン3種。
実食の結果、サルディーニャ島の白ワインの力強い果実、樽、ハーブ、潮の要素が、カレーのスパイス香る太刀魚の上品な脂を引き立てた。
カンパーニャ州の白ワインの華やかな香りと塩気との相性も捨てがたい。
 
ピエロ・マンチーニ, プリモ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ 2021, 2,049円
Piero Mancini, Primo, Vermentino di Gallura, DOCG, Italy, 2021, 14%

サルディーニャ島で唯一のDOCG格付けのヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ。
香りにはリンゴのリキュール、林檎酒、ピンクグレープフルーツ、グァバにグレープフルーツの果皮、レモングラスなどのハーバルな香り。ほんのりと樽香、白胡椒のスパイスのタッチ。海岸を歩いているような潮の香りも。
風味は豊満でジューシーな完熟した果実味、塩味がワインにメリハリを与える。清々しい酸味、余韻にはまったりとした乳酸飲料のようなタッチ。鼻腔を樽香が力強く抜ける、ほろ苦さを伴う充実したリッチな余韻。
太刀魚の香草パン粉焼きにワインを合わせる。
太刀魚の筋繊維は非常に柔らかく、箸を入れるとほろりとほぐれ。カリカリのパン粉から広がる香草のフレーバーに太刀魚の軽快な脂が調和。そこに、ワインのハーバルな香りと潮のニュアンスが重なり、メロディーが一つ増え風味が重層的に。五つ星にするか悩ましいハイレベルな相性だが、余韻はワインの力強さが圧倒。相性: ★★★★☆

太刀魚のパン粉焼きカレー風味に。
カラッと焼けたスパイシーなパン粉、太刀魚の上品な磯の香りを軽快な脂に、ワインの力強い樽香、潮の香り、パワフルな完熟果実味が継ぎ目なく調和。極上の相性。ワインとスパイスの相性も特筆。相性: ★★★★★


カーサ・ダンブラ, イスキア・ビアンコ, イタリアカンパーニャ州, 2021, 13%, 1,989円
Casa D'Ambra, Ischia Bianco, DOC, Italy, 2021, 13%

カンパーニャ イスキアの土着品種ビアンコレッラ、フォラステラ品種のブレンド。
香りにはライチ、青リンゴ、洋梨、白桃のみずみずしく伸びやかな果実香に白コショウが混じる。セルフィーユのハーバルなタッチと海岸を歩いているようなほのかな潮の香りや貝殻、海藻の香り。フラワリーで吟醸香のようなフレーバーも。
風味にはみずみずしく力強い硬質なミネラル感や塩味に富む、よく熟した果実味の微かな甘みが心地よい、酸味は中程度で的確、余韻には微かにほろ苦さもあり。南部州とは思えないようなピュアで清々しく様々な要素に富むワイン。
吟醸香に近いフレーバーも含み日本酒好きにも勧めたい一本。
太刀魚の香草パン粉焼きに。
ワインの華やかな香りが料理のハーブ香に調和。その調和を起点に太刀魚の上品で軽快な脂に、ワインが含む塩気が素晴らしい調和。相性: ★★★★☆

太刀魚のパン粉焼きカレー風味に。
ワインの華やかなアロマがスパイス香に共鳴。ワインの優しい塩気が太刀魚の上品な脂を引き立てる。相性: ★★★★☆
 

トルブレック, ウッドカッターズ セミヨン, オーストラリア, 2022
Torbreck, Woodcutter's Semillon, 3,080円

1994年に設立のワイナリー。ワイナリー名は創業者がスコットランドで木こりをしていた時の思い出深い森の名前。なんともほっこりなエピソードだ。
ローヌ品種から造る凝縮したワインで、創業直後から国際的な評価を得ている。
このワインはバロッサ・ヴァレー産のセミヨンを使用。
香りには青リンゴ、白桃などが爽やかに、軽快に。フラワリーなニュアンス、酵母の香ばしさもほのかに。
味わいの果実味の凝縮感は軽快でみずみずしい。酸味は中庸ながら的確にワインを引き締め、余韻の最後の最後まで清々しい。セミヨン特有のクリーミーなニュアンスはほぼなく、それもワインの清々しさに繋がっている。
太刀魚の香草パン粉焼きに。
料理のハーブ香にワインの軽快でフレッシュな果実香が調和。相性: ★★★☆☆

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