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カニしんじょうの優しい出汁に、ピエモンテのおおらかなワイン

夕飯を作る時間なくスーパーマーケットに駆け込み、カニしんじょうを購入。
先日開けたイタリアワインに、穏やかな個性のおおらかなワインがあったので、出汁の効いた和食に合わせたいと思っていたところだった。

このワインはピエモンテ州ガヴィで土着品種コルテーゼ100%を使って造られる。
ピエモンテと言えばバルバレスコ、バローロを筆頭に、赤ワインが有名だが、コルテーゼ、アルネイスといった土着品種で造られる白ワインも興味深い。
これらピエモンテの白ワインは、ヴェネト州ソアーヴェなどの海沿いのワインや、イタリア南部の開放的なワインとは少々異なる、どこかややあか抜けない感がありながら、花や甘やかな香りが好ましい。

Villa Sparina, Gavi DOCG, Italy, 12.5%, 2,393円
青リンゴ、白桃、ほんの微かにアプリコット、ハニーサックルなど花の蜜、おおらかで甘やかな芳香が広がる。
みずみずしい口当たり、ヨード系の柔らかい苦み、酸味は穏やかでややフォーカスが絞れていないような印象もあるが、それもふくめて荒っぽさ、ゆったりおおらかな風味が心地よい。

カニしんじょうの柔らかい出汁の旨味と大和いものまろやかな口当たりに、ワインの柔らかい残糖とおおらかな果実味がぴったりと寄り添った。
ワイン単体ではなかなかその魅力がつかみづらいかもしれないが、出汁やみりんを用いた優しい味付けの和食に合わせることで、ワインの魅力がひときわ高まった。

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