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鮮烈なスパイスのホタテサグ(ほうれん草カレー) 満を持してのインドの白ワイン

ホタテサグをインド料理レストランからテイクアウトし、自宅でワインを合わせてみた。サグはほうれん草を使った緑色のカレー。そこにホタテの身がポツリポツリと入ったもの。辛さを選べるので中辛にしておいたが、現地シェフの容赦ないスパイス使いに、汗腺が大いに刺激されたw

半分に畳んでも随分と大きなナン

合わせたのは満を持してセラーにしまっておいたインドワイン。インド最大手のスーラ・ヴィンヤーズが手掛けるもので、ソーヴィニョン・ブラン品種のもの。

最近、このスーラ・ヴィンヤーズの赤ワインを本格インドカレーに合わせていた。スタンダードラインのシラーズのものはシュリンプバターマサラと、フラグシップのシラーズのラサはホタテマッシュルームカレーと好相性だった。

スパイスとコク豊かなシュリンプバターマサラ 満を持してインドの赤ワイン①

ココナッツ香るホタテマッシュルームカレー 満を持してインドの赤ワイン②

上述の過去Noteでも紹介したが、インドには一部の禁酒州もありがながら、世界一のウィスキー消費国。モエ・エ・シャンドンはインドでのスパークリングワイン造りに参入。世界的な醸造コンサルタント、ミシェル・ロランのインドワイン大手グローヴァー・ザンパへの参画は確実にインドのワイナリーの品質アップに貢献している。今後の成長も楽しみ。

今回、ホタテサグにはインドの白ワイン(ソーヴィニョン・ブラン品種)に加えて、ボルドーの白ワイン(ソーヴィニョン・ブラン品種主体)を合わせてみた。この二つともが極上の相性を見せてくれた。インドワインはハーブ香が強くほうれん草との繋がりよく、ボルドーワインはコクがありまろやかで、鮮烈なスパイスすら包み込んでくれる包容力が魅力的。

なお、これまでの飲んだスーラ・ヴィンヤーズのソーヴィニョン・ブランはトロピカルフルーツ香が感じられ、インドワインに求める期待に応えつつ、品種個性も魅力的に表現したスタイルだった。最新のヴィンテージはトロピカルフルーツが随分と抑えられ、グリーン、ヴェジェタルを全面に押し出した品種の個性を表現するスタイルに路線変更されていた。これはこれで面白いが、私は品種個性の取り出しにこだわりすぎず、これまでのスタイルのインドらしさやこのワインにしかない個性がある方が好きかな。

さて、ホタテサグとそれぞれのワインの相性について。


スーラ・ヴィンヤーズ ソーヴィニヨン・ブラン, インド, ナシック, 2022, 12.5% 1,828円
Sula Vineyards, Sauvignon Blanc, Nashik, India, 2022

香りにはライムの柑橘香、明瞭にグリーンペッパー、青いトマト、ハーブ。渋く酸のある柑橘果皮。刈りたての芝(ゴルフ場)が鮮烈に、干しわらも。微かに白胡椒のスパイス。
味わいには期待していた南国果実味はなく、少し緊張感を残す心地よい酸味とやや明瞭なビターネス。意図的にかなり収穫を早めて柑橘香、酸味を強く押し出したよう。

ホタテサグにワインを合わせる。カレーに織り込まれた強烈な辛味にほうれん草とエビの風味の大部分がなぎ倒される。それでも這い上がってくる一部の上澄みの力のある風味をしっかりとワインが拾い上げる。特にバターとスパイスが絡んだほうれん草のコク、それをまとったエビの甲殻類特有の豊かなフレーバーとの繋がりは極上。相性: ★★★★★


シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン, ブラン, フランス, ボルドー, 2018, 14%, 5,170円
Château Larrivet Haut-Brion, Pessac-Leognan, 2018, 14%

ボルドー地方のグラーヴ地域のなか、ぺサック・レオニャン地区の中心部に位置するシャトー。シャトーの歴史は14世紀まで遡る。1996年からは著名な醸造家ミシェル・ロラン氏をコンサルタントに起用。ソーヴィニヨン・ブラン75%、セミヨン25%。
香りにはピンクグレープフルーツ、オレンジの快活且つ熟度高い果実香。グリーンペッパー、レモングラスのハーブ香。よく溶け込んだ樽香、若さも残り熟成ポテンシャル高そう。
風味には力強い果実味、引き締まる酸味。鼻腔を抜けるリッチな樽香とヴェジェタルな芳香がバランス良い。噛めるような緻密で重量感ある質感。余韻はクリーミーでまったり。

ホタテサグに。ワインの完熟した厚みのあるピンクグレープフルーツの香りとカットグラスのグリーンな香りがほうれん草に吸着。さらにワインの樽香はエビの力強い旨みを引き立てる。また樽香はスパイスとの繋がりも極上。まさかボルドーの白ワインがインドのほうれん草カレーにこれほどまでに合うとは。驚きの五つ星。相性: ★★★★★

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