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やっと春がくる

仕事が原因でうつ病になってから、2年近く経ってしまった。

最初は寝たきりのような生活を送っていた。動悸と眩暈がひどくて、立っていられないけれど、急に掃除がしたくなり、フラフラになりながらたくさんの物を捨てた。CDや洋服などどんどん捨てた。部屋にゴミ袋が積み上がっていった。

次に緑が見たくなり、観葉植物をネットで買った。たくさん物を捨てて空いたスペースにジワジワと植物が増えていった。

生活をとにかく変えたかったのかもしれない。とりあえず目の届く場所から。

半年過ぎた頃から徐々に起き上がっていられる時間が増えてきて、薬を飲めば少ない時間なら外出もできるようになった。
そこで出会ったのが夫が連れて行ってくれた古民家カフェでワークショップをやっていたオラクルカードとアロマオイルだった。
どちらも自分に今必要なものだとピンときた。
タロットカードと違って優しい言葉で自己肯定感をあげてくれるオラクルカード。
癒される香りで嗅覚を刺激するアロマオイル。アロマオイルは図書館で本をたくさん借りて効能を調べた。
どちらもすぐにネットで買って増えていった。
夫は気味悪がったが、わたしにとってはそれはその時の心の支えになった。

しばらくして本屋でなんとなく手に取った木下龍也さんの「天才による凡人のための短歌教室」を買って読んだ。面白い。短歌は言葉が短いのにぐいぐい心の中に沁みわたる。同時期に西尾勝彦さんの詩集「のほほんと暮らす」を買った。のんびりとした文章で癒される。焦らなくていいんだよ。と言われているような詩集だった。
どちらも何度も読み返した。

ジワジワと元気になってきた時に友達から、絶対に元気になるからと教えてもらった、ジェーン・スーさんと堀井美香さんのpodcast、「OVER THE SUN」。本当に面白いし、共感出来るし、いつも慰められてるような気持ちになりどハマりした。ジェーン・スーさんの書籍「おつかれ、今日の私」の"トンネルの出口であなたを待つ"の章は休職している人にあてたエッセイで、トンネルの出口でスーさんが待っていてくれている気がした。自分の事を慰めてもらっているようで号泣した。

そうやってどんどん今のわたしに必要なことはやってきて、とうとうわたしは元気になった。
それらの物や本や人は今のわたしを支え続けてくれた。もちろん友達も。

増えた推しを推していくことにちょっとワクワクしている。イベントがあれば出かけて行こう。オンライン配信で観たりしよう。
ワクワクした気持ちが持てるようになったらもう大丈夫。

やっとわたしにも春がやってきた。
長い長い冬を超えて、桜とワクワクと共に。
人生の新たな旅が始まるよ~




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