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8.南極(The Last Desert)2022 / レース後


7日間に渡るレースが終わり、張り詰めていた緊張の糸がプツンと切れたのか、柄にもなく、レース後は疲労でダウンしてしまった。更に追い打ちをかけるように、荒れまくるドレーク海峡で船酔いし、2日間まともに起き上がれず、食事も取らずにラウンジのソファで死んでいた。

狭い3人部屋の客室で、しかも2段ベッドの上なので、もはや客室に戻る気持ちになれず、ウシュアイアまでの戻りの航路は、開放感あるラウンジのソファでを1日の大半を過ごしていた。

大会スタッフや選手達が変わる変わるやってきては声をかけてくれるので退屈になることもない。と、その中にはレースディレクターのMaryもいて、ヘロヘロになっている私を気遣ってくれ、レース中に日本人選手への通訳をしてくれて助かったと労いの言葉をかけてくれた。

が、「明日は11時から(今年1年の)レースドキュメンタリーの上映会、16時からは表彰式だから、日本人選手にちゃんと出席するように伝えといて。」とのたまう。えええーっ、さすがにそれくらいはわかるでしょー?レース後までは知らんよ。


* * *


と、レースドキュメンタリーの上映会を(起き上がれず)欠席してしまった私。ビデオ上映を見た人達から「レナ、いっぱい出てたよ。良かったよ。」なんて感想を続々ともらい、うわっ、這ってでも見に行けば良かったと後悔する。


もちろん、表彰式はちゃんと出席しましたよ。

総合優勝、準優勝、3位
女子総合優勝、準優勝、3位


総合・女子総合ともに日本人選手が表彰台に上がったのがすごい。おめでとうございます。


そして、名前を読み上げられて驚いた。
私は40代女性で年代別優勝していたようだ。(女子総合優勝した人も40代なんだが彼女は表彰台に上がり除外されるので、実質2位なのだが。)他の砂漠レースでは年代別優勝のトロフィ貰えるんだが、南極では貰えないようだ。



だが、特別賞(Spirit Award)を頂いた。

船酔いでヘロヘロ。しかもすっぴんだし。


寒い中、長時間立って、周回しているランナーを見守っていた大会スタッフやボランティアさん達を少しでも楽しませようと、声がけしたり、ノリノリで踊りながら、スキップしながら、声援に調子を合わせながら走っていた姿勢が評価されたようだ。レースを楽しもう!と私の意図していたことが伝わっていたことが何よりも嬉しかった。


そして、まだまだ続く。
4デザーツクラブ入りした選手達にメダルが授与された。

4デザーツクラブ入りした人達

4デザーツクラブは、Racing The Planetが主催する4つの砂漠(ナミブ、ゴビ、アタカマ、南極)全て完走すれば自動的に入会するというものだ。と言っても、またRacing The Planetのレースに出る時は、他の選手より先にテクニカルチェックを受けることができる、くらいのメリットしかない。


そして、4デザーツグランドスラムを達成した人達への記念品授与が行われた。

4 Deserts Grand Slam獲得選手
4 Deserts Grand Slam Plus獲得選手


ここで、Racing The Planetの創業者でもあるMaryの粋な計らいがあった。4デザーツグランドスラムを達成記念のカップにビールを注ぎ、そこに目隠しでブドウを1粒投入する。

4デザーツグランドスラム達成記念のカップ


で、それぞれ自分のカップに注がれたビールを飲み干す。中にブドウが入っていた人は、Racing The Planetのレース、1レース分のエントリー代(50万円相当)が無料になるという!!


で、見事にブドウを引き当てたのが、、、

おめでとう、ユリータ。


ポーランド出身の2児のママ選手、ユリータだった。おめでとう!


盛り上がった表彰式も終わり、あとはウシュアイアの港に着いたら解散。
今年5月からずっと一緒だった仲間とのお別れ、寂しいな。でも、いつかまたどこかのレースで会えると確信している。


サポートして頂けると単純なのでものすごく喜びます。サハラ砂漠の子供達のために使います。