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6. ゴビマーチ 2023/ Day6: The Battle Grounds of Genghis Khan (42.2km)



6日目。
サハラマラソンと同じくフルマラソンの距離ではあるが、今日を乗り切れば、「完走」をほぼほぼ手中に収めることになる。と言うのも、翌日は約10kmのウィニングランみたいなものだからだ。



朝8時スタート。
昨日の余波?で微妙な天気で今にも雨が降り出しそうな気配である。レインジャケットを着てスタートするか否か悩む。

しかし、初日でレインジャケットを着てスタートしたら、全く雨が降らず、逆に晴れてきて暑くなったので、今日もこのパターンになることに賭けてみた。


・・・・・・・。
賭けに思いっきり外れてしまった。


スタートしてしばらくして雨が降り始めた。
少し様子見していたが、雨足がひどくなり、びしょ濡れになって、急速に体が冷えたら命取りだ。レース中にザックを下ろす手間をかけてでもレインジャケットを着た方が良いと判断し、ザックの外ポケットに挿していたレインジャケットを取り出して羽織る。

この判断は正しかった。
土砂降りの雨、しかも風も吹いている。
遠くでは稲光、そして落雷だ。

これって、、雷雲がこっちにやってきたら、凄ぶる危険な状況じゃない?
私たちより背が高い建物や植物がない、ただっぴろい大草原だ。下手したら、ランナーに落雷してしまってもおかしくない状況である。

雨に打たれながらなぜかシンガポールの選手たちと抜きつ抜かれつの展開になる。
「レナの早歩きが僕のランニング、、それでも追いつかない、、」
と今回の私、早歩きがノリに乗っているらしく、いろんな選手を震撼させたw



というかですね。
これまでステージレースに出てきた経験から言うと、全日程を完全に走り切る人って一部のエリートランナーだけなんすよ。常に走っていて、時々(登りだけ)歩く。

で、走れるところだけ走るみたいなスタンスの人が大半で、あとは完全に歩く人たちなんですけど、走れるところだけ走るって人たちって、何だろうな、動きにムラ?(無駄じゃない)があるから、だんだん疲労蓄積されていくと、走るスピードもだんだん遅くなる傾向にある。なので、早歩きの私にも抜かれる。

と、CP1が見えたが、その前に川渡りかよっ!
日本人ボランティアスタッフのサンディさんがいたが、挨拶もそこそこに給水してさっさとCP2へ向かう。

前日の休息日でゆっくりできたおかげで、みんなここぞとばかりにペースを上げて進んでいるので、私もうかうかしていられないですよ。



と、だんだん、ゲルの集落っぽいところに入ってきた。遊牧民の生活を垣間見ることができ、ちょっとキョロキョロしながら歩いていたら、いきなり派手にすっ転んでしまって、前を歩いていたアメリカ人選手R氏にむっちゃ心配されてしまった。す、すみません、、(汗)

Photo Credit: Racing The Planet


そんなR氏を抜き去り、前方を歩いているロングマーチで少し一緒に歩いたアメリカ人選手S氏の姿を捉える。S氏がゲルがある方向を見て笑っているので、その方向を見てみると、ゲルの外にたくさんの馬が放し飼いにされていて、その中の1頭の馬につけた縄に引きづられまくっている現地人が2人……ウケる。
馬力ってすげーな。


S氏を抜き去ってからはしばらく一人旅が続く。


CP2を通過してしばらくすると、遥か前方に見覚えがある後ろ姿を確認する。あれは間違いなく日本人選手のYさんだ。

Photo Credit: Yさん
レース後に亀仙人を自称


スタート後、
「追いつかれるかもしれませんが行けるところまで行ってみます。」
と走って抜き去っていったのだ。休息日の翌日は十分に休養を取れたこともあり、結構、みんなハイペースで飛ばしていくので、もしかしたらそのまま逃げ切られるかもなあと思っていた。

姿を確認してから追い抜くまでになぜか時間がかかった。急にスピードが出なくなったのだ、キロ9分台前半で早歩きしていたのが、10分台にまで落ちてしまった。

Photo Credit: Racing The Planet




何でだろうと思っていたら、自分では気がついていなかったが緩やかな登り基調だったのだ。

Photo Credit: Racing The Planet


本格的な登りの前には大会車両が待ち構えていて、そこにはアメリカ人ボランティアのD氏が水を持って待ち構えていた。助かりますっ。

こうしてチェックポイントのみならず、要所要所でここぞと言うときに給水の車が待ち構えていたり、巡回しているのがこのレースの良いところ。
(サハラマラソンだとペナルティですからね、CP以外での給水は!)

ヒーヒー言いながら登った後は、思いっきり下り。ひたすら下って行った先に最後のチェックポイント、CP3があった。もう残り10km切った。給水してラストスパートだ。

って、ソフトフラスクの縫い目?のところに穴が開いて漏れてる。だからソフトフラスクは好きじゃないんだよね。まあ、明日も合わせて残り20kmもないからいっか!


ゴールに向けて早歩きのスピードが更に上がる。
しばらくするとコースを巡回している大会車両がやってきて、そこにはついさっきCP3であったフランス人ボランティア、L氏の姿があった。

「この先で大会スタッフにあったら、この車両は通信ができなくなったけど、問題ない、CP3は既に60人くらい選手が通過したって伝えて。」

って、伝言を残して去っていった。

おいおいおいおい!戦国時代の飛脚、伝令かよっ!ここはモンゴルだし、馬いるし、早馬でもいいなとかアホなことを考えながら、L氏の伝言を忘れないように頭の中で繰り返しながら進む。


しばらくすると後から人の気配を感じた。
ちょっと歓喜(?)の奇声(?)を上げながら走ってきたのはフィリピン人選手のJだ。いつも後方で歩いていたはずなのに、今日に限って、走って抜き去っていった。

そして、何かを見つけたようで、更に雄叫びを上げていた。って、もう、それだけで何かはわかった。キャンプ地が見えたのだろう。

彼が雄叫びを上げた場所に辿り着いたとき、川を越えた先にはっきりとキャンプ地が見えた。

が、川渡りかよ、、、。

Photo Credit: Racing The Planet
奇声(?)を上げて抜いていったフィリピン人選手


最後の最後で川渡り、しかも結構深い。
先にゴールした仲間やスタッフが見守る中、何とかゴールした。


ゴールした喜びも何も、そこにいた大会スタッフに、その時いたのはレースディレクターのMaryだったが、彼女にフランス人ボランティアL氏の伝言を伝えることで頭がいっぱいだった。


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●第5ステージ
[開催]2023年6月23日(金)
[距離]42.2km
[スタート] 現地時間 8:00

Garminの記録


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