見出し画像

男性育休取得率100%を目指して。社内の「当たり前」を社会の「当たり前」に

こんにちは。ルネサンスnote編集チームです。

ルネサンスでは、2014年度より専任組織として「D&I推進チーム」を設置し、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の推進に向けて取り組んでいます。

D&Iのテーマの1つである「女性活躍推進」においては、男性が家事や育児に参画することが大事と考え、ルネサンスで働く男性スタッフに向けて、育休取得の推進に取り組んでいます。

取得率の目標は100%とし、株式会社ワーク・ライフバランスが推進する「男性育休取得100%宣言」にも賛同をしています。

今回のnoteは、人事部の「D&I推進チーム」にて男性育休取得を推進する前池 愛(まえいけ めぐみ)さんと、田原 哲(たはら さとし)さんに、男性育休取得推進に向けたこれまでの歩みや、ルネサンスとして取り組む目的、意義について伺いました。

【プロフィール】
▼前池 愛(まえいけ めぐみ)
人事部 人材開発チーム兼D&I推進チーム 課長代理
スポーツクラブのフロント業務に従事した後、本社人事部にて給与厚生や人事労政など様々な業務に携わる。
2児の母親。


▼田原 哲(たはら さとし)
人事部 人材開発チーム兼D&I推進チーム 主任
スポーツクラブでフィットネストレーナーとしてのキャリアの後、本社総務部を経て人事部にて新卒採用業務を担当。
1児の父親。

男性育休取得の歩みと現在地

ーー男性育休取得推進について、ルネサンスはこれまでどのように取り組んできましたか?

前池:2014年度にD&I推進チームが立ち上がってから、段階的に取り組みが進んできています。

2015年~2017年の期間では、「ダイバーシティの基本方針」を策定したり、男性育休取得率目標100%に設定することで、ルネサンスとして何を目指すのか、どのような目標を目指すのかを明確にしました。

そして、目標に向かっていくための取り組みとして、1カ月未満の育休の場合には、7日間は有給で休める育休制度や在宅勤務制度を取り入れたり、管理職向けガイダンスを実施することによって、社内の環境整備をしてきました。

続くフェーズとして2018年~2020年の期間では社内風土を醸成することを目的に、NPO法人ファザーリング・ジャパンが取り組むイクボス企業同盟に加盟し、管理職の皆さんにイクボス宣言を掲げてもらっています。

管理職のイクボス宣言

現在は、当事者や支援者のコミュニティグループを形成したり、社内でのワークショップなどを開催するなどして対話力・発信力の強化をしています。

つい先日も社内でオンラインのワークショップを実施して、男性育休取得の事例を紹介し、これから取得をしようとしている男性スタッフの背中を後押しをしています。

ーー取り組みの結果として、取得状況はどのように変化してきていますか?

田原:浮き沈みはあるものの、7日間を有給とする制度変更をした2017年度からは取得率は大きく向上して、昨年度末時点では80%となっています。

ーールネサンスの男性育休取得推進の取り組みで、特徴的なことは何ですか?

田原:「るねふぁみ+(プラス)プロジェクト」と言う、従業員公募型の取り組みを2016年から行っています。

このプロジェクトは、子育てをしているルネサンス全ての社員が、ライフワークの変化に対応しながら仕事と子育てを両立し、活躍し続けられる環境を主体的に整えていくことを目的に2016年に発足しました。

発足当時は女性中心のプロジェクトでしたが、現在は「性別問わず、ともに働き、ともに育てる」を掲げ、男性もプロジェクトに参画し、

2022年度は、
・育児社員のネットワークづくり
・両立プログラムの構築
・男性家事育児参画

をテーマに活動をしています。

るねふぁみ+プロジェクト 2022年度のメンバー

プロジェクトメンバーがいることで、現場で働くスタッフにとって何が育休取得の壁になっているのかリアルな声を集めることができますし、その壁を乗り越えるための打ち手を一緒に考えることができています。

制度は作るだけではなく、実際に使う人の声を聞いて、よりブラッシュアップしていくことが必要なんだなと、気づかされました。

また、参加メンバーも自分たちの家事育児の悩みなどを共有し合うことによって、「同じ悩みを抱えながらも、ルネサンスで働いている人がいるんだ」という安心感が生まれて、前向きにプロジェクトに取り組んでいるように思います。

男性育休取得率100%宣言。課題はどこに?

ーーこれまで、男性育休取得率を100%という目標を掲げて取り組んできた中で、どのような課題を感じていますか?

前池:一番の課題は、男性育休の目的やその価値を、パパも上司も、そして会社も、もっと理解を深める必要があることだと思います。

パパは、男性育休は「取得したらおわり」ではなく、そこから継続的な育児参画につながることが大事ですし、それを理解していないと「取得できてよかったね」でおわってしまうもの。

会社視点での大きな目的は「ジェンダーレスな職場風土をつくる」ことだと思っており、その成果は、従業員のエンゲージメントの向上やキャリアの多様化、生産性の向上、新しいサービスの創出等、多方面に広がり、それらがこれからの社会で「選ばれる会社」になっていく重要な要素であると考えています。

ただこれらは長期的なリターンです。
育休を短期的に捉えると、取得するための周りのスタッフの負担等があり、コストととらえてしまうことが実情だと思います。

ただ、コロナの影響がある中でも、ルネサンスはこの歩みを止めることなく続けていて、その結果が直近の男性育休取得率にあらわれています。

大変な状況の中でも、当事者が声をあげ、現場の上司や一緒に働くスタッフが男性育休の目的や価値を感じ、どうにか育休を実現しようという強い思いがあっての結果です。

これまでの取り組みの中で、様々な立場・パターンでの育休取得事例を増やし発信していくことで、育休取得に繋がるという手応えを感じています。

先日のワークショップで事例を紹介いただいたスポーツクラブの支配人も、昨年のワークショップに参加したことをきっかけに、ご自身も育休を取得したとお話をされていました。
そして、その支配人のお話を聞いた参加者から「『自分も取得できるかも』と前向きな気持ちになれた」とコメントをもらっています。

これからも、このような連鎖が継続していくように、男性育休の目的や価値を皆さんと一緒に考える機会をつくっていきたいと思います。

田原:ルネサンスで働く多くのスタッフは、スポーツクラブや介護リハビリ施設の現場で働いていて、代わりのスタッフを探したり、調整したりする苦労から、なかなか育休取得に踏み切れない方も多いのが実情です。

2022年の法改正によって、育休取得制度の説明と促進が義務化されていますが、プレパパ本人だけでなく、上司や周りのスタッフも一緒になって、ワークライフバランスについて考えるきっかけにする必要があるんじゃないかと思います。

今回開催したワークショップの中で、スポーツクラブの支配人の育休取得をサポートするために、近隣の支配人が兼任して不在の期間をカバーするというような事例も紹介されました。

店舗だけでなく、近隣のエリアで育休取得を推進する取り組みは素晴らしいなと思いましたし、このような輪を社内で広げていきたいです。

私たちが育休を取得して得られたことは

ーーお二人も育児真っ只中のママ・パパだと思いますが、実際に育休を取得されて、または育休を取得してもらって感じていることはどんなことですか?

田原:やはり、産後直後に妻のサポートに集中できたことは本当に良かったなと思います。
産後2週間は、出産と育児による疲労でママの身体と心のリスクがピークになると言われていますが、私の妻も近くのコンビニに行く事すら大変だと話していたので、自分が家事育児の主体になって育休期間を過ごしていました。

妻と育児のスタートダッシュを切れたことで、生後の赤ちゃんの様子や成長を見守ることができました。

育休取得当時は人事部ではなく別の部署だったのですが、今の仕事を通して自分の事例を周りのスタッフに紹介することで、誰かの役に立つことができるのかなとも思います。

前池:私の主人は同じルネサンスでスイミングコーチとして働いているのですが、第1子の時は1週間、第2子の時は10日間の育休を取得してもらいました。

私は帝王切開での出産でしたので、退院後も動くのがつらかったのですが、夫が育児家事を全てやってくれたので、十分に休むことができました。

育休の期間、そしてその後の夫の継続的な家事育児への関わりを通じて、家族の力が強くなったと感じています。

私自身が産後も職場に復帰して仕事したいと考えていたこともあって、出産前からどのように仕事と家事育児を両立していくか、何度も話し合っていました。

私が一緒にいると育児に口出しをしてしまうので、産後の早い段階から敢えて主人に育児を託して外出したりするなどして、お互いが1人でも自信を持って子どもをみれるようにしてきました。
今は保育園の送り迎えも、先生とのやりとりも、離乳食づくりもプロフェッショナルです。

私が夫に何よりもありがたいと思っているのは、家事育児を「手伝う」のではなく、同じ視点で関わっていることです。

子どもと関わる時間をつくってくれているので、「自分が育てるんだ」という気持ちが伝わってきますし、同時に、ママでも妻でもない一人の自分を尊重してくれていることを感じます。

私が仕事に集中したい期間は主人に育児の比重を高めてもらったり、その逆をしたりと、夫婦間で仕事と育児の攻守交替ができていて、それが我が家の「家族の力」だと思っています。

100%はあくまで目標。目的は

ーー最後に、男性育休取得推進の取り組みを通して、お二人が実現したいことやメッセージがあればお願いします。

田原:育休を取得したい人が安心して取得できるように、事例は今後も増やしていく必要があると思います。

男性が育児を経験することによって価値観の広がりや働き方の見直しになりますし、女性もライフだけでなくワークも充実することにも繋がっていきます。

過去の事例として、スポーツクラブの支配人がスタッフの育休取得を館内にお知らせしたところ、「男性が育休を取得することは素晴らしいね!育児頑張ってね!」というお声をお客様からいただいたそうです。

このように、ルネサンス社内で男性が育休取得することを「当たり前」にすることによって、より社会全体の育休取得の「当たり前」に貢献することができれば良いなと考えています。

前池:男性育休取得の取り組みは女性活躍推進にも紐づいて、取り組むことでジェンダーバイアスを無くし、より個々の強みを発揮することに目が向くようになるのではないかと考えます。

そのためには、男性が育休取得する目的を誰もが理解していることが必要だと思いますし、そこから行動に繋げていかなければなりません。

男性においては、育休取得は育児に参画することのきっかけ、入り口に過ぎないので、その後も主体的に育児に関わり続けることが大事になります。

また、育休を取得するにあたって、職場でも、家庭でも様々な摩擦が起こることが想定されますし、実際に私の家族も経験をしてきました。
ですが、その摩擦があることによって、一度立ち止まり、職場や家庭でのワークバランスについて考え、意見を交わすことができると思います。

そのきっかけを創るうえでも、男性が育休取得をすることの意義は大きいと感じていますので、今後も取り組みを続けていきます。

ルネサンスの企業理念である「生きがい創造」には、働く私たち自身の生きがいを創造するという意味も込められています。
この取り組みを最終的には企業理念に繋げていけたらと考えています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このような取り組みを通して、ルネサンスは「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を目指していきます。

スキやコメント、フォローもお待ちしています。

■関連noteアカウント

ルネサンス 運動支援センター

シナプソロジー研究所