renaissance/じゃがまる

2022年秋に悪性リンパ腫と診断されたことをきっかけに、患者として感じたことなどを書い…

renaissance/じゃがまる

2022年秋に悪性リンパ腫と診断されたことをきっかけに、患者として感じたことなどを書いています。まだ幼い子どもを抱える父親。同じ病気を患う仲間らの参考になれば幸いです。趣味は映画と音楽と空手。座右の銘は「一日一生」。

最近の記事

職場復帰

 気付けば、前回の投稿から1カ月も過ぎてしまった。この間、年を一つ重ね、制限付きながらも職場復帰を果たした。治療が奏功しているかはまだ分からない。ただ、悩んでいても仕方ないので、人生の再構築に向けて、いくつかの試みを始めた。それはまたの機会に書くとして、1月に投稿するはずだった記事を以下、張り付けておく。追って修正を加えると思うけど、まずは記録として。

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    • 一年の計は元旦にあり…

       2023年が明けた。    、、、という一文を年明けに書き出してはみたものの、記事の執筆がなかなか進まず、早くも2月になろうとしている。  昨年10月に悪性リンパ腫を発症してからの約4カ月間を振り返りつつ、この1年間の抱負をまとめるつもりだったが、あーだーこーだ書き連ねているうちにA4用紙で8枚分以上に膨れ上がってしまっただけでなく、推敲&加筆もまだ終わっていない。  このままでは、らちが明かないので、ひとまず思い付いたことをまだ1月の今のうちに書き留めておくことにします。

      • 死の輪郭

         今年は、年初に人生の新たな地平を探し始め、段々と軌道に乗りかけたところで一転、年末には死の輪郭がくっきりと浮かび上がることとなった。  それは来年以降も続くことになる、、、が、何かと否定から入り、物怖じする人生に決別する契機にもなるのは間違いない。 生ききる。 良いお年を。

        • がん患者のシネマカルテ③米国の刑務所にひとり収監された元ヤクザの心境

          ▶「HOMIE KEI~チカーノになった日本人~」 (初)  かつて違法なクスリの売買で米連邦捜査局(FBI)に逮捕され、米国の劣悪な刑務所に収監された日本人の元ヤクザ・KEI(けい)の半生を追ったドキュメンタリー。  タイトルは、KEIが刑務所内のメキシコ系のグループ「チカーノ」に溶け込み、「ホーミー」と呼ばれる仲間として認められたことに由来する。経緯はさておき、絶体絶命のピンチを生き抜いた人物の心境を知りたくて鑑賞した。以下は、印象に残った彼の発言の要旨。  あえて病

          「スマホ脳」まで進んでた件。

          やっと治療始まる  予想もしていなかった肺動脈血栓症への対応が一段落し、後回しにされてしまっていた抗がん剤の投与が、昨日から始まりました。体調を崩してから2カ月。「やっと治療にたどり着けたか」と、少し安心しています。初回でもあり、副作用がどう出るかを見ながら1週間ほど入院する予定です。  担当医や薬剤師からは、「投与の初日は風邪のようなアレルギー症状、2日目以降はかゆみやだるさ、肌の乾燥、吐き気などが出る可能性がある」と言われていますが、まだ目立った副作用はありません。1

          「スマホ脳」まで進んでた件。

          がん患者のシネマカルテ②最高の読後感?「シェフ」

          ▶︎「最期の祈り」★★(Netflix) (初)  人生の最期を迎えた患者と家族、終末期の医療を担う医師らの葛藤を描いたドキュメンタリー。登場する患者は、30代の若さだったり、身寄りのない路上生活者(ホームレス)だったり、意識の回復が見込めないまま人工呼吸器を付けられている母親だったり、とそれぞれの事情を抱える。20分余りの短編だが、「その時」の一端を鮮明に浮かび上がらせている。 ▶︎「エンド・ゲーム 最期のあり方」★★(Netflix) (初)  上記の「最期の祈り」

          がん患者のシネマカルテ②最高の読後感?「シェフ」

          がん患者のシネマカルテ①入院生活にまさかの「jackass」

          ※この記事には下品な内容が含まれています。 ※「マジメな映画」については記事の後段で触れています。 ※いずれも個人の感想です。  がんによる入院で気が滅入りそうな時は、米国の人気番組「ジャッカス」が効果的だと気付きました。意外ですが。 「とんま」  あらためまして。  ジャッカスというアメリカのケーブルテレビ発の人気番組をご存じでしょうか。ジョニー・ノックスビル率いるスタントパーソンらが、「アホや…」としか言いようがないパフォーマンスを繰り広げるお下劣な番組です。英語

          がん患者のシネマカルテ①入院生活にまさかの「jackass」

          新たな難敵「肺血栓」

           およそ10日ぶりの投稿です。この間、悪性リンパ腫の種類がようやく確定し、治療の方針も固まったので入院しました。ところが、初日のCT検査で「肺血栓」が見つかり、治療計画にいきなり狂いが生じました。  血栓はリンパ腫が原因とみられ、「大きくはないが、小さくもないサイズ」(主治医)とのこと。自覚症状はありませんが、さらに大きな血の塊が詰まってしまうと、血液が全身に回らなくなるため、薬で溶かす治療を先に始めました。抗がん剤の投与は後回しです。副作用として、血栓を増やす恐れがあるか

          新たな難敵「肺血栓」

          がん対策基本法22条への不満

           11月19、20両日にオンラインで開かれた「血液がんフォーラム2022」(認定NPO法人「キャンサーネットジャパン」主催)に参加した。血液がんの専門医たちが、悪性リンパ腫の種類ごとの特性や治療法、予後などについて解説したほか、患者団体の関係者らのトークが繰り広げられた。私が特に関心を抱いたのが、「がん対策基本法」に関する登壇者の不満だった。  「法22条で定められている民間団体の活動を支援するための施策(の実施)を感じたことがない」。フォーラムの共催者で、がん患者らでつく

          がん対策基本法22条への不満

          また「パパ登り」しようね

           今日は夜にかけて不安に襲われた。足元がふらつき、思考もまとまらない。「脳に転移しているからではないか」。もちろん、そんな根拠はない。でも、一度そう思い込んでしまうと、不安が不安を呼ぶ負の連鎖が始まる。そわそわして何も手に付かず、周りの人の声も届かなくなる。悪性リンパ腫が発症するよりも前から、こんな状態は何度か経験してきた。 抗不安薬を飲んだが、まだ落ち着かない。とりあえずベッドに横たわった。しばらくすると、一番下の子が「一緒にお風呂に入ろう」と声をかけてきた。何を思ったか

          また「パパ登り」しようね

          抗不安薬で緊急避難

           こんにちは。ルネッサンスです。  体調を崩してから1カ月余りがたちました。ここ1~2週間は、気分がすぐれません。病気がもたらすかもしれない死や心身の痛みへの不安が主な要因です。どうすればいいのだろうと悩みつつ、緊急避難的に抗不安薬を使ったら、ひとまず落ち着きました。ナイス。  目下の不安と対処法について書き留めておきます。 【不安の主な要因】 ①:最新の精密検査の結果説明まで1週間を切った。  負のカウントダウンが始まったように感じる。「悪性リンパ腫」の診断は実質的に

          抗不安薬で緊急避難

          「ステージ3」

           2週間ぶりの投稿となりました。この間、病理検査の結果が出そろいましたが、悪性リンパ腫の種類はまだ特定できていません。本日から短期間、改めて検体採取のために入院して、診断を確定させる作業を進めてもらいます。    とはいえ、現時点でまったく見当がついていないわけではなく、主治医からは「低悪性と高悪性の細胞が混ざっている可能性がある」との説明を受けました。病期(ステージ)についても、最初に病変が発見されたリンパ節以外のリンパ節にも小さな変化が認められたため、「Ⅲ期だろう」と判断

          情報収集

           こんにちは。ルネッサンスです。主治医から「悪性リンパ腫の疑いがある」と言い渡されてから1週間余りがたちました。10月21日に開腹手術をして取ったリンパ節の細胞を病理検査に回し、今は自宅療養を続けながら確定診断を待っているところです。  「俺の将来どうなるんだろう…」と悩んでばかりもいられないので、まずは病気について知るべし、ということで、国立がん研究センターが運営するホームページ「がん情報サービス」(https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/m

          格好の読書時間

           こんにちは。ルネッサンスです。病状によると思いますが、入院中は格好の読書時間が確保できますよね。以下は今回の入院で、私が読んだ本です。備忘録を兼ねて。(順不同) ▶アルフォンス・デーケン、1996年、「死とどう向き合うか」、日本放送出版協会 ▶伊坂幸太郎、2022年、「マイクロスパイ・アンサンブル」、幻冬舎 ▶近藤史恵・加納朋子・矢崎存美・大崎梢・宮部みゆき(ハートフル・ミステリー傑作選)、2019年、「あなたに謎と幸福を」、PHP文芸文庫 ▶「ブルータス2022年11月

          一時退院

           リンパ節の細胞を採取して生検に回すための開腹手術から4日間が過ぎ、本日一時的に退院することになった。体調に異変を感じてからは約2週間、正味11日間の入院だった。  これまで色々ありすぎて、正直、現実から解離した感覚しかない。毎日見回りに来る看護師、定時に出てくる食事、何もしなくても過ごせる一日。仕事や家族から離れたそんな「非日常」は、語弊を恐れずに言えば快適でさえあった。入院生活を支えてくれた看護師、栄養士、担当医、薬剤師に加えて、病室やシャワー室を掃除してくれた方々に深

          試験的な開腹手術

          こんにちは。ルネッサンスです。 無事、手術が終わりました。5センチ余り開腹して、リンパ節から細胞を取り、生検に回しました。どのリンパ腫か特定するため、だそうです。種類によって悪性度が変わるらしいので、結果が判明するまでドキドキし続けることになりそうです。 手術自体は、恐らく2時間もかからずに終わりました。背中に注射を刺して、カテーテルを通して痛み止めのプロポフォールを流し、セボなんとかという麻酔も使って寝ていたら終わっていた、という感じ。手術跡の痛みが結構ありますが、術後

          試験的な開腹手術