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ファッション分野のサブスクリプションでモノの価値が変わる

(画像:Photo by freestocks.org on Unsplash)

NetflixやSpotifyをよく利用するという方は多いのではないでしょうか?
この2つに共通しているのは、サービスモデルが「サブスクリプション」であることです。

「サブスクリプション」とは一体なんなのか?
ファッション分野のサブスクリプションとは?

今回はこれらについてわかりやすく説明します!

サブスクリプションとは?

サブスクリプションとは、「定額制」とほぼ同義の言葉です。月ごと、年ごとなどの契約期間に応じて料金を支払い、モノやサービスを利用できるビジネスモデルです。「新聞や雑誌の年間購読」を想像してもらうと、わかりやすいかもしれません。

最近ではNetflixやSpotify、dマガジン、クラウドストレージなど、さまざまな分野でサブスクリプションサービスが普及しています。そして、ファッション分野も例外ではありません。

なぜ今サブスクリプションなのか

なぜ、サブスクリプションが注目されるようになったのでしょうか。

理由は大きく2つ考えられます。1つ目は、サブスクリプションにはさまざまなメリットがあること。以下がその例です。

(消費者のメリット)
・モノを持つ必要がなくなる
・契約期間中は、お金を気にせず使い放題
(サービス運営側のメリット)
・決まった期間ごとにユーザーからお金が支払われるので、売上が安定する
・会員情報や利用状況から長期的に活用できるデータが得られる

サブスクリプションが注目される2つ目の理由として、インターネットやスマホが普及した時代変化も考えられます。インターネット上で実名を出すことへのハードルが下がり、インターネットを介したやり取りの信頼性が高まったことが背景にあるのかもしれません。

サブスクリプションモデルの事例

ファッション分野のサブスクリプションサービスは、「シェアリングエコノミー(=モノやサービスを共有して利用する社会の仕組み)」との結びつきの強さが特徴です。以下の事例から見てみましょう。

メチャカリ
ストライプインターナショナルが運営する「メチャカリ」は、月額5800円で同時に3着までレンタル可能なファッションレンタルアプリです。メチャカリはZOZOTOWNと連携し、新品で貸し出した服を古着セレクトショップ「ZOZOUSED」で販売するフローを構築。ユーザは常に新品をレンタルすることが可能になりました。

また、何度でもほかの服と交換可能、気に入った服は割引価格で購入可能、60日間借り続けた服は自分のものできるなどの嬉しい特典もあります。

ラクサス
「ラクサス」ではルイヴィトンやエルメス、シャネルなど、57ブランドの高級バッグが月額6800円で借り放題。高級品は購買のハードルが高くレンタルの都合が良い点を、うまく利用したサービスです。バッグは服とは異なり世代を選びにくいので、広い世代に受け入れられています。

ユーザが自分のバッグを貸し出すCtoCのサービス「ラクサスX」も展開中。バッグひとつ貸し出すと月2000円稼げて、無料で手入れしてもらえる仕組みで、ユーザのメリットは大きいようです。

エアクロ
日本初、普段着に特化したレンタルサービス「エアークローゼット」は、レギュラープランで月額9800円で服が借り放題。エアークローゼットの大きな特徴はパーソナルスタイリングです。好みのスタイルや色、お洋服のお悩み、ご利用シーンなどを登録することで、スタイリストがユーザひとりひとりに合う服を選びます。思わぬ素敵な服との出会いに繋がり、購入に至る人も多いそう。

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事例からもわかるように、ファッション分野のサブスクリプションサービスはレンタルとの相性が良いです。レンタルは、自分が使い終わったらほかの誰かの手に渡るため、モノを“シェア”していると言えますよね。そのため、シェアリングエコノミーとも繋がります。

価値は「所有」から「共有」へ、しかし「所有」の価値もなくならない

サブスクリプションやシェアリングエコノミーの流行から読み取れるのは、モノやサービスの価値が「所有」から「共有」へ移り変わっていく様子です。しかし、「所有」の価値がなくなるわけではありません。それどころか、ファッションだけでなく乗り物でも土地でも、「所有」するモノは“レンタル”および”シェア“でお金を生み出せる可能性を秘めています。

つまり、サブスクリプションやシェアリングエコノミーが活発になる時代、「所有」するモノすべてに付加価値がつくとも言えるのです。


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