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"世界一幸せな国" デンマークのヒュッゲを見てみよう

今回は、デンマークに見られるいろんなヒュッゲのシーンを見ていきたいと思います。いろんなシーンから、どんな感じがするか、もう少しイメージを膨らませて、どんな要素があれば”ヒュッゲ"になるのか、読み解いていきたいと思います。

アブサロンのコミュニティディナー:
みんなで食べる、だから楽しくて幸せ

コペンハーゲンのコミュニティセンター、アブサロン(Absalon)ではみんなで食べるフェレスピースニン(Fællesspisning)を50kr(日本円で約813円、2019/6現在)という破格に安い値段で提供しています。
アブサロンは、近年の宗教離れのなか、キリスト教会の建物を使って地域コミュニティを再活性化しよう、という試みの第一弾。日本でもおなじみの雑貨店フライングタイガーの創立者、レナート・ライボシツが再開発しました。ディナーだけでなく、卓球、ヨガのクラスや大スクリーンでのサッカー観戦、ビンゴ大会などが行われています。

毎日午後6時から、ディナーが始まります。チケットは5時から会場で購入できますが、180もある席はあっという間に売り切れ!ということもあるので、早めに行くほうがオススメとのこと。私は周りをお散歩していたので、4時半より前に着いたと思います。この日は6月の初夏の陽気で、建物前の広場が会場でした。チケットを購入(ディナー代の支払い)し、英語しか話せない(デンマーク語は難しい)ことを伝えると、英語が話せる家族を探してくれて、一緒に座るように指示されました。

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一緒のテーブルを囲むご縁で、食事を楽しむ

テーブルは8人がけ。色が違うテーブルがつながっているので、色ごとにディナーをシェアするグループになります。ドリンクは各自が建物内のバーで購入しますが、メインディッシュに付け合わせ、サラダ、お皿やカトラリー、全てをみんなで分担して運び、配膳します。

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ワンプレートではありますが、本当に美味しい!たっぷりとしたディナーが50kr。本当にすごい。
でもここで一番大切なのは、安い、とか、ごはんが食べられる、ではない。みんなで一緒にごはんを食べる、ということだと思います。

美味しい!この味が好きだな、なんて感想の他にも、サーモンのお代わり欲しいな、サラダ取って、ポテトをもっと食べない?とディナーを介して、テーブルで一緒になった人と会話します。食べ物はたっぷりありますが、足りないテーブルは追加がもらえることも。もう1回もらう?行ってきて!という会話ももちろん食べたければ必要です。
正直なところ、パートナーと来たお父さんはかなり気まずそうで口が重い。私の隣のおばあちゃんは英語が苦手。でも、隣になった人と会話を楽しもう、といろいろな話をします。

そして、後片付け。テーブルのすべての人で分担するので、配膳で待っていた人は、皿を片付けたり、テーブルを拭いたり。ディナーが6時に始まって、片付けまで含めても1時間ちょっと。7時15分頃にはみんな、楽しかったね、ありがとう、と行ってぱらぱらと去っていきます。



誰かと一緒に、会話を楽しみながら、笑顔でディナーを食べる。
そうすることで、気持ちもおなかも満たされる。


アブサロンのスタッフと話してみましたが、アブサロンの一番の良さは、ちょっと楽しみたい時、ちょっと疲れた時。年齢も、仕事も関係ないく、ここに来れば、誰かと知り合ったり、誰かと楽しく過ごしたりできる。そんなところだと話していました。

それが、アブサロンのフェレスピースニンに見る、ヒュッゲでした。



・・・そんな話を書いていたら、ヒュッゲな会を開きたくなりました。オープンサンドの会を開きますので、ヒュッゲってどんな気分かな、と興味の湧いた方、ぜひどうぞ。



アブサロン・フェレスピースニン(デンマーク語・英語)
コペンハーゲン観光ガイドのアブサロン紹介記事(英語)

* 2020/2/14 コミュニティ・ディナーと訳していましたが、デンマーク語の意味に忠実に使うため、デンマーク語そのままとすることにしました。



デンマークの幸せの秘訣、ヒュッゲな時間をもっと広めるためにサポートいただけたら嬉しいです! いただいたサポートはオープンサンドの試作など、デンマークの食文化研究に使わせていただきます。