見出し画像

金田一くんに頼むべきか、コナン君の方がいいのか、それとも浅見光彦に聞くのがいいのか。いや待て。みんな殺人事件の担当ではないか。

大して沢山物を持っているというわけでもないのに
最近靴下の片一方が行方不明になる事件が多発している。
近くに交番もないし、捜索願の出し方が分からない。

そんなことはいい。

なんと白うさぎに出くわした。
野生だ。野生だ。野生だ。
(浜口京子選手のパパの要領で)

どうだ、凄いだろう。

パシフィックハイウエイを夜中に歩いての帰り道、
ローズビル駅を過ぎたところあたりで右目の端にピョンピョンが映る。
思わず「A white Rabbit!!!!!」と叫んでしまう。

はい、そうです。ばれてしまいましたか。すみません。
嘘をつきました。どうもすみません。
冠詞は本当は言ってはいません。「A」はつけていませんでした。咄嗟に出るほど英語上手くありません。いい格好しようとしてしまいました。出来心です。すみませんでした。

近くまで寄って行っても大急ぎで逃げていくわけでもなく、
キョロキョロピョンピョンくらいな感じ。
動物にはわかるんだな。”邪悪な気”の全くないピュアな人間が。
(たった今いい格好しいのために嘘をついた人間だが…)

可愛いかった。疑う余地なく可愛いかった。
どのくらい可愛いかったかというと、そうだな、
うちの実家の犬からくまモンを引いて、脇に居たフナッシーは足さずにあっちに行ってもらったくらいの感じ、と言えばしっくりくると思う。
(まだいるのか、フナッシーって?)

折角こんなところで会ったんだし、ちょっと一杯ビールでも一緒に、と声をかけはしたのだが、しばらく話しかけても今ひとつノリが悪いというか、
返事をしてくれない。
まあ、目もかなり赤かったし、夜も遅くて眠かったのかもしれない。

いや待て。3年くらい付き合っていた顔はまあまあ可愛いが気が全然利かない彼女と些細なこと(キューピーマヨネーズでしか人参は食わないんだと常々言っているのにも関わらず、彼女が味の素のマヨネーズを買ってきたことなど)で大喧嘩してしまい、結局それが原因で破局となり1日中泣き続けていた直後だった、とも考えられはする。丸一日泣けばすっきりはしただろうが、酒を飲むよりも腹が減るだろう。マックのほうがよかったのかもしれない。

いや待て。今のご時世だ。もしあの目が赤い色コンタクトレンズの装着だったとすればどうだ。うさぎかどうかっていうところも怪しくなってくる。
そう考えるとやばいやばい、危うく騙されるところだった。

うさぎじゃない奴が俺を騙そうって言うのなら、じゃあ正体は?ってことになるのだが、そういうのを解決するのは事件簿の金田一くんに頼むのがいいのか、コナン君のほうがいいのか、それとも浅見光彦に聞くのがいいのか。それがまた問題になってくる。いや待て待て。この人たちはみんな殺人事件の担当ではないか。やってくれるのかな。
浅見光彦は移動電話付きのソアラでしか移動しないから海外は無理かもしれない。

あ、そうだ。単にまだ未成年だった、という考察もないではない。勝手に大人だと思っていたが当方の思い違いということもあろう。
子供なら仕方がない。それはこちらが悪かった。未成年に飲ますのは良いこととは言えない。理由?そんなのは決まっている。「もったいない」からだ。だったらみんな俺が飲む。

ビールと言えばだ。毎度箱で買ってくるビール、箱からあっという間に消えて無くなってしまうのだけれど、これは事件なのではないか? 金田一くんに頼めばいいのか? あと財布の中の数少ないお札がふと気がつけば月末を待たずに消えてしまっている事件もいつまでたっても解決しない。羽が生えているのかどうか、どうやって証明できるのだろうか。

とにかく新年早々白うさぎに会えたことを俺は大層嬉しく思った。
白うさぎと言えば因幡と相場が決まっている。因幡は現在の鳥取県の東部だ。毛はあったからまだワニにむしられる前だということだろう。

因幡の白うさぎか…。
いつの世にも何かとイチャモンをつけたい輩がいる。これも問題だ。古事記の表記が「稻羽」であるからと、こともあろうに「因幡」を潰しにかかろうとしたのだ。 「イナバ」は稲葉、稲場であるからして、それはイネの置き場のことであり、因幡ではないと言い放つ。全く持って屁理屈こね男の言いそうなことだ。うさぎは隠岐の島から稻羽(イナバ)に渡ろうとして、ワニを騙すのだ。それがなぜ「イネの置き場に渡る」という解釈になるのだ。それに「羽」を「葉」や「場」に解釈するのもこじつけが酷い。こんなのはコナン君に頼るまでもなく一刀両断である。

もうひとつ、どうして今年の干支がうさぎじゃないのかという問題もある。いや逆か。ねずみ年なのにどうしてうさぎが登場するのかというのが問題なのかもしれない。ねずみは引く手あまたで忙しく、手の空いていたうさぎが代わりに登場、そんな絵も描けなくはない。でもそれって必要か?

ねずみ、うし、トラ、兎、龍、へび、ウサギ、ウナギ、浮気、だめよ、いやん、ばかん。

落ちはこんなでいいのかという問題も追加されてしまった。「良くない」と言うのが正解だとすると、ではどうすればいいのかという問題が発生する。問題が問題を生む展開。正月早々問題のスパイラル。

子年なのにうさぎに縁のあった変化球の今年は一体いかなる年になるのか問題だ。解決するには少年探偵団の小林少年に頼めばいいのだろうか。

英語圏で書道を紹介しています。収入を得るというのは本当に難しいことですね。よかったら是非サポートをお願い致します。