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Week8: 多様性に触れて思う日本という国の可能性。〜社会人17年目のイギリス留学🇬🇧

今日の写真は、インドのお友達のお家にお呼ばれした時のカレーです。
ご飯にも唐辛子🌶️🫑が入ってて、ウッカリ食べたら激辛でびっくりしました。

今日は、これまでの留学期間で感じたことから日本って結構すごいんだなと思ったことをいくつか書いていきたいと思います。

日本の人口構成はめっちゃ特殊。

留学にきて、最初にびっくりしたことの一つに、インド人とナイジェリア人が多いこと、というのがあります。

で、口を揃えて、仕事がない、競争が激しい。

と言います。

人口の増加率がそのまま、就職の競争率の厳しさにつながっていて、数字が示しているものを直に感じる瞬間です。
人口増加率 (世界平均は0.8%):

  • ナイジェリア: 2.4% (!??)

  • インド:  0.7%

  • 日本:  -0.4%

参考) 現在の人口トップ3
インド 1,417,173千人
中国  1,412,175千人
アメリカ 333,287千人
・・・インドと中国が桁違いです。ちなみに、日本は125,124千人で、11位です。いずれも、世界銀行のデータhttps://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.TOTL?most_recent_value_desc=trueより。

日本は、世界的に見て、人口が減っている特殊な国。これから学んでいくテーマにDegrowthというのがあり、楽しみにしているのですが、

(経済)成長を追い求め続けない

ということがごく自然にできる基盤が日本にはできつつある特殊な環境なんだと思います。
ありもののリソースでなんとかやるしかないから、やっていこうぜっていう
「もったいない」。

個人の実感覚としても、女性活躍や男性の育児休業なんかは、この人口減のプレッシャーなくしては今の状態まですら来なかっただろうと思いますし、働き始めた17年前と比べると、女性は働きやすくなったし、男性育休もポピュラーになった(あくまで個人的に)。
でも、人口増加の中で、労働力が豊富にあったら、女性活用の動きは鈍化したんじゃないかなと。
環境変化ではなく、ただ公平であるべきという理想から変わる方が良いのかもしれませんが、なかなかそうはいかないもの。
当事者にとっては、good deal、なわけです。

なので、今の日本の人口動態は、真にフェアな状況が生み出されやすい、ある意味、危機的な状況なのでは、と思います。

言語と文化もユニーク。

しかも、みんなが日本語を喋って、濃淡はあるものの、一つの文化がある。
これ、実はめちゃくちゃ特殊なことかもしれない。

みんな英語を喋る欧米文化な国であったなら、人口減に対しては移民をたくさん受け入れることが、より現実味を帯びるけど、そうはならない。これがまたユニーク。

仕事をしていく中でも、海外の基準や考え方をすぐに導入とはならず、必ず我が国の商慣習などの特殊性を考慮してうんたら、という議論が数年、必ず入ることにまどろっこしいなーと思っていたのですが。
実の改革はせず、言語だけである程度議論できて、必要なとこだけ変えるための意思疎通できるって実はありがたいのかもしれないです。

インドは、数え方によって違うということで、人によって回答がマチマチなのですが、500近い言語があり、文化も違う。その中でどうやって"誰ひとり取り残さない"開発を進めていくのか、は、日本とは全く違う難しさがあるらしい、ということを感じています。

特権的なビザ。

さらにさらに、日本は世界ではめちゃくちゃ特権的な位置にいて、尊敬もされています。

具体的には、ビザ。

日本人だと、パスポート持っていれば大抵の国にはビザの申請は不要または簡単な申請で旅行にいけるけど、そんな国ばかりではありません。
課題出したら、冬休みはヨーロッパにどこかに旅行に行こう!と話をしても、行きたいとこにいけるのは、あなたが日本人だからで、特権的なパスポートを持ってるからなんだよ、って言われます(さみしい・・・)。

歴史的、文化的に見ても、パキスタンやインドのフラットメイトからは、植民地支配されたことがなく、搾取されたり文化を壊されたことがないのは恵まれている、と言われます。
植民地支配なんて過去のことなのかと思っていたけど、全く違う。今も深く人々の心に記憶が刻まれて、日々の生活にも影響していることを日々の会話で聞くことが多く、そのたび、胸がちくちく、キリキリします。
(実際は、戦後アメリカに占領されてたり、日本が植民地支配をしたとか、日本の中での搾取、などなどあるけど。。)

そんな、植民地支配をサバイブして独自の文化を築き上げている国、温水便座や張り巡らされた鉄道網はきめ細やかで時間通り、ケータイもどこでも繋がって(イギリスは電波繋がらないことがままある。。)、アニメやゲームのカルチャーの裾野の広さも相まり、”なぜ、経済的にも文化的にも豊かなのか”というのをちょくちょく、問いかけられる。
私たちが、当たり前に思える文化が備わっているのは、いろんなラッキーやもしかしたら、誰かの犠牲が重なって生まれているものかもしれない、と日常の会話から感じることが多いのが、大学という場所なんだな、と感じます。

日本だからできることって?

世界から尊敬される国であり続ける、が、シンプルに答えなのかもしれない、と最近思います。

これから、世界は必ず、持続可能性が本当に大切になってくる。
世界的に人口が増えていく中でどうやって食料を賄うのか。
水をどう確保して公正に配分するのか。電気をどうやって賄い届けるのか。

これが、今までにないくらい難しくなることを人口統計は示しています。
そんな時に、もったいない、と大事な資源を大切に使うような技術やビジネスモデル、生活や商習慣、政策、そして、ひとりひとりの行動、文化、があることを示せるのは、文化的にも経済的にも技術的にも恵まれていて、しかも、「やばい、もう、もったいないことできない!」という危機感の基盤がある、日本という国にしかできないことかもしれない。

特に、温室効果ガスの排出は世界でも第3位なので、これを劇的に下げてもなお、ユニークな文化や経済を維持していたら、すごいよな、と。

大学という場所に来て、いろんな国の文化や歴史、今の問題に触れることで、周り回って、自分が置かれているありがたい状況が身に沁みます。

それでは、今日はこの辺で。
みなさま、ごきげんよう。

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