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06.不倫三昧 ー愛の正体ー


私たちがこのまま不倫関係になるのなら、あなたは決して、日中私を見てはいけないわ。毎回、日の出前には別れなくてはならないし、絶対に「愛している」とは言わないこと。これがルールよ。

lf we're going to have an affair, you're never to look at me
during the day. And we're always to part before sunrise. And we will never say ''I love you.'' Those are the rules.

ベンジャミン・バトン 数奇な人生  エリザベス・アボットの台詞


「不倫は良くない」、「不倫は悪だ」

って、いつの時代から言われるようになったのだろう。

江戸時代は、不倫がバレたら即死刑だった。

平安時代、ある説だと藤原道長は紫式部と不倫関係だったようだ。

帝政ローマの時代、暇をもてなす貴族たちは、あちこちで不倫をしていた。

しかも、望まない子どもを身籠もると、わざと流産したらしい。


不倫。それは結婚しているのに、パートナー以外の他人と同意の元でセックスをすること。

風俗はこの場合違うよ。お金が発生しているからね。


先日、ぼくは不倫を経験した知り合いに話を聞いたんだ。

彼らは不思議と罪悪感を持っていなかったよ。

むしろ、清々しい表情だった。

彼らにとって不倫とは「仕方がないこと」なんだって。

ちなみに、パートナーにはバレていないから、今後もパートナーとも、不倫相手とも別れる気はないみたい。

人それぞれの人生があるから、ぼくがどうこうしろと言う資格はないよ。

だから黙って頷いていた。


彼らには、元々は違う不倫相手がいたらしい。

なんと、数年単位で不倫相手が代わっていたんだ。

「不倫三昧」といったところだ。

彼らは、遠くを見ながら「結婚したパートナーとのセックスに満足できなかった」と原因を振り返った。

彼らの常識では、必ずしも結婚生活と性生活のパートナーが一致するとは限らない。愛する生活のパートナーは結婚相手、性活のパートナーは不倫相手。これで人生のバランスをとっているんだ。


前回も書いたが、セックスはコミュニケーションだ。

最初の2年は「興奮」を求め、それ以降は「幸福」を感じるための行為。

多くの不倫関係が2年以内で自然消滅する結果をみても、不倫をする人たちは、パートナーとの「幸福」を失うリスクを承知の上で、「興奮のセックス」を追い求めたいのかもね。

いや、もしかすると、そもそも「セックス」を求めているのではく、ただ自分の人生に迷っているだけなのかもしれない。

「いっときの興奮」で、何かをやりたいのだけれども、やれない自分を慰めているのでは?

「社会的に、いけないことをしている」という非日常の体験が、より一層興奮を高め、迷える自分を忘れさせてくれるのだろう。

でも、終わった後の虚無感を想像すると、なんとも悲しくなるなぁ。


不倫。そこには、善も悪も無く、叶わない愛を求める寂しさだけが残るんだ。

不倫の先に幸せはない。

自分の人生を不倫相手に頼ってはいけない。

自分で歩くことでしか、自分の道は作れない。


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