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一緒に過ごす「時間」と「場所」を大切に

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「ベースがしっかりしていれば、『好き』ってそんなにブレないと思うんです」。

夫は建築デザイナー、妻はアパレル営業職。仕事に打ち込むご夫婦が、2歳のお子さんと共に暮らすのは横浜市にある築48年リノベ済みヴィンテージマンション。「好き」を基準に選んだ家具類は、北欧テイストを中心にリゾートのエッセンスが散りばめられ、細やかな品のよさと開放感を両立する。さて、そんなご夫婦は暮らしにどんな価値観をもっているんだろう。妻のMさんに話を伺った。

●すごく気持ちの良い部屋だった

引っ越す部屋を決めるにあたって、ある程度の広さと日当たりは条件でした。ここは二面採光で日当たりがよかったのと、お隣の立派なお庭の借景を夫がすごく気に入ったんです。「景色も、空気の流れも素晴らしい」って。結構な頻度でお手入れされているみたいで、すごく気持ちの良い部屋だと思いました。

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Mさんお気に入りのダイニングスペース。テーブルにやわらかな光を落とすしずく型の照明は、ルイスポールセンの「MOSER」。

もう一つの決め手は無垢床。夫の建築も木をメインにした作品が多く、こだわりのひとつみたいなんです。この部屋の内覧時は栗材の無垢床でしたが、その後、フロアタイルに変わると聞いて「それは話がちがう、絶対譲れない!」と(笑)。結局、無垢にしてもらえて。

DEN(※)は、仕事部屋や子供部屋にできるように壁に室内窓を取り付けてもらいました。それで、だいぶ理想に近づいたかな。

(※)英語で巣・洞穴を意味する言葉。一般的に書斎等、趣味を楽しむための部屋のことを指す。

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床材は山栗の無垢。ナチュラルな風合いの家具がよく馴染む。

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リビングとDENをつなぐ木枠の室内窓は、空間に遊び心と開放感を生み出す。

●家具選びの基準は「好き」かどうか

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北欧テイストの空間に、リゾートの気分をプラスするラタンの家具類。壁に飾られた絵は旅行先のバリで購入したもの。コルクマットは「空間に馴染み、通気性のいいもの」を探し、国産の粒が大きいものを選んだそう。

家具選びの基準は「好き」かどうか。ベースがしっかりしていれば、「好き」ってそんなにブレないのかなって。私はファッションで、夫は建築で、それぞれ培ったものがありますが、好きなテイストは少し似ていると思います。もちろんずれるところもありますが、その時はお互いにプレゼンし合います。

夫は器ひとつにもこだわりが強いので 、買い物に行ったら何時間もかかる。土の色、経年変化、職人の思いなどをお店の方から聞き出して買うので、すんごい時間がかかるんです。お皿1枚買うのに1時間みたいな(笑)。

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夫のWさんが趣味で集めている茶道具や花器。骨董品から現代の作家さんの作品まで、こだわり抜いた品が並ぶ。

だから、家には愛着のあるものが多いですね。いろんなものをバンバン買ったりはしません。長く使えるデザインが好きで、一過性のデザインのようなものはあまり好きじゃないです。「不変性」の価値は、私も夫も多分根本で大事にしているのかな。自分にとって家が落ち着く空間なのは、そうした物選びが関係しているかもしれないです。

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ご夫婦が、よく家具を見に行くのはIDEEやTHE CONRAN SHOP。「でも、IKEAも行きますよ」と妻のMさん。元気なパキラはIKEAで10年ほど前に購入。

●一緒に過ごす「時間」と「場所」を大切にする

一緒に食事をとったり、話をしたり、「共有する時間」をしっかり持つことが、暮らしを豊かにする上で大事だと思います。夫も私も仕事は忙しいけど、朝の小1時間でもいいから一緒に過ごす。休日は特に一緒に朝ご飯を食べるようにしています。

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最近、ホットプレートを購入。朝食時、テーブルを囲んで、ホットケーキを焼いて食べることも多いそう。

あと、片付けは心がけてます。部屋が乱れてると心も乱れて、イライラが募っちゃう。とはいえ、全てを完璧に整え続けるのは逆にストレスになるから、例えば「リビングだけ」っていうふうに決めて、そこだけはやるとか。

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息子さんのおもちゃは大きなカゴにわけて収納。リビングに置いてあっても絵になる上に、片付けも楽々。

私はどちらかというと片付けたい派なので、初めのうちは夫に片付けを強要していたこともあったんですけど、それはお互いストレスになるんですよね。そんなことで喧嘩になったら意味がないので、見えるとこだけ、と決めて。今は、息子も「掃除機かけるよー」って言うと、一生懸命おもちゃをどけてくれたりしてくれるんですよ。

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家族みんなで作りあげる空間と時間が、よい雰囲気を生み出す。ありがとうございました。