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赤と黒(郊外編)

 はい、こんにちは☀️

 今日は読書感想文です。とは言いつつも例の如くまだ読んでる途中のインプレッションです。

 今私が読んでいるのはスタンダールの代表作『赤と黒』です。先週読破した白鯨に続いて海外モノですね。とはいえ海上で鯨と壮絶バトルをするゴリッゴリに体育会系な白鯨と対照的に動乱のフランスを舞台にした優雅な物語です。

 読み始めた理由は「なんとなく」です。例の如くモームの『世界の十大小説』で取り上げられてるから面白そうだなーと思って探しただけです。権威に弱いんです私。紹介されてる10作全てを読破して仕上げに『世界の十大小説』自体を読むのが目標なんですよ。何年後になるかはわからないけど楽しいのでいつかは辿り着くと思ってるんだ。現在2/10、まだまだ序盤も序盤だ。鬼のようなボリュームな上に歴史的な知識も必要なトルストイがラスボスになると思っている。

 さて、とりあえず概略と感想。序盤だけのね。

 1830年代、ナポレオン失脚後のフランス。王政復古によりブルボン王家が復活したこの国では、より強固な王政を望む王党派とそれを支持するカトリック勢力VS革命の再来をもくろむ自由主義者による静かな抗争が勃発していた。(レ・ミゼラブルのちょっと前の時代)

 その火花は首都パリのみならず、自然豊かな田舎町ヴェリエールにも及んでいる。(私は長野県の光景を想像しながら読んでいる。)

 主人公のジュリアン・ソレルは、先述のヴェリエールの材木小屋の三男として生まれた。身体の線が細い華奢なジュリアンは、ゴリッゴリの体育会系業種の木材加工で活躍するにはガリッガリすぎたため適性がない。それゆえサボって屋根裏で本ばかり読んでいた。

 文字の読めないガチムチパパとガチムチアニキ達は、仕事の役に立たないクセに読書なんかしてインテリぶっちゃってるジュリアンのことが当然気に食わず、日常的に理不尽なシゴキを加えていた。新日寮時代のイ建介や船ホ、ヲイガーのようなものだろう。

 家族からは無能扱いされているジュリアンだが、彼には夢があった。それは出世をすること。クソ田舎の材木小屋をさっさと飛び出し、華やかなパリで上流階級へ駆け上りたいのだ(あとイイ女からモテたい)

 目標に掲げる人物はナポレオン=ボナパルト。保守勢力が幅を利かすこの町で、彼は密かにナポレオンへの情熱を激らせていた。片田舎の農民(当時は材木屋も農民扱い)の少年がなぜこんな熱苦しい信念を抱えているのか?それは親戚のおっさんの影響だ

 近所に住んでいたそのおっさんは実は元軍医で、かつてはナポレオンと行軍したこともあるレジェンドレスラーなのだ。町の人からはスパイだのなんだのと胡散臭がられていたおっさんだが、ジュリアンは彼を慕っていた。

 当然おっさんもジュリアンのことをかわいがり、自分の持つ知識を与えたのだ。文字の読み書きやナポレオンに関する知識をね。おっさんはジュリアンにとって、本当の父親よりも父親らしい存在、孫悟飯に対するピッコロのような存在なのだ。

 さて、そんなジュリアンが成り上がるためにどんな行動をしているのかというと、聖職者になろうとしている。

 きっかけはある日のこと、新たな教会の建設現場を通りかかったジュリアンは、その教会が上質な石柱を4本も使った超絶ゴージャスな仕様であることに気がついた。そして悟る、宗教界の支配が強いこの町では聖職者になる事が出世の近道であることを。

 さっそくジュリアンは、自由主義的な野心(ナポレオンに憧れるのはそっち系の思想)を隠して宗教界に擦り寄りだした。教会に通いお偉いさんに気に入られ、ラテン語の聖書を与えられ勉強に励むのだ。作中ではこの行為を偽善と呼んでいる。

 ……ふう、物語の背景や設定はこのくらいで充分だよね?まだ途中までしか読んでないからどこが重要か分からないので主人公周りで重要そうなところをかいつまんで説明してみたんだ。昔の海外文学と聞くと馴染みづらそうに感じるけど結構面白そうじゃない?

 さて、私は今4分の1くらいのところまで進んでいるがジュリアンが何をしているかと言うと、人妻と不倫している笑

 お相手はこの町の町長の奥さんだ。上流階級的なマウントが取りたくて取りたくて仕方がない町長は、息子たちの家庭教師として農民ながら教養のあるジュリアンを雇ったのだ。(専用の家庭教師がいたらめっちゃ自慢できるから笑)

 ジュリアンは家庭教師として住み込みで勤める職場のめっちゃ美人な奥さん(30歳)を落としてしまったのだ。農民のぺーぺー(19歳)になぜそれができたのかと言うと、主人公補正もそうだが彼には動乱のフランスを生き抜くための2つの武器があるからだ。

 まず一つは記憶力がめちゃくちゃ良いこと。そもそも彼が家庭教師になれたのは、教会でもらったラテン語の聖書を全文丸暗記していたからだ。(つまりラテン語の教師として雇われた)ラテン語の聖書のページを適当にパラパラ捲らせてそのページの1語目を指定されればそこから先の全文を暗唱できる化物染みた記憶力を持っていたのだ。怖えよ。

 そしてもう一つ。これが最強の武器なのだが、顔が良い


 ……は?結局それ?

 うん。そうなんだめちゃくちゃ顔が良いんだ。片田舎でどこを見ても芋臭いメンズだらけの中でコイツだけ中性的な美少年なのだ。ガチムチでオノとかハンマーを持ってそうなガテン系家族の中でこいつだけ美形。この物語がファイアーエムブレムだったら顔グラフィックを見ただけで「あ、こいつ後で仲間になるな」と察せる。

 おさらいすると、農村のガチムチハウス出身なのにヒョロガリだが頭が良くて顔がいい主人公が自分の武器を駆使して成り上がろうとする物語と言うわけだ。あくまで今のところね。

 「推しの顔が良い」ってこれのことか。

 おしまい

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