肩の力を抜いて、良い仮説を作ろう
再認:仮説の重要性と課題
リサーチを長年やってきて感じるのは、「仮説」がとても大事ということです。
何を当たり前のことを思われるかと思います
なぜなら、「仮説をしっかり立てなさい」というのは、ビジネスでもアカデミックでも、基本中の基本です
また、「仮説のない調査は、調査ではない」というくらい、仮説は大事です
しかし、この仮説思考が、ある意味、重荷になってしまい、仮説を考えることがすごく難しい作業に感じる方もおられるようです。
また、十分に仮説の重要性を知っていても、その実、良い仮説を立てられていることが多いかというと、そうでもないように思います(自分を振り返っても、仮説が弱い時は、たくさんあります)
ということで、今回は、肩の力を抜いて良い仮説を作るということについて、考えたいと思います
仮説とは、そもそも?
そもそも、「仮説」とは、何でしょうか?
Wikipediaを参照すると、
仮説(かせつ、英:+hypothesis)とは、真偽はともかくとして、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題のこと。
(Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/仮説, “仮説”, 参照 2024.03.02)
とあります
砕けた言い方をすると、「今から自分たちが理解したいこと等について、こういう理屈が成り立つのではないか?」というアイデアのことです。
ただのアイデアなんですね 大層なものではありません まず一安心です
例えば、あなたが、病院のスタッフで、患者さんの満足度を上げたいと思っていたとします。
すると、「そもそも、今、来ていただいている患者さんは~~と感じているのでは?」だったり、「もし、~~をすると、もっと安心して医院を利用してくれるのでは?」だったり、「~~したらいいんじゃないか?」だったり、いくつかアイデアが出てくると思います
「今、~~では?」 これを実態仮説といいます
「~~したら、~~になるのでは?」 これをソリューション仮説とおいます
前者は現状に対する仮説、後者は未来に対する仮説です
仮説というのは、これでいいんです 一安心です
なので、これを検証して、正しいかどうかを見極めて、アクションを起こせばいいんです とてもシンプルです
仮説足りえるには?
しかし! まだ油断しないでください、いいんですが、まだ十分ではありません
なぜなら、「なぜ、その仮説が立てられたのか?」について説明しないといけません
なぜか?
一言で言うと、「周りに影響が出るから」です。つまり、コストが発生するからです
仮説検証をおこなうということは、誰かの時間やお金などのリソースを使うことです
なので、「ただの思いつき」では困ります
そこで、「アイデア」には、「アイデアになった道筋」が必要です
でも、これも難しいことではありません
思いついたということは、何か自分の中でヒントとするデータ・出来事があったということで、これを示せばいいだけです
ただし、「単一のリソースの情報をただ利用しただけ」というのは厳しいですね
経験上、そういった仮説は浅いので、調査設計やアクションに結びつきにくいです
「良い仮説」を立てるには?
「良い仮説」のヒントとなるものは、
質的なデータや出来事であれば、深く共感や心を動かされるようなエピソード
量的なデータや出来事であれば、マーケットや顧客のデータに対する縦横無尽の広く深い分析から得られたファインディングス
のように質・量ともに良質なものがベースになっている必要があります
つまり「しっかり頭と体を使って考えた」ものが良いアイデアになります
よく言われるよう、ただの思いつきのように見えても、アイデアと呼ばれるものの裏側には、それを考案した人のリッチな蓄積が必ずあります
ただ、何も四六時中仮説ばかり考えている必要はありません
患者さんの言葉にいつもより少し意識して耳を傾けてみたり、アンケートデータを1時間くらい分析してみたり、SNSの情報を見てみたり、他の業界の例を見てみたり、15分と決めて仮説出しをしてみたり・・・
そういったことが、良い仮説作りにつながります
他の業界の方でも同じです 要は、「ちょっと意識してヒントを探す」という行動が大事ということでー意識も大事ですが、行動の方が大事です。わかりますね?
良い仮説の様式
さて、そうやって作った仮説は、「~~ではないか?」+「なぜなら~~~という事実があるからだ」というセットになっています
そのセットが作れたということは、良い仮説が作れたということです
書いてきたように、仮説に求められる条件はあります
が、その条件は、少し行動するだけで、得られます
だから、仮説と呼ばれるものを作るのは、そんなに難しいものではありません
良い仮説を作って、良いビジネスにしましょう
それでも仮説に困ったら
とはいえ、仮説を自分たちで作るのは、やはり大変と感じる方は、一度、お声かけください
微力ながら、喜んでサポートさせていただきます
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