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限られたリソースを、いかにして配分するか...


ライコウ欲しさに、ポケモンスリープに手を出す

 昨年の8月頃、睡眠ゲームアプリと銘打ったポケモンスリープの存在を知った。睡眠とゲームなんて最も相性が悪そうな先入観と、この手のサービスは人柱報告と情報が集まり、UIが割合改善されてから始めることが多く、典型的なアーリーマジョリティ〜レイトマジョリティ層のため、その場はふ〜んと思うだけでインストールには至らなかった。

 しかし3月下旬、イベントでライコウが実装されると聞きつけ、まんまと釣られた格好である。

 余談だが、人が健康であり続けるための3要素である、食事、睡眠、運動のうち、ポケモンを題材に後者2つをカバーする展開となっている今、数年後にPokémon Eat的な食生活ゲームアプリがリリースされても不思議ではない。

 Pokémon GO、Pokémon Sleep然り、ジャイロセンサー等を活用したゲームシステムそのものには画期的な要素はないものの、ポケモンの認知度とゲームバランスの良さで大衆にリーチし、結果として社会にイノベーションを起こすことは往々にしてある。

 この法則を意識して、仮にPokémon Eatの実装を予想するなら、これまで面倒だったカロリー計算が、食事の写真を撮るだけで、画像認識AIが自動で計算できるようになり、栄養価に応じてポケモンが出現。

 足りない栄養素を多く含む食事をレコメンドして、それを食べるとゲームが有利に進むインセンティブが得られる辺りの仕様が、拙いアイディアとして考えられる。

 さて、話題をSleepに戻すと私自身、元々寝つきが悪く、不眠症のポテンシャルは高いため、ダメ元でやってみているが、寝床に入ってからではなく、眠りについてから8時間30分の睡眠を取ることが、ゲーム内で有利に働く仕様のため、睡眠時間を長く取ろうとするインセンティブが働く。

 逆に起床時は、何のポケモンと出会えるか分からない不確実性が、脳の報酬系を刺激させ、どのポケモンにサブレを与えて(原作のモンスターボール的な役割)、仲間にするかを考えさせることで、自然に覚醒状態へと導くゲームバランスの良さは、柳沢正史先生が監修しているだけあって脱帽する。

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ゲームのプレイスタイル≒金銭管理能力

 さて、ポケモンの予備知識は原作やカードで遊んでいることから、ある程度あるものの、やれスリープポイント、ダイヤ、アイテム、食材と言った、Pokémon Sleepオリジナル要素は初見である。

 そのため、チュートリアルに沿って進めているうちは、これらがどれ位の入手難易度で、自身のプレイスタイルを鑑みると、どこで何に使うのが最適解なのかと言った肌感覚が未だに掴めない。

 しかし、そうこうしているうちにバッグが満杯となる。今後のために取っておいた方が良いアイテムが何かを攻略wikiで調べては、割合入手し易いと思しきアイテムから順に消化し始めた。

 まだスマートフォンが主流ではなく、子ども向けゲームの主な情報源は、基本的に攻略本のみの時代をかろうじて経験している身としては、インターネットで簡単に集合知が得られ、手探りで車輪の再発明をする必要がない意味で、便利な世の中になったものだとつくづく思う。

 そして本家同様、個体差という沼要素も本作で受け継がれているため、無課金の範囲内で、限られたリソースをいかに効率よく配分して遊ぶかを目的に、決して深追いしないと決めた。

 そこで、お金の扱い方とゲームのプレイスタイルがそっくりであることに気付かされる。

 人生というのは、親ガチャSSRでもない限り、基本的には時間、お金、労力といったリソースに制約がある。限られたリソースという制約の範囲内で、いかに人生を楽しむか。そのためには自身の価値観に基づき、優先順位を付けて取捨選択していく必要がある。

 私が高卒で社会に出て、正規雇用手取り13万円で「お前が終わってんだよww」状態からスタートしたにも関わらず、20代のうちに老後資金問題が解決し、お金に困らない生活が送れているのは、紛れもなく有限なリソースを、効率よく配分する能力をゲームで養ってきたからだろう。

 生涯賃金が2億円、可処分所得が1.6億円。生涯住居費が7,000万円、老後資金が2,000万円、子ども一人の養育に2,000万円、各種支払保険料が1,000万円。

 人生の大きな出費を概算して、収支を大枠で捉えることで、一昔前の良い大学を出て、良い会社に入り、結婚して子どもを育て、マイカー、マイホーム…という、これらが一通りできて一人前的な価値観を踏襲すると金銭的リソースがまるで足りないことに気づける。

 だからこそ、戦略的に限られたリソースを、いかにして配分するか考え、価値観に応じて取捨選択する一連のスキルが重要となるのである。今でこそ、殆どゲームをやらなくなったが、大事なことはゲームから教わった。

 どこぞのうどん県が、ゲーム条例たるものを施行したが、悪いのはゲームではなく、子どもが日常生活に支障を及ぼすほど、ゲームにのめり込んでしまうような環境や、そんな教育しかできない、大人側のリスク管理の問題を、ゲームを悪者扱いして責任転嫁しているだけのように思えてならない。

 確かに包丁は便利かもしれないが、使い方を誤ると危ない。だから使用を制限します。的な条例を作れば、誰もがおかしいと思うが、これがゲームに置き換わると、思考が時代に追いついていない人を中心に賛成となるのだから、この国はシルバーデモクラシーかつ衆愚政治であり、Winny事件の頃から何も変わっちゃいないとつくづく思う。


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