見出し画像

FIRE目指すなら知っておきたい、大分県杵築市。

 最近、FIREやセミリタイア界隈で話題となっているのが、日本一家賃が安い街として知られる、大分県杵築(きつき)市だ。

メリット

家賃が破格なうえに築浅。

 杵築市は昔、キヤノンの工場進出を見込み、アパートを大量に建設したものの、リーマンショックの煽りを受けてキヤノンが撤退。供給過多となった住宅は投げ貸しされており、1万円の賃料で築浅(2000年前後)の物件が借りられる状態である。

不動産ジャパンで検索した結果。

 しかも、投げ貸しされている物件のほとんどがバストイレ別だ。そんな格安物件がゴロゴロ存在する杵築市を、どんな僻地かと想像するかは人それぞれだが、元々が城下町と言う歴史もあってか、個人的には結構栄えている印象だ。

コンビニやスーパーが点在している。

 杵築駅から杵築城方面に向かう県道644号線沿いは、コンビニやスーパーが点在している地域のため、生活する分には困らなそうな場所だ。コンビニも2022年2月時点では大手3社が揃っている。

豊富な自然資源。

 疫病による行動様式の変化で、都会暮らしのメリットが皆無となり、地方移住を考えている私のような方には朗報だ。杵築市は自然資源が豊富で四季が楽しめるから、移住者は外出するだけで観光地気分を味わえることだろう。少し行動範囲を広げると、温泉地である別府も約20kmと日帰りで温泉旅行が楽しめる立地で、移住して当面、飽きることはなさそうな環境である。

大分空港が近い。

 家賃が安くて、生活には困らない程度のインフラがあり、自然も豊か。そんな杵築市だが、実は大分空港が杵築駅から路線バスで40分程の距離にあり、東京方面へのアクセスも良好である。行き先が成田空港で良ければ、LCCも就航しているため、閑散期であれば片道1万円もかけずに東京に出ることも可能だ。

図書館が立派。

 一介の読書家として図書館が立派なのは、ものすごく嬉しい要素だ。人が健康的に生きるのに必要な要素といえば、食事、睡眠、運動と知的好奇心を満たすこと位だと、個人的には思っている。美味しい食材、静寂な住環境、広大な自然環境、そして図書館。杵築市は条件が全て揃っていると感じる数少ない地方だ。

車が必須ではない。

 疫病により行動様式が変化する前まで旅行が趣味だった私でが、恥ずかしながら杵築市は訪れたことがない。

 現地を視察した訳ではないため、地域の特徴は分からないが、調べる限り杵築市役所近辺が中心街で、最寄りとなる杵築駅からは4kmちょっと離れているので、徒歩だとキツイが、自転車があれば生活圏が完結する規模で、自動車必須ではなさそうだ。

 特に私は自転車が折りたたみ式のミニベロで、輪行袋に収納して列車内に持ち込める特性を活かして、自転車+鉄道で短距離から長距離移動までカバーできてしまうため、移住する際に車はなくても大丈夫だと踏んでいる。

デメリット

自転車屋が見当たらない。

 自転車で生活圏が完結すると熱弁した矢先、水を差すことになるが、ネットで調べた限りでは、自転車屋さんが周辺に見当たらないため、パンク修理やチューブ交換を頼める場所を見つけるのに苦労する可能性がある点は不安要素だ。

普通列車が2時間に1本。

 私は自転車+鉄道を組み合わせられるとはいえ、肝心の鉄路である日豊本線は半分以上が特急列車で、日中の普通列車は2時間に1本程。格好良いデザインの特急ソニックは毎時1本あるが、特急料金が必要なので普段使いには向いていない。それでも片道25kmまでの自由席特急券は310円(2022年現在)と、1時間以上待つ位ならこれ位払っても良いかと思える程度には低廉な料金設定となっている。そもそもJR九州が特急至上主義のため、普通列車の利便性なんて期待してはいけない。

 時間と体力はあるけど、極力お金は使いたくないリタイア組にもってこいの青春18きっぷも、基本的に特急列車は利用できないので、JR九州沿線だと肩身の狭い思いをすることが多々ある。安定基金の運用益と不動産の収益で本業の赤字を補う経営には共感できないが、運賃料金が半額になる株主優待券目当てで、九州旅客鉄道(9142)の株式を保有しておくか迷う程度には、優待に魅力を感じている。

プロパンガス物件。

 地方に在住したことがある方はご存知だと思うが、杵築市一帯はプロパンガス物件のため、ガス代が都市ガス物件と比べて高くなる傾向にあること。対策としてはガスは契約しないことだ。

 現に私は電気と水道契約のみで生活している。ガスコンロはIHで代用し、お風呂は電気で沸かす器具を用いるか、銭湯やジムで代替するのが鉄則だ。

 Googleマップで調べたところ、北浜温泉が入浴料300円であった。他にもスポーツジムやネットカフェを利用してシャワーを利用することでも代用可能だ。2022年2月時点では、Googleマップに登録されていないが、偉大なる先駆者の方が発見されたフィットネスジムにはシャワーがあることが確認されている。

 ネットカフェは、別府に快活Clubがあり、追加料金なしでシャワーが利用可能で、最初の30分で済ませれば210円(2022年現在)だ。割引やクーポンを活用することでさらに安くすることも可能だ。

 電気で沸かす器具の"沸かし太郎"を用いる場合、1回96円でお湯を沸かせるから、毎日入っても電気代はひと月で+3,000円程を想定している。プロパンガス物件は平気でガス代が月に1万円近く掛かる場合もあるから、電気に一本化した方が多少は安くなる。ただ、沸かすのに10時間程要するのが沸かし太郎の弱点だ。リタイアしていれば関係ないが、労働するのであれば、銭湯通いが気楽なのは自身が経験済みだ。

株主優待券の消化に不向き。

 優待投資家には悲報だが、周辺に株主優待券を使えるお店がほとんど見当たらない。国道213号線沿いにある店舗で杵築市の中心街から自転車圏内で利用可能だと想定する店舗は、下記の通りである。

・マツモトキヨシ(マツキヨココカラ&カンパニーの商品券やQUOカード)
・ヤマダ電機
・モスバーガー
・ホームワイド(イオン系列のホームセンター)
・ジョイフル(優待食事券は1,000株以上の保有が必要)
・九州旅客鉄道

 マニアックな優待を含めると、もう少しあるのかも知れないが、期限付き優待券で人気どころの優待利回りが高い銘柄は全滅だと思った方が良い。極力、カタログギフトや商品系の優待と、有効期限のない商品券やギフト券が頂ける銘柄を揃えておくのが無難だろう。
・ビックカメラ(小倉)
→通販が無難
・ガスト(別府)
・イオン系列(別府)
→イオンモール(8905)などのギフトカードタイプは有効期限なし。
・牛丼チェーン店(別府)
・快活Club(別府)
・ドン・キホーテ(別府)
・ドトール(大分)
・コメダ珈琲店(大分)

 上記で最も近い別府ですら、杵築駅から往復するだけで、40kmほどの距離があるため、自転車を爆走させて優待消化するには向いていない地域だ。自転車で40km走行するとなると、優待名人の桐谷さんが、月曜から夜ふかしの特集で、優待消化のために1日がかりで走行する距離と同等になってしまう。改めて東京の狭さを思い知らされる。

最後に、

 紹介した銘柄は推奨ではありません。投資は自己責任です。内容を鵜呑みにせず、参考程度にして頂けると幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?