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『人は習慣によってつくられる。 優れた結果は一時的な行動ではなく、習慣から生まれる』
アリストテレス（紀元前384～紀元前322）

まえがき

皆さんは、私生活で心理学って活用してますか？
別にちゃんと大学で学んでいなくてもいいんです。
便利だと思って使っている人ってどれくらいいるのかなって。

他の回でも頻出させているとおり、MAACoはかなり心理テクニックを信頼し使っている方だと思う。

ザイオンス効果、認知的不協和、サンクコストバイアス、一貫性の法則、心理的リアクタンス、ハロー効果、アンダーマイニング効果・・・

もはや何の回で何について書いたかも忘れましたが、様々なベクトルに向けて存在する心理テクニックは挙げればきりがなくそしてそれらは一定、理にかなっている。

人がどう感じるか、そしてその結果人はどう動いてしまうのか。
これらは時に矛盾をはらみ、当人ですら理由がわからず心が乱れることもある。
こういったものにある程度予測がつくことは自身のメタ認知にも役に立ち、知っているだけでもかなり気持ちが安定する。

人間の行動原理にも関わっているから、目的を持って使えば他人を動かすことも自身を動かすことも可能な、ある種の洗脳や暗示のようなものだ。

そんな心理テクニックや心理バイアスの有効度合いは『効果量』という指標ではかられる。
1を最大とし、0.5で効果が見込め、0.3で試す価値あり。といった具合だ。

今回は、著名な心理テクニックでもめったに0.3を超えないと言われる効果量において、『0.65～0.99』という圧倒的数値を叩き出す世界最強の習慣化テクニックを紹介すると同時に、ビジネスシーンでの応用の仕方と、実行の障壁となる日本文化も重ねて紹介しようと思う。

『if-then プランニング』

(if)もし〇〇したら(then)〇〇する。

結論から言うと、習慣化したいことにおいて、先にこれを決めておくだけだ。
イメージしづらいかもしれないが、皆さんも普段の生活の中で既に行なっている。

• (if)朝起きたら、(then)おはようと言う

• (if)お腹が痛くなったら、(then)トイレに行く

• (if)会社に行ったら、(then)メールを確認する

ね、やってるでしょ？
そんなのプランでもなんでもないと思っただろうか？
そう。それこそが習慣だ。

頭で考えなくても体が勝手に動く状態まで落とし込めていること。
これが習慣化の力であり、負担を感じず実行できるレベルまで昇華したということなのだ。

怠惰な脳にとっては負担なことはやらないのが善であり、これは200万年続いた狩猟採集民族時代に、余計なエネルギー消費をしないように進化した人間の本能だ。

普段何をやっても続かない人は、めんどくさいとか、しんどいとか、要は脳が負担を感じているからそれがハードルとなって続かない。
負担は極限までなくすことが、習慣化の肝なのだ。

ではなぜif-thenプランニングが負担をなくすことになるのか？
その鍵は決断疲れにある。

決断疲れとその対処

意思決定と心理学の分野においては『決断疲れ』という言葉がある。
人が物事を判断・決断するには有限である意志力を消耗するというものだ。
これは大きな負担となり、取り組みの意欲を削いでしまう。

習慣化の第一歩をくじくこの決断疲れは、当たり前だがないに越したことはない。
ここでif-thenプランニングが活きてくる。

(if)もし〇〇したら(then)〇〇する。
この構文に、習慣化したいことをあらかじめ組み込んでおくのだ。

例えば禁煙を習慣化したい場合、
(if)もし『タバコを吸いたくなったら』(then)『チョコを食べる』
のような形だ。

『タバコを吸いたくなった』際の意思決定が既に決まっているから、『チョコを食べる』という『決断』の負担コストがない。

これが出鼻をくじかないことに直結するのだ。

if-thenプランニングの注意点

ifには意志力を使う条件をつけてはいけない。
『図書館に行ったら』本を読むとか『ジムに行ったら』筋トレをするなど、
そもそもifをしない可能性があると、thenは当然実行されない。
だからifは自然発生する条件でなくてはならない。

また悪習慣の改善に使う場合、thenに否定文を用いてはならない。
これはどういう事かというと、『〇〇しない』ではなく『〇〇する』に置き換える必要がある。

if『タバコを吸いたくなったら』then『タバコを吸わない』ではif-thenプランニングは効果を発揮しない。
if『タバコを吸いたくなったら』then『チョコを食べる』のようにポジティブな代案に置き換えて初めて効果を発揮する。

余談だが、ヘビースモーカーだったMAACoが禁煙に成功したやり方がこれだ。
ブラックチョコレートの苦みで喫煙後の口内の感覚を代替できないかと考え、少しずつチョコの割有りを増やしていって禁煙成功した。
期間中はタバコ以上にチョコ代がかかったが、興味のある方は試してみてほしい。

ビジネスシーンでの応用

if-thenプランニングは本来習慣化テクニックだが、ビジネスシーンでもその力を発揮する。

企業理念と利害関係者ステークホルダー

ビジネスではどういった形であれ『顧客』が存在するだろう。
多種多様な顧客の要望は時に『右にいけ』というもの、『左にいけ』というものが混在するのが常だ。
どちらが正しく、どちらが間違っているでもない『決め』の問題、『好み』の問題であることは大いにあるだろう。

無理をして精神と体力、意志力をすり減らし、一過性の対応で乗り切ったところで毎度毎度その対応はできるのか。
仮にできたとして、次は反対側の要望の顧客からお叱りを受けるだけだ。

こういった時のために、if-thenプランニングはトラブル防止という目的にも使える。
発生率の高そうなものから順にif-thenプランニングでルール設定してしまえば、極端な話思考停止でも自信をもって『Yes』も『No』も言える。

これが定まっていない会社は例外なく社員が疲弊する。
『臨機応変』という名の『優柔不断』
『顧客目線』という名の『社員軽視』
は、身に覚えがある方もいるだろう。

企業理念を根幹の価値観として方向づけし、if-thenプランニングによって細部のルールを整え、それによって対応が一貫性を帯び、『一貫性の法則』によって信頼を得て、それが企業理念を支える。

if-thenプランニングはイレギュラーへの対応力を上げるだけでなく、常日頃からビジネスの根幹を支えるサイクルの一部を担っているのだ。

言霊信仰による障壁

日本には古くから『言葉自体に魂が宿る：言霊』が信仰されてきた。
良い意味の言葉を発すれば良いことが起こり、悪い意味の言葉を発すれば悪いことが起こると。
そう信じられてきたのだ。

世界にも引き寄せの法則と呼ばれる似たような概念のものはあるし、リフレーミングというざっくりいうと解釈変更を促す心理学もあるから、あながち宗教や疑似科学と言い切るのもどうかと思う。

だがいずれにせよこの言霊信仰が、特にリスクマネジメントにおけるif-thenプランニングと相性が悪い。

そもそもリスクマネジメントとは、悲観的な未来予測に対して発生時の対処方針をあらかじめ決めておくことだ。
という事は、嫌でもif-thenプランニングに準ずる特性がある。

例えば、
(if)もし原発事故が起きたら(then)〇〇する。
のような緊急対策マニュアルや避難経路の作成、医薬品、防護服の備蓄などの事前準備だ。

だが、悪い意味の言葉を発すれば悪いことが起こると、
原発事故が起きたらなんてそんなことは言うなと。
そんな言霊信仰文化がいつまでもまかり通っていては、誰もこの国で安心して暮らしていく為のリスクマネジメントはできない。

よくよく思い出してみるとMAACoの記憶にも数人、該当していると思わしき人がいた。
喜ばしくない事実から対策を練ろうとした時、異なる価値観の対立トラブルから妥協点を探そうとした時、みなまで言うなという人が。

現代に残るもので言えば、『両親の老後の話』『死後の財産の話』などがおそらく最も身近ではないだろうか？
必ず来るとわかっているものですらなかなかできない。
言う側ではなく、言われる側が話を拒むケースもある。
（これに関しては他の心理の影響も考えられるが）

こういった事から目を背ける文化、議題にのせない文化がこの国にはあり、これではif-thenプランニングのifの話すらできない。

まとめ

if-thenプランニングの効果の高さ、ビジネスシーンでの応用の仕方、言霊信仰による障壁はわかってもらえたと思う。
まぁわかったところで言霊信仰による障壁は文化なので、相手がいる場合明日からどうこうできるというものではない。

本当は言霊信仰と関わりの深そうな地理的理由や歴史、科学進歩、心理バイアスや言語化能力についても触れたかったが長くなるので別の機会にする。

それでも個人レベルの習慣化やリスクマネジメントには即使用可能だし、あなた個人の言霊信仰なら、あなた次第で乗り越えられる。

(if)もしこの記事を読んでしまったら(then)if-thenプランを1つ設計する。

”優れた結果は習慣から生まれる”
冒頭のアリストテレスの言葉にあるように、皆さんにもぜひ1つ新たな習慣を始めてみてもらいたい。

え〜と、(if)もしこの記事が売れたら(then)・・・

Rethink MAACo

#思考法  #処世術 #ビジネス #心理学 #if -thenプランニング #決断疲れ   #言霊信仰   #引き寄せの法則 #リフレーミング  #Rethink #MAACo

[The text below is an English translation generated by chatGPT.
I am not responsible for the accuracy of the information provided by this translation.]

This article is set as paid content, but you can read it all for free.

"Aristotle (384-322 BC) said, 'We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act, but a habit.'"

Introduction

Do you apply psychology in your daily life, even if you haven't formally studied it in university? I wonder how many people use it thinking it's convenient, as I often mention in other articles. MAACo seems to rely quite a bit on psychological techniques: the Zion effect, cognitive dissonance, sunk cost bias, the consistency principle, psychological reactance, the halo effect, the undermining effect... I've forgotten what I've written about in which article, but psychological techniques exist for various vectors, and listing them is endless, but they are consistent and logical.

How people feel and how they act as a result can sometimes be contradictory, and even the person themselves may not understand the reason and feel unsettled. Having a certain level of predictability about such things is useful for one's own metacognition, and just knowing them can stabilize one's feelings considerably.

Because it relates to the principles of human behavior, with a purpose in mind, it's possible to influence others as well as oneself, akin to a form of brainwashing or suggestion.

The effectiveness of such psychological techniques and biases is measured by the "effect size." With 1 being the maximum, an effect can be expected at 0.5, and it's worth trying at 0.3, for example.

This time, I want to introduce the world's strongest habit formation technique, which is said to rarely exceed 0.3 in effect size even for well-known psychological techniques, with an overwhelming value of "0.65 to 0.99." At the same time, I'll also introduce how to apply it in the business scene and discuss Japanese culture, which can be a barrier to implementation.

"If-Then Planning"

(if) If [condition], (then) [action].

In conclusion, all you have to do is decide this beforehand for what you want to habituate. It might be hard to imagine, but you're already doing it in your daily life.

(if) If you wake up in the morning, (then) say "good morning."

(if) If your stomach hurts, (then) go to the bathroom.

(if) If you go to work, (then) check your emails.

See? You're doing it, right? Did you not think that's a plan or anything? That's right. That's exactly what a habit is.

It's the state where your body automatically moves without having to think about it. This is the power of habit formation, and it means reaching a level where you can execute without feeling burdened.

For a lazy brain, not doing burdensome things is good, and this is the instinct of humans who evolved to avoid unnecessary energy consumption during the 2 million years of the hunter-gatherer era.

For those who usually can't keep up with anything, whether it's annoying or tiring, essentially, it's because the brain feels burdened, which becomes a hurdle. Minimizing the burden to the extreme is the essence of habit formation.

So why does if-then planning reduce the burden? The key lies in decision fatigue.

Decision Fatigue and its Countermeasures

In the field of decision-making and psychology, there is a term called "decision fatigue." It means that people expend their limited willpower to make judgments and decisions. This becomes a significant burden and undermines the motivation to take action.

It's obvious that decision fatigue, which can hinder the first step of habit formation, is better off nonexistent. This is where if-then planning comes into play.

(if) If [condition], (then) [action]. Incorporate what you want to habituate into this syntax beforehand.

For example, if you want to habituate quitting smoking, it would be something like (if) "if you feel like smoking a cigarette," (then) "eat chocolate."

Since the decision for when you "feel like smoking a cigarette" is already made, there is no "cost" of the "decision" to "eat chocolate." This directly leads to not tripping up at the start.

Points to Note about if-then Planning

Do not attach conditions that require willpower to if. If it's something like "if I go to the library," read a book or "if I go to the gym," do weight training, then if there's a chance you won't do the if, the then will naturally not be executed. Therefore, the if must be a condition that occurs naturally.

Also, when using it to improve bad habits, do not use negative statements in the then. What this means is that instead of saying "not do something," it needs to be replaced with "do something."

Using "if I feel like smoking a cigarette," then "not smoking a cigarette" will not be effective with if-then planning. It only becomes effective when replaced with a positive alternative like "eat chocolate."

As an aside, MAACo, who was a heavy smoker, successfully quit smoking using this method. He thought about whether the bitterness of dark chocolate could substitute for the feeling in his mouth after smoking, gradually increasing the amount of chocolate until he successfully quit smoking. During the period, he spent more on chocolate than on cigarettes, but if you're interested, you should give it a try.

Application in the Business Scene

While if-then planning is originally a habit formation technique, it can also be applied in the business scene.

Corporate Philosophy and Stakeholders

In business, there will always be "customers" in one form or another. The diverse demands of various customers sometimes clash, with some saying "go right" while others say "go left." There's often no right or wrong, just a matter of "decision" and "preference."

Exhausting mental and physical energy and willpower to cope with transient responses—can this approach be sustained every time? Even if it can be, next time, it will only be criticism from customers with opposing demands.

For such times, if-then planning can also be used for the purpose of trouble prevention. If you set rules using if-then planning in order of likelihood of occurrence, you can confidently say "Yes" or "No" even with extreme simplification.

Companies that haven't established these are inevitably wearing down their employees. The "adaptable" nature that ends up being "indecisive" and the "customer-centric" nature that ends up "disregarding employees" are probably familiar to some.

By directing corporate philosophy as the core values, refining the details of the rules with if-then planning, maintaining consistency in responses, gaining trust through the "consistency principle," and supporting the corporate philosophy.

If-then planning not only enhances responsiveness to irregularities but also plays a part in supporting the foundation of business on a daily basis.

Barriers due to Word Faith

In Japan, there has long been a belief in "kotodama," where it's believed that "souls reside in words": good words bring good things, while bad words bring bad things. This belief has been upheld.

While there are similar concepts worldwide like the law of attraction and psychology that encourages reframing to change interpretations, it might not be entirely fair to categorize them as religion or pseudoscience.

However, in any case, this belief in word faith is particularly incompatible with if-then planning

in risk management.

Risk management, in essence, is deciding in advance how to deal with pessimistic future predictions. That means it inherently shares characteristics similar to if-then planning.

For example, preparing emergency response manuals, creating evacuation routes, and stockpiling medicines and protective clothing for "if a nuclear accident occurs, then [action]." However, saying "if a nuclear accident occurs" is taboo due to the belief in word faith. If such a culture continues to prevail, risk management for people to live in peace in this country will not be possible.

Upon closer reflection, MAACo's memory contains a few individuals who seemed to fit this description. When trying to devise countermeasures from unpleasant facts or find compromises from conflicting viewpoints, there were people who insisted on not talking about it.

In modern times, perhaps the most familiar example is "discussions about parents' old age" or "discussions about post-mortem assets." Even things that are certain to come are difficult to discuss. There are cases where it's not just the speaker but also the listener who refuses to talk. (This could also be influenced by other psychological factors.)

There is a culture in this country of avoiding such topics and not raising them as issues, making it impossible to even discuss the if in if-then planning.

Conclusion

I believe you now understand the effectiveness of if-then planning, how it can be applied in the business scene, and the barriers caused by word faith. Well, even if you understand, the barrier caused by word faith is a cultural issue, so it's not something you can change overnight if you have someone else involved.

I wanted to touch on geographical reasons, history, scientific progress, psychological biases, and linguistic abilities, which seem to be deeply related to word faith, but it's getting too long, so I'll save it for another opportunity.

Nevertheless, it's immediately applicable to individual-level habit formation and risk management, and if it's your own word faith, you can overcome it.

(if) If you've read this article, (then) design one if-then plan.

As Aristotle said in the opening quote, "We are what we repeatedly do." I hope you'll start a new habit yourself.

Um, (if) if this article sells (then)...

Rethink MAACo

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