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ヴィンテージは値上がりを続けるのか?

今回はヴィンテージ特集!
こんにちは!株式会社retroの佐藤です。
今回は「ヴィンテージは値上がりを続けるのか?」というテーマについて探っていきたいと思います。


①ヴィンテージとは?

昨今話題のヴィンテージですが、言葉だけが先行していて意外と本当の意味を知らない方も多いのではないでしょうか。

ヴィンテージとは「古くて良い物」という意味で、単純に古い物(中古品)ではありません。古い時代の品物やコレクターアイテムを指し、これらのアイテムはしばしば高値で取引されることで知られています。「良い」というのはデザインもそうですが、生地や縫製に関しても言えます。

例えば最近では技術が発達したことにより、物はたくさん作れるようになりましたが、コスト削減により昔に比べて生地や縫製に安価な物が使われることが増えました。そのような服やバッグは何十年後であっても「ヴィンテージ」にはなり得ないのです。では、ヴィンテージアイテムはなぜ人気なのでしょうか?

②なぜヴィンテージが人気なのか?

ヴィンテージ=古くて良い物というのは分かったけど、人気の理由ってなんでしょうか?

これには様々な考え方がありますが、コストを掛けていた時代の「良質な物が良い」という場合や「使い古した生地の風合いが良い」という場合など、いずれにしても現代の服やバッグにはないヴィンテージ特有の「良さ」を求めているからだと思います。

また、ハイブランドやデザイナーズブランドの場合はそれを手掛けたデザイナーが誰か。ということによっても人気の有無があります。このようなアイテムは彼らのファンやコレクターによって非常に高い需要があります。
有名なところだと1997~2003年までエルメスのデザイナーを務めた、マルタンマルジェラの時代のエルメスは「エルメス マルジェラ期」と呼ばれ、ヴィンテージとして非常に高い人気を誇ります。

Martin Margiela for Hermés Fall 1998

出展:VOGUE RUNWAY

このような希少価値の高いアイテムは限られた数しか存在しないため希少価値が高く、需要と供給のバランスによって価格が変動することがあります。そのため、ヴィンテージアイテムをコレクションとして保有することは、将来的な投資としての可能性も持っています。

③これからのヴィンテージアイテムの動向

では、これからのヴィンテージアイテムの動向について見ていきましょう。以下、洋服編、アクセサリー編、バッグ編に分けて考察します。

-洋服編

今値上がりしているヴィンテージとは

洋服のヴィンテージはバッグに比べて複雑で、値上がりの要因が様々です。
大きく3つのカテゴリで値上がりしているので、それぞれわけて説明していきます。

・ハイブランド
ハイブランドとは、ルイヴィトン・エルメス・シャネルのような誰でも知っている高級ブランドのことをさします。ハイブランドでは、バッグ同様に海外需要が増えたこともあり、ヴィンテージアイテムが軒並み高騰しています。洋服の場合も例えば、イヴサンローランのカサンドラロゴ・ジバンシーの4G・フェンディのズッカ柄のようなアイコニックなデザインのアイテムが人気です。

Givenchy Monogram Pattern Cashmere Cardigan

出展:LUXURY FASHION STORE

・デザイナーズブランド
デザイナーズブランドとはファッションデザイナーの手掛けたブランドで、多くはそのデザイナーの名前がそのままブランド名になっています。
国内だとヨウジヤマモトやイッセイミヤケ、海外だとドリスヴァンノッテンやマルタンマルジェラ、ラフシモンズなどが有名です。
デザイナーズブランドのヴィンテージといえば、そのブランドのデザイナー本人が手掛けたいわゆる「初期or本人期」と呼ばれるアイテムになります。デザイナー本人が手掛けたアイテムは、そのブランドのデザインが色濃くでるので、そのブランドのファンから非常に人気があります。発売年代に応じてテーマがあるブランドもあり、その場合はテーマに合わせてファンがついていたりします。また、ヴィンテージの洋服は、ファッション業界やデザイナーにとってのインスピレーションの源となることも多く、その影響力は今後も続くでしょう。

RAF Simons 2003AW CLOSER期
画像のモッズコートは非常に人気が高く、数百万円で取引されている。 

出展:hypebae


・古着
ヴィンテージといえばアメリカ古着やヨーロッパ古着を思い浮かべる方も多いと思います。2000年前後は古着ブームがあり、大人気だった古着ですが、昨今のヴィンテージブームに乗ったことで過去よりも値上がりしているモデルが少なくありません。
リーバイスやLEEなどはもちろんですが、EUのミリタリーアイテムやバンドTシャツなどが非常に人気です。ユナイテッドアローズやビームスなどの大手セレクトショップもセレクトした古着を展開するなど新しい形の古着ブームが起こっています。

Levi's 507XX コレクターに非常に人気が高い。

出展:ACORN Buy&Sell Vintage


エミネムの2002年のツアーTシャツ
人気のアーティストのTシャツは10万円程で取引されることも

出展:RINKAN

これからの動向

バッグに比べて買い替えの多い洋服は数が多く出回っていますが、その反面状態の悪いものが多く、綺麗なヴィンテージの洋服は希少です。
綺麗なヴィンテージの洋服やいわゆるデッドストックは今後も値上がりすると思います。ただ、ヴィンテージの洋服の良し悪しが人それぞれという側面をもっているので、ある程度方向性が決まったあとは値上がりするものと値下がりするものがでてきそうです。

Levi's 501 デッドストック

出展:used&vintage box Hi-smile

ネクストブレイクヴィンテージの予想

・トムフォード期のイヴサンローラン:2000-2004年頃
トムフォードが手掛けたグッチは昨今値上がりがつづいており、非常に人気がありますが、ほぼ同時期にイヴサンローランのデザイナーも務めていました。
期間は約4年と短い期間でしたが、グッチ同様に値上がりが予想されます。
イヴサンローランの場合も、トムフォードらしいかっちりとしたデザインのアイテムが人気になると思います。

Tom Ford for Yves Saint Laurent Fall 2004

出展:VOGUE RUNWAY


・フリーダ・ジャンニーニ期のグッチ:2005-2014年頃
トムフォードが退任したあとのグッチを支えたフリーダ・ジャンニーニも今後値上がりする可能性が高いです。
デザインはトムフォードに比べて装飾の少ないシンプルなものが多いので、デイリーで使いやすいアイテムが多く、女性らしいデザインのアイテムは値上がりが予想されます。

Frida Giannini for Gucci Spring/Summer 2014

出展:BE GLOBAL FASHION NETWORK

・クリストフデカルナン期のバルマン:2006-2011年頃
バルマンの低迷期を救ったクリストフデカルナンのバルマンも今後値上がりしそうです。クリストフデカルナンには熱狂的なファンが多いので数が少なくなっていくこれからの相場に期待です。クリストフデカルナンは現在フェイスコネクションというブランドを立ち上げていて、非常に人気があるのでクリストフデカルナン色の強いデザインのバルマンも値段が上がるのではないでしょうか。

Christophe Decarnin for Balmain fw09

出展:VOGUE RUNWAY

・本人期のマルタンマルジェラ:1988-2008年頃
最後はマルタンマルジェラです。マルタンマルジェラのヴィンテージアイテムはすでに値上がりしていますが、ここ数年でマルジェラ期のエルメスの高騰があったり、ヴィンテージアイテムがサザビーズに出品されたり、映画が公開されたりと、今後も値上がりする要素しかありません。
今後も更に値上がりするという予測でネクストブレイクヴィンテージで紹介させていただきました。

Maison Margiela SPRING 1999

出展:VOGUE RUNWAY

-アクセサリー編

今値上がりしているヴィンテージとは

シャネル・エルメス・クリスチャンディオール・セリーヌ・イヴサンローラン・ジバンシーなどのハイブランドのヴィンテージアクセサリーがここ数年値上がり続けています。
多くは海外需要に対する相場の上昇ですが、日本でも昨今のヴィンテージブームもあり需要が増加しています。
ゴールド・シルバー製品はもちろんですが、メッキでできたコスチュームジュエリーも軒並み値上がりしています。コスチュームジュエリーはゴールドカラーのモデルが特に人気のようです。

エルメスのシェーヌダンクル
「錨の鎖」という意味を持つ、船の錨に着想を得たデザイン

これからの動向

ブランドロゴのついたアクセサリーは値段が落ち着いてきていますが、カラーストーンがついたモデルや大型のモチーフがついた珍しいモデルは今後も上昇し続けると考えられます。
コスチュームジュエリーは劣化が早いので綺麗な状態だと引き続き値上がりしていくと思います。


-バッグ編

今値上がりしているヴィンテージとは

ここ数年で相場が大きく変わったのはシャネル・グッチ・セリーヌ・クリスチャンディオールです。
火付け役となったのはシャネルで、この数年間の間に倍以上値段が上がったバッグも多くあります。
その他のブランドでも、グッチならGG柄・シェリーライン・バンブー、セリーヌならマカダム柄・サークルロゴ、クリスチャンディオールならトロッター柄・サドルバッグなどそのブランドを象徴するようなアイコニックなデザインのアイテムは値上がりを続けています。

また最近では各ブランドが、過去のデザインをアップデートして復刻する場合も多く、ヴィンテージ人気を後押ししています。

Gucciのバンブーバッグ 
誕生から75年という長い歴史を持ち、今も根強い人気がある

これからの動向

これからも当分は値上がりすることが予想されますが、需要と供給のバランスが取れてきたので状態の良い物に限られてくると思います。
また、ヴィンテージバッグならではの奇抜なカラーやデザインのアイテムは生産数が少ないためますます値上がりするのではないでしょうか。

最後に

結論として、ヴィンテージアイテムの価格は一概には言えませんが、需要が高まることが予想されます。ヴィンテージの魅力は、独自のスタイルやデザイン、ストーリーや歴史的な価値、そして投資対象としての可能性によって支えられています。ただし、市場の変動や需要の変化も考慮しなければならないことを忘れずに、ヴィンテージアイテムの魅力を楽しんでいきましょう。

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