見出し画像

#178 完全栄養食は 「PCデスクで飯食う族」 の福音となるか?

 早い・安い・うまい。かくいうわたしは、所謂ジャンクフードが大好きだ。安くて、しかも高カロリーなのだから、優秀な食品と言わざるを得ないだろう。

 今よりもっともっと、お金がなかったあの頃、牛丼とハンバーガーにどれだけ助けられたことだろう。インスタントラーメンや、ポテトチップスもそうだった。そうした食品(とデフレ)がなければ、当時のわたしは餓死していたかもしれない。

 当然だが、問題はあった。炭水化物と脂質ばかりが突出しており、食物繊維やビタミンなど、他の必須栄養素が摂れていない。だが、野菜や果物などには目もくれない。ハンバーガーが100円で、牛丼が280円だったのだから。

 その後、仕事で順調にステップアップできたことにより、収入はいくらか改善したが、今度は別の問題が待っていた。ハンバーガーがビッグマックになり、牛丼はラーメンになったのだ。栄養バランスの悪さはそのままに、塩分の摂りすぎというバッドステータスまで付いてきた。実際、健康診断で高血圧を指摘されていた。

 自炊をしていた時期もあったが、特にプラスの影響はなかったはずだ。好きなものを、好きなだけ作って食べていたからだ。むしろ、外食よりもたちの悪い食生活だった可能性がある。

 その後も仕事を頑張り続けたわたしは、ついに心療内科へ行くことになり、その年は6ヶ月で20キロほど痩せた。(食欲を失ったせいだが、痩せたこと自体には喜んでいた)そして、次の1年半で、失った20キロを取り戻す羽目にもなった。

 これは当然のことで、結局はハンバーガーやラーメンや牛丼を中心とした食生活だったからだ。むしろ、リバウンド完結までの間に、1年半も要したことを褒めてあげたい。ときどきダイエットをしては、抵抗していたのだ。

 さて、現在のわたしだが、実は順調にダイエットが進んでいる。急激に減らそうとはせず、しかしグラフで見たときには徐々に右肩下がりになるような、無理のないペースでコントロールできている。まだまだ気が抜けないが、一応は標準体重の範囲内だ。

 ただし、それでもやはり問題はある。外食中心の食生活であるため、どうしても脂質と塩分が過剰になってしまう。ちなみに、相変わらず自炊はしていない。今のわたしは、火を使うとどんなことをやらかすか、想像もつかないほどにボケているからだ。

 ここで一度、わたしの人生における、栄養問題の要因を整理したい。高脂質・塩分過剰なおかずで、炭水化物を大量に食べて腹を満たす。それはなぜ、そうなるのか。

  1. 経済的貧困によるもの

  2. 家事を行う時間の無さによるもの

  3. 味覚が刺激的な味に馴染んだこと

  4. 中毒性のある味を求めてしまうこと

  5. それらが食習慣として固定されること

  6. 社会が上記の3と4を提供していること

 おっと、話が大きくなりそうだ。しかし、この6番目は、見過ごせない話である。記事の本題に入る前に、少し寄り道をさせてもらいたい。

 一瞬、アメリカかと空目するが、この記事はアフリカの話である。未だ自給自足のような暮らしをする人がいる一方で、都市部では先進国と同様に、太りすぎなどによる慢性疾患が問題になっているそうだ。

 この記事で分かることが一つある。現代的な労働のあり方と、それに応じた食生活は、その地域や人種を問わず、同じ問題を引き起こしているということだ。欧米流の社会のカタチを真似した場所で発生する、再現性のある事象と考えられるのではないだろうか。

完全栄養食の時代が来る?

これ全部で1,341キロカロリー

 さて、本題である。ここ数年でコンビニの棚にまで広まった「完全栄養食」というジャンルの食品は、働くほどに健全な食習慣の維持が難しくなる、というジレンマを解消する可能性がある。写真に映っているものは、本日のわたしが実際に食べたものである。これを、「あすけん」アプリでカロリー計算した結果が以下の画像だ。

無料ユーザーなので数値は見れません(笑)

 これらを全て食べると、1,341キロカロリーになる。やはり栄養バランスが良い。もう少し量を増やして、朝昼晩に分けて食べると、ちょうど良い塩梅になりそうだ。

 参考までに、マクドナルドでビッグマックセット(ドリンクはコーラ)を食べた場合のグラフも見てみよう。こちらは、1,074キロカロリーである。

ビッグマックセット(コーラ)1,074kcal

 さらに、このビッグマックセットを食べた日の夕食は、帰り道にある松屋へ寄り、牛めし生野菜半熟卵セットを食べて帰るとしよう。ドレッシングはもちろん、フレンチだ。店内なので味噌汁もつく。これで1,025キロカロリー。この2食で結果は、どうなるか?

夕食に松屋を食べて、合計2,101kcalになった。

 このような食事は、過去のわたしが実際にし続けていたことだ。おかげ様で脂質異常症を指摘され続け、ついには薬を飲むことに成り果てた。しかし、昼休憩の1時間で、すぐに提供され満腹になれるマクドナルドに行くことや、くたくたになった帰宅路に、松屋があることはありがたく、それらを活用するのは自然なことだろう。彼等もまた「そうした立地」を狙って出店しているのだから、尚更だ。

 現在休職中のわたしだが、晴れてまた、通勤を伴うサラリーマンの世界に復帰できた暁には、きっとまた、このような食生活に戻ると確信している。その手軽さに、抗える気がしない。

 それに、飲食チェーンのほとんどが、刺激的な味がする。言わずもがな、脂質と塩分だ。人間の舌には「ビタミンAが美味しいなあ!」などと、感じる機能は備わっていない。だから、それらを提供する必要はないのだ。消費者だって、マクドナルドがヘルシーになることなど、求めていなかった。

 そうした外食産業へのカウンターとして成長したのが、コンビニの「サラダ・惣菜コーナー」である。そして最近、そこに完全栄養食というジャンルが加わり、コンビニはますます「中毒性より栄養価を気にする方はこちらへ」という勢いを強めている。筋トレブームという後押しもある。

 ただし、問題がある。そのどれもが、高価なのだ。だから、意識的に選択する必要があるし、お金がないなら選べない。付加価値があるのだから当たり前の話だろう、と思われるだろうが、わたしは夢想家なので、こう思う。

 「カップ麺やパンを食べているだけで、必須栄養素が満たされるのなら、栄養格差は存在しなくなる!」これは、SDGsの達成につながる革新である、とすら考えているのだ。

SDGsの達成には栄養改善の取組が不可欠である

栄養は、人々の健康維持・増進に繋がるだけでなく、教育や勤労等の様々な社会活動を支え、社会全体の発展にも寄与する。

栄養改善の取組は持続可能な開発目標(SDGs)の17目標のうち、栄養や健康の課題を対象とする「目標2 飢餓をゼロに」「目標3すべての人に健康と福祉を」をはじめ、全目標の達成に貢献し得る。

厚生労働省ホームページより引用
※筆者にて改行のみ行った

 さて、PCデスクでカップ麺をすする、わたしの同志達よ。ついに我々が健康的と呼ばれる時がきたようだ。もしあなたがオーガニック食品主義者でなければ(同志ならばきっと、そんなことはないだろう…)日清の「完全メシ」や、BASE FOOD社の商品を食べて、そのメリットを発信しよう。

 このジャンルに競争が起こり、低価格化が進み、「あたり前」になるまで支持し続けるのだ。特に、流行に敏感なユーチューバーやブロガーの皆様、各々一度は食べてみて、動画や記事にしてみてほしい。

 

 特に、日清の完全メシとカップヌードルPROは美味しくておすすめ。極力常備しておきたいですね。

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?