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たかがゲーム、されどゲーム

ここ最近のマイブームがディズニーツムツムである。

このゲームはディズニーやピクサーのキャラをつなげて消すパズルゲームで、つい先日ダウンロード数が1億回を突破した。

LINEと提携しており、LINEの友人とスコアを競い合ったり、またハート(ゲーム一回分)を送りあうことができるなど、従来のソシャゲとは違う部分も面白い。

私はうつになったことを機にこのゲームを辞めていた。そして心と時間の余裕ができた今、もう一回やる気になってインストールし直し、ハマった。単純なルールで難しくなく、無心にツムをひたすら消すという行為がどこかマインドフルネスを感じさせる。

だがこのゲームには他のソシャゲとは違う現実的な側面があるようにも思う。今回はそのことについて話していきたい。

他のソシャゲと違う最大の要因はガチャシステムだ。

他のソシャゲでは、一般に石やダイヤのような鉱物を数個使い、一回ガチャを回す。故にイベントなどで勝つのに必須なキャラクターはこのガチャから出るか否か、もっと言うとほしいキャラが手に入るかどうかは石の個数で決まる。この石を手にするために課金をする人が後を絶たない。

ツムツムにもこのような鉱物があり、ルビーと呼ばれる。だがこのゲームではガチャにルビーを消費しない。ゲーム内コインでガチャを回す。このコインはルビーで買うこともできるが、基本はゲームで"稼いでいく"ことになる。つまり、頑張ればその分だけガチャが回せるというシステムなのである。

これは現実世界でもそうであろう。仕事を頑張って稼いだお金で自分にご褒美をプレゼントしたり、自己を休ませるために美容院に行ったりするだろう。楽するために努力を要求するゲームはおそらくこれだけだ。

ゲームでありながら、ゲームのキャラを育成するためにコインを使うという点が非常に生活感を感じる。そしてそのコインが多ければ多いほどキャラが育成しやすい。この部分に資本主義を非常に感じる。

そして稼ぎやすいキャラクターというものもいる。私が最もやっていた時代ではジャイロ機能を用いて、スマホを傾けてスキルMAXの野獣を使ってコインを荒稼ぎする、通称「野獣ジャイロ」が主流だった。

この稼ぎやすいキャラクターというのは現実に置き換えれば、起業家や投資家のようなものだ。そして彼らは最初からそうなったわけではなく、この野獣のスキルを上げるのと同じように、その地位に至るまでに苦労したのだ。

しかもこのゲームは最初こそお金やらチケットやらでガチャを引かせてくれるが、出てくるキャラはレベル1である。つまり、そのままでは弱いのだ。

この点も現実的である。私たちはそのままで戦おうとする。それはまさにレベル1のツムでコインを稼ぐようなものだ。最初こそ稼げないのは当たり前なのである。稼ぎたいなら、自らのスキル向上に努めなければならない。

そして育成したからといって強いかと言われると怪しい。なぜか。使い方を間違えると弱くもなるからだ。先ほどの野獣もジャイロ機能を用いて使うからコインがたくさん稼げるのである。これを最初に発見した人はすごいとつくづく思う。このゲームはプレイヤースキルにかなり依存する、非常に奥深いゲームだ。

我々もそうである。自分の能力の特徴を活かせない場所や企業に入れば、つらい思いをするのは間違いなく自分である。自分の能力をきちんと見極めて、使いこなすことが稼げるようになるために必要なのである。そのための勉強は絶対に必要だ。

そしてこのゲームはミッションもなかなかシビアである。「スコアが○以上」「ボムを○個作る」「○回フィーバー」など様々なルールが課されるが、レベルが上がるにつれてキャラの指定がある。ここでも現実的な側面が見受けられる。

育て上げたキャラは使い勝手がいい。常にその能力を使えば簡単にクリアできる。だが、ほかのキャラも同様に育成していなければ全てのミッションはクリアできない。

我々もそうである。私たち一人一人は活躍できる場が必ずある。もし今が苦しい場面ならば自分ではクリアできないミッションに立たされているだけである。そして逆に自分にしかクリアできないミッションがこの世には必ずある。そのミッションは自分が動かなければ現れない。そして、そのミッションにぶつかるまでに自分自身もきちんと成長しておかなければミッションをクリアできない。

人間は元の素質だけで自分を活かすことはできない。自分を活かしたいなら活かしたい方向と能力向上の努力の手を決して緩めてはいけない。

ツムツムはこんなことを教えてくれるのである。

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