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継承と帰還。宮崎駿と庵野秀明。

2023年。
今年、何の因果か、
宮崎駿と、庵野秀明の映画が公開された。

ナウシカで巨神兵を描き、
新世紀エヴァンゲリオンで時代を築いた、庵野秀明。

日テレと提携したことで商業的に成功し、
千と千尋で、スタジオジブリを世界に轟かした、宮崎駿。

20年前の世紀末では、
だからみんな死ねばいいのに、エヴァと
生きろ、もののけ姫だったが、

シンエヴァシリーズ完結させ、
さようなら全てのエヴァンゲリオンとして、慈愛と感謝を伝えたり、
宮﨑駿としてのクリエイター、最後として、
生きねばと、風立ちぬで、自分だけの空に飛び立った。

そんな両者が、今年、更に、
継承をテーマとして、
一番好きな仮面ライダーをリブートして創ったり、
感銘を受けた作品から、
半生を綴り、君たちはどう生きるかを創っている。

庵野秀明は、当時好きだった作品を、
良くも悪くも、自分好みでリブートしたり、
宮崎駿は、自身の今までの作品を振り返りながら、
自分だけの石を、更に次世代へ受け継がせている。

それは、両者が、成功や挫折、絶賛や批評等、
様々なことを、経験した上で、1周して、
また、本来の自分に、戻った、還ってきた印象を受ける。

庵野秀明は、元々オタク気質で、
この話のここが好きや、この偶然性が好きといった、
特撮、アニメ、漫画に、世間とは違う偏愛を持つ方で、
一人で創ったり、想像したりする方が好きな方。

宮崎駿は、手塚治虫に憧れるも、
アニメーターの道に入り、芸術や童話、世界のアニメに関心を持ち、
高畑勲などの師匠から、技法を模倣し、
受け継ぎ、チームで、育てていく方。

それが、今年発表した作品に、色濃く出ている。

シン仮面ライダー、君たちはどう生きるかは、
一見すると、難解で、一般的には批評が多く、
「つまらない」かもしれない。
でも、もう、この二人は、この次元を越えて、
本来の自分に還っており、次世代が、既に、この背中を追っている。

自分の道を振り返り、そして、還っていく。
そして、その背中を、次世代が追い、受け継いでいく。

そんな、時代の変革を感じた、今年の二作品でした。

時代を創った者と、それを受け継ぐ者。
これからも、日本のアニメに期待しながら、

自分自身も、この二人に、受け継がれた身として、
明日も、ミレーのように、未来に、種をまいていきましょう。

いつか、その種が、また、次世代が生まれ、
新たな時代を創っていくのを、楽しみにしていきながら。

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