義母も女だと思ったとき(その10)

義母と同居していた7か月でパシールは10キロも痩せてしまった。

デイケアセンターに義母が行っている間、水泳と格闘技系のダンスを習っていた。

恐らく、あの激しいスポーツが痩せた原因だったと思う。

でも、あの頃パシールは辛かった。

それは義母の面倒を看ることではなく、デイケアセンター関係者や親戚がちが入れ替わり立ち代わり、自宅に来ることだった。


とにかく落ち着けないのだ。


当時チワワを5匹飼っており、義母が動物嫌いのために犬たちと居間でくつろげなくなったこともストレスの一つだった。

ところで、あまり記憶がないのは義母のオムツ替えだ。

介護と聞けばオムツ替えのイメージがあるかもしれない。

しかし、義母はオムツをしていてもトイレには一人で行ってくれていた。

おかげで、あまりオムツ替えに煩わされることが無かったのだ。

とは言え、連れもパシールも何度か、義母のオムツ替えをさせてもらったことはある。

介護士の人たちにオムツ替えをしてもらうのは平気でも、連れやパシールにしてもらうのは恥ずかしそうだった。


誰もオムツ替えなどして欲しいわけがない。


常日頃から「私はね、誰にも迷惑を掛けたくないのよ。もう欲しいモノはないし、この世に未練はないのよ。」

と言っていた義母だったが、大好きなメロンだけは美味しそうに食べていた。

🐶本日もいそろくさんのイラストを使わせていただきました🌸


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