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【問題】なぜ漢字の四は、4本線では無いのか ?

質問です。
1は漢字にすると一
2は漢字にすると二
3は漢字にすると三
ところが、
4は漢字にすると四です。
 
なぜ、横棒4本では無いのでしょうか?


四は、元々は横棒4本でした。ところが、時を経て、現在の形に変わったと言われています。漢字辞典『漢字源』(1988年初版・学研)および『漢語新辞典』(2001年初版・大修館書店)等によれば、四は、数字の4のみならず、四方へ分散するという意味も持ちます。そのため、口の中に歯・舌の見える様子をかたどった「四」という漢字を用いて、口から出た息がバラバラと分かれることを表しています。

四の音読み「しー」と発音するときの口の形でもありますね

私は趣味でイラスト漢字辞典を作っています。漢字ひとつひとつの形が、どうしてどのような形なのか、成り立ち・由来を解説するコンテンツをインスタグラムで公開しています。

https://www.instagram.com/ricco1116/?hl=ja

今日は、私が今まで紹介した漢字の中でも、イチオシの漢字を3つご紹介し
ます。


オススメその1:五

 
四に引き続き、漢数字の五の成り立ちをご紹介します。五は、なぜ横棒5本では無いのか。「四」に続き、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
上述の漢語新辞典によれば、五という漢字の上の横棒は「天」を、下の横棒
は「地」を表します。天地を表す2本の横棒に、天地をつなぐ線を入れることで、天地間を交互に作用する5つの元素(木・火・土・金・水)を表しているのです。

上の画像は、インスタ漢字辞典の「五」解説ページ。

 「五」は少ない画数の漢字ですが、この小さな漢字のなかに、この世界を構成し、動かしている壮大なダイナミズムが秘められているのです。
 

オススメその2:企


 
次に注目したいのは、企(くわだ-てる)という漢字です。この漢字の成り立ちのストーリーには、現代を生きる私たちにヒントを与えてくれる教えが含まれています。
 
この漢字は「人」という漢字と「止」という漢字で出来ています。「止」という漢字は、人が空を見上げながらぼーっと休んでいる様子を象っています。
 
かつてのGoogle の20%ルール、3Mの15%カルチャー然り、現代のビジネスの文脈でも、何かを企てアイデアを出すためのTipsとして、あえて「目の前の仕事をしない」こと、あるいは自分の好きなことをしてみることの重要性は指摘されていますよね。企業のルール以外にも、ぼーっとしてみたり、バッファの時間を作ることを推奨する論調がありますが、このように余白をあえて取ることで、ひらめきや想像、アイデアにつながるという教えは、実は何千年前も前にできた漢字の中に既に示されているのです。こうした先人たちの残したヒントが、もしかするとまだまだ他にもあるかもしれないですね。
 

オススメその3:仁


 
仁という漢字は、人偏に「二」と書きますね。シンプルな構造ですが、思いやり・情け・慈しみ・親しみ・人の心・恵み育てることなど、様々な意味をもちます。これは、人間が二人いると書いて、その二人の間に生まれるものから派生した意味になります。ちなみに、マイナーな意味としては、実(果実の核中にあり、やがて芽となる部分)という意味もあります。杏仁豆腐の仁はその意味で使われています。



 
人が二人いれば、憎しみや恨み、嫉みなんかも生まれるでしょう。しかし「仁」はそういった人の負の側面ではなく、ポジティブな情にフォーカスを当てる、前向きな人間観を持っているんです。素敵ですね。
 


以上、#私のイチオシ の漢字3選でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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