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「『恋愛したい』がわからない」についての考察(その2:恋とは何か)

【その1はこちら】


そもそも、わたしにとって恋とは何なのだろう。

「恋」という単語から、私が真っ先に連想するのはアイドルだ。
ジャニーズのアイドルを初めて好きになったのは小学6年生の時だった。
テレビの画面に映るその人を見て、一目で「この人だ!」と感じた。いわゆる「ビビッときた」というやつだ。
それから6、7年くらいずっと同じ人が好きだった。

環境が変わるにつれてその人への気持ちは次第にフェードアウトしていったが、それから数年後にまた別のアイドルを好きになった。
その時もやはり一目見た瞬間に好きになった。「ギャッ」と目をつぶされたような衝撃を受け、そのままずぶずぶとハマっていった。

一方、身近な人間に対して「ビビッときた」ことはないように思う。
アイドルに感じた「この人だ!」と同等またはそれ以上の気持ちを、身近で接してきた人間に対して持ったことはない。
どちらかといえば好もしい、とか、この人はちょっとな、くらいの気持ちはあるが、好きな度合いを表すメーターがあるのならば、その振れ幅が圧倒的に違う。

とはいえ、わたしがジャニーズのアイドルにビビッときたのは、言ってしまえば容姿がスーパー好みだからである。
初めて見た時に内面なぞわかるわけがないのだから。
そして、そのような人が身近に都合よくほいほい現れるわけはない。

穏やかに始まる恋はたくさんあるだろう。
だが幼い頃にテレビの向こうの彼への一目惚れが長年続いたせいか、わたしにとっては「この人だ!」「ビビッときた」が、いつのまにかそのまま恋の代名詞となってしまったのかもしれない。


(つづく)


ありがとうございます。