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目から鱗の哲学書に出会う


「暇と退屈の倫理学」が面白い。

面白い、というか目が離せない。哲学書だから一見小難しい見た目をしている。でも不思議なことにとても興味深い。


モヤモヤと自分の中に抱え込んでいて、ふいに湧き出てくる不安や焦りの正体がわかる感じ。
まだ途中までしか読めていないのだけど、一つ一つの章を読むごとに、本当に改めて自分のこと、今の世の中のことをきちんと見つめ直さなきゃと、目が覚める気持ちになる。


例えば、今の世の中、供給側が需要を操作しているというはなし。
私たちの「好きなもの」は、生産者が生産者の都合のよいように、先に用意しているものによって、作り出されているかもしれないということ。そのことが頭から離れなくなり、例のごとく朝方、半分起きてる状態でずっと考え続けてしまった。


思わず、線を引いてしまった箇所もある。

家電の世界はだいたい半年で新製品が出てくる。ただ食物を冷やしておけば良い冷蔵庫に関して、それほど頻繁なモデルチェンジが可能であるとは思えない。大幅な省エネシステムが考案されたというのなら分かる。しかしそんな技術革新が半年に一回も起こるわけがない。要するに、必要のないモデルチェンジを企業も強いられているのである。モデルチェンジしなければ売れないから、仕方なく新しいモデルの冷蔵庫を「開発」しているのだ。

暇と退屈の経済史より


携帯電話に関する記述なんて、まさに!

数ある製品のなかでも、特に激しいモデルチェンジを繰り返しているのは携帯電話である。そのモデルチェンジのスピードたるやすさまじい。絶えざるモデルチェンジによってしか消費者の目を引くことができなくなっている。

暇と退屈の経済史より


それが当たり前と思ってしまっていたな…


興奮して、夫に話したら
そんなことに今まで気づかずにいるなんて、と言われてしまったけれど(笑)


このような世の中になっているから、時間に余裕ができたり、好きなことができるようになっているはずなのに、現代に生きるわたしたちは、不幸になっている、という説明につながっていく…
幸せになるために、豊かさを目指して生きてきたはずなのに。


そんなわけで、いちいち感心してしまうものだから、ゆっくりじっくり読んでいる。



さて、そんな今日は健康診断の日で、採血やら、筋肉注射やら、バリウムやら、下剤やらで、今もお腹が痛い。検査のためとはいえ、結構身体には負担だと思う…


明日は仕事だから、お腹の調子、今夜中に戻ってくれたらいいな。





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