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村上春樹 3

▪️村上春樹 3

作家の村上春樹氏が、或るエッセイでこのように書いている。
村上氏は早稲田大学在学中に結婚、そしてBARを開いた。
その時に感じたことだそうだ。

***

店にはたくさんの客がやってくる。
その十人に一人が「なかなか良い店だな。気に入った。また来よう」と
思ってくれればそれでいい。
十人のうちの一人がリピーターになってくれれば、経営はなりたっていく。
逆に言えば、十人のうちの九人に気に入ってもらえなくても、
べつにかまわないわけだ。
そう考えると気が楽になる。
しかしその「一人」には確実に、とことん気に入ってもらう必要がある。
そして、そのためには経営者は、明確な姿勢と哲学のようなものを
旗じるしとして掲げ、それを辛抱強く、
風雨に耐えて維持していかなくてはならない。
それが店の経営から身をもって学んだことだった。

***
(ここからササピー)

僕も全く同感である。
全員に気に入って(心底)もらうことなんて無理だと思うし、
全員がリピーターの可能性を有しているかと言えば、
そんなことは無い。
ほとんどの人は、1回だけ泊ってみたという願望でやってくる。
また、女性に言われてやってくる人もいるだろう。
そんな中から、この方はリピーターになるのでは・・・
という人を見つけ、信頼関係を構築し、そして次回またお越しいただいた際には
更にその関係を太くする為の努力を惜しんではならないんだと思う。
とことん気に入ってもらう為には、相手が何を求めているのかを察知し、
そこを追求していくしか方法は無いと思う。
難しく言っても、簡単に言ってもそういうことだと思っている。
相手の懐に入ることが出来るかどうかなのだ。
この商売を30年以上続けているが、これは決して簡単なことでは無い。
むしろ難しいことなんだと思う。
サイコロジーの世界でもある。
それゆえに、とことん気に入ってもらった場合に感じる
「冥利」というのは何ものにも変えがたい大きなものなのである。
なぜならば、「とことん気に入った」というのは追求していくと、
最終的には「人」つまり「僕」を気に入ってくれたということに
なるからである。

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