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【ピアノ初心者の30代サラリーマンがコンクールに出場するまで】①~出会い編~


これは音楽と無縁の30代のしがないサラリーマンが、ピアノコンクールに出場するまでのお話…


突然だが、「クラシック音楽」というとどんなイメージだろうか?

曲は知らずとも、バッハ、ベートーヴェン、ショパン等、有名な作曲家が思い浮かぶのでは。音楽の授業では絶対に取り上げられる偉人である。
CMやドラマ、映画は勿論のこと、思い返すと幼稚園の運動会、小学校の掃除時間、下校時、部活の応援歌、などなど….今となっては「あれもクラシックか!」というくらい身近な存在である事は言うまでもないでしょう。

そんな私が本格的にクラシック音楽を聴いたのは、高校1年生の時。
当時の音楽の学期末テストは、各自好きな楽器を使って自由演奏というものだった。当時仲が良かった友達と2人ペアを組み、何故かベートーヴェンの「運命」を2人で連弾(途中まで)する事に。
歌でもギターでも何でも良かったが、楽器も曲もすんなり決まった。但し2人してピアノ未経験な上、遅刻、居眠り常習犯、サボり魔。ロクに努力も出来ないダメ生徒の典型例。

今思えば狂気の沙汰である。

早速先生から初心者用にアレンジされた楽譜を入手し、自分のパートであるト音全てにド、レ、ミ、と音を書き込む。家にあった妹の電子ピアノで1音ずつ弾きながら覚える練習を繰り返す日々。

迎えた本番当日。
「あいつら大丈夫か?」という空気の中、発表会がスタート。
相方の練習不足を憂慮していたが、不安は的中。7,8小節くらい弾いたところで膝に手を置いて大人しく下を向いていた。後から聞くと飛んだというより練習していなかったのだ…

一瞬時が止まったが、その後つまずきながらも自分1人で最後までやり切った。授業後、ヘラヘラして謝罪する相方に説教したのを覚えている。

この努力?を評価されてか、音楽の成績は5段階評価の5を取得。
ちなみに翌年も同じ相方とペアを組み、ビートルズのLet it beを連弾で披露することに。懲りない二人。
尚、再び相方の練習不足により、途中から自分のメロディーのみに。

何だかんだで、好きなことをさせてくれた音楽の先生、そして組んでくれた相方の石田には感謝。
石田…元気にしているだろうか。

時は過ぎ、3年生後半の大学受験シーズン。
発表会以降、家で音楽を聴くことは殆ど無かったが、CDコンポを買ったのを機にゲオでクラシック音楽のコンピレーションアルバムをよく借りていた。「名曲集」「集中したい時に聞く曲」「癒しのピアノ」などなど。

クラシックを聴きながら勉強すると何故か集中出来た気がする。歌詞が無く口ずさむことが無い為?脳波に影響?

勉強の甲斐あって、無事第一志望の大学に合格。
大学入学後も、試験や資格の勉強で集中したい時は、よくクラシック音楽を聴いていた。オケの壮大な響きに引き込まれたり、ピアノの音色に癒されたり。
思えば、高校時代から吹奏楽が好きだった。始業式等の集まりで演奏する時は食い入るように見ていた。(本当は当時好きな子が居たからという不純な動機があった事は否めない)

この頃から、音楽や楽器に興味や関心があったのかもしれない。

社会人になると、吹奏楽を聴く機会は勿論、クラシック音楽に触れる事が無くなった。
会社の宴会で上司に喜んで貰えるよう、家で聞くのは専ら昭和歌謡ばかり。

そんな日々が過ぎ、社会人3年目の9月にヨーロッパへの一人旅へ。
行先はチェコ、オーストリア、ギリシャ。そしてオーストリアのウィーンで人生を変えたと言っても過言ではない、運命的な出会いを果たすのであった。


運命のお兄さん



次へ続く…

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