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佐孤くんったらー!

佐孤くんったらー!

「もう、佐孤くんったら!先々行かないで欲しいな。ね!聞いてる?佐孤くん?無視しないでよー!ムムム、もう佐孤くんなんか私知らない。もう怒ったから。」とずっと背後でわちゃわちゃ言ってる女の子は浅木朋美(あさき ともみ)僕と同じ中学3年生だ。「どうしたのよ。朋美、僕は今すっごく急いでるんだけどな。」と、少し腹が立ったので怒り気味に聞く。「先生が赤点なのに補修に来なかったから今すごくカンカンだよ。佐孤くん早く行かないと本当に先生に怒られちゃうよ?」
「え、あー、赤点なのに取って補修に行かないのはあかんってな?ww」何を言っているんだろう。僕は。恥ず!
「え?何?赤点とあかんをかけてるの?うわー、本当に寒いんだけど。今夏だよね?ここ絶対零度だわ。それより、早く自分のクラスに行かないと!」そうだった早く行かないと。やばい本当に怒られるかも!急いで行かなきゃ!とスッタラタと廊下を急いではしってきょうしつにいくそしたら案の定先生に本気で怒られる。
「佐孤くん何してたの?今日3時から補習がありますよとしっかり伝えましたよね?なんで来ないんですか?理由を教えてください。あなたはあと半年と少しで受験があるですよ?いきたい高校に行けるように今からでも勉強はしないといけませんよ。さぁ、早く筆記用具を出して机に向かってください。」と先生はかなり怒っているようだ。やらかしてしまったな。わからない問題を先生と一緒に解く。「そしてここのxが3になってここに代入するとy=2となるんですよ。わかりましたか?それではもう終わったので帰っていいですよ。私は仕事があるので職員室にいますので最後に鍵を閉めていってくださいね。鍵を渡しときますね。」といって鍵を手渡してくる先生。仕事があるなら仕方ないなと思いつつ少し面倒だななどと思う。そして、先生が職員室に行ったら「やっほー、補習終わったんだ。終わったなら2人で遊べるね。えへへ」と浅木が背後にいた。「なんだ、浅木か。そうだな。でもあいにく僕はここの教室を閉めてこの鍵を補修の先生のもとに届けなくてはならない!浅木くんついてきてくれるよね?」と優しいお爺ちゃんのような口調で尋ねる。「もちろんついていきます!」と元気よく答えてくれる。浅木は僕が学校で唯一話せる人なんだ。僕は学校でく一匹狼のような感じだ。要するにぼったという事。学校自体は勉強するためなので友達などいらぬ!と思っていたけどやっぱり体は素直でいつも暗い表情をしていた。それをみてまた、周りからは避けられるという悪循環。そんな僕に浅木は話しかけてくれた。僕が1人で本を読んでいると。「ねね。佐孤くんたっけ?仲良くしよー!私の名前はね浅木 朋美っていうの!よろしくね。てか、何の本読んでるの?もしかして学校で堂々とエロ本読んでたりしてるの?wさすがにそんなことはしないよね。」と、かなりのだる絡みをしてきた。第一印象は(何だこいつ。変な絡み方してきて。僕なんかに話しかけるとか変なやつだな。)などと思っていた。でも、無視するのもよくないから…「あー?これ。これはね『乙女ちゃんの日常話』っていうライトノベルって言われるジャンルの本だよ。結構面白いから読んでみる?」と読んでいた本の紹介をした。すると引かれるかななどと思っていたが「え!面白いんだ。なら読んでみようかな。どんな話?」と僕の趣味が肯定された。こんなこと初めて。いつも、うわー、気持ち悪などと言われてきたからこんな反応は意外だった。嬉しいな。こんなことされたら。「あー、これはね男子中学生と女子の淡い恋の物語だよ。僕の理想の恋愛が描かれているんだよね。だから、この人早乙女渚っていう作家さんは面白いんだよ。これの原作はね「流星の降る恋夜空の下での青い約束」ってらいうんだけどそこで出てくるキャラに視点を当てているんだよね。読んでみたら?!」とオタク特有の早口で説明する。「へぇ、そうなんだこの作家さん私もちょっと読んだことあるけど面白いよね。独特なんだよ。世界観というか。でも、この人中学生なんでしょ?だから語彙力は終わってるけどね。」と浅木も知っていたようだ。この本の作者の唯一の短所を知っているようだ。これを知っているのはコアなファンだけ。ということは浅木はかなりラノベを読むということかな?だとしたら絶対仲良くなりたいな。そして顔を上げる。美しい黒髪にシュッとした目。でもしっかり瞳孔が開いていて僕に興味深々のようだ。そして、体型は…結構いいな。僕のタイプだ。
「そういえばキミの下の名前って何なの?佐孤くんって苗字しかわからないよ。よかったら名前も教えて欲しいな。」と名前を聞いてくる。が、僕は名前がダサいのであまり人には言いたくない。いうとしても1番仲のいい親友だけに言いたいのだ。
「ごめん。名前を教えるのが恥ずかしい。ごめんね。」と謝罪する。僕の名前はいわゆるキラキラネームというやつなので。だから、この名前をつけた親も少し恨んでしまっている節があるのだ。だから、恥ずかしいので下の名前は言いたくない。という理由があるので名前は教えたくないのだ。キラキラネームというのは辛いこともあるのだよ。「えー、知りたいけど無理矢理聞くのはよくないから今日は諦めとくね。」と無理矢理は聞かないでくれた。もう惚れそう。なんてことを思っていたら教室には僕ら2人だけになっていた。せっかくなので一緒に家に帰ることになった。初めて女子と帰るからかなり緊張している。
「それでさ、佐孤くん。」
「きみ、実は年上でしょ?」
僕はその言葉に固まってしまう。

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