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波間の宝石💎

夏といえば夏休み。夏休みといえば海。

海が好きかと聞かれたら、見るのは好きだけど飛び込むのは苦手。

海で好きなのは砂浜で見つける貝殻やシーグラス。

そして波音。

夏休み、小学校時代から高校2年までは家族で父の田舎へ帰省するのが我が家の年中行事の1つだった。

車を所有していない我が家は、自宅からバスで最寄駅→主要駅→夜行列車→普通列車→タクシー→祖父母の家。

このようになかなかハードな行程を経て帰省していたわけです。
我が家は自営業でしたので、土日祝日、GW、年末年始(年末はギリギリまで仕事、年始は三ヶ日開けてすぐ仕事)は休み無し。

唯一世の中とズレた日程で、一週間の帰省という名の長期休暇を家族で過ごしていたのが子どもの夏休みなのです。

その中で遊びの中心が「海」

なのですが、世の中とズレた休みなので、お盆真っ只中。海にはクラゲがぷかぷか浮いているのが目視できる量、発生している時期。

それでも「1年に1回海に浸かると病気をしない」
という迷信を掲げて海に走り込むのです。

帰省の際に行く海は山奥の祖父母の家からタクシーで最寄りの終着駅へ行き、その奥に広がっていました。

駅舎の横から勝手に土手をおりると既に汐の香りが鼻に届きます。その香りに気づいて顔を上げると、もう海は見えていました。

駅のタクシー乗り場付近は過疎化が進んでいて、駅裏の海には誰も来ません。まさにプライベートビーチ。その立地からは考えられない位の閑古鳥。

なのでいつも我が家のプライベートビーチとして勝手に使っていました。

ちょうど岩場に囲まれた砂浜と海なので、とても綺麗で、砂浜もゴミで汚れることがなく、海の中も透明度が高くて、太陽の陽をあびて、キラキラしていました。

日本海の遠浅の海は、結構な距離を歩いて沖まで行けたと記憶しています。

弟は何が面白いのか、ぷかぷか浮かぶミズクラゲを捕まえては浜辺に放り上げることをくり返していました……。

私はたいてい浜辺を歩いて貝殻拾い。シーグラスもたくさんあって、集めて夏休みの自由研究にしていました。

遊び尽くして帰る時間となると……

海の家もなく、シャワーもありませんので、海の汐と砂浜の砂を体にはりつけたまま服を着て、タクシーに乗り、祖父母の家へ戻って、まずは頭から水をかぶって砂を落としたあと、祖母が用意してくれた五右衛門風呂に入るのです。

日に焼けた肌に山の水は冷たく、肌がピリピリ。夏なのに寒い。

その状態で五右衛門風呂。早く入りたいのに、入り方を間違えると熱いどころではないので、集中して入浴していました。

一週間の滞在期間のうち2・3回は海に行くので、帰宅するとまんべんなく黒く日焼けしていました。

高校3年からは受験もあり、帰省をやめると、それからは祖父母の家へ行くことはなくなりましたが、父が弟だけ連れて帰ることはありました。

それはそれでたくさんのお土産があって嬉しかったです。

夏の海。

私の知る夏の海と浜辺は家族以外誰もいない、静かにゆったり過ごせるリゾートの海。
海外へ行かなくても、日本海側の海は透き通るような透明度で、小魚がヒラヒラと泳ぎ、海藻が揺れ、砂浜の砂は、海の中をどこまでも白く広がっていました。


#わたしと海

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