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中国の斎場

中国の友人から聞いた話。彼女は昔から「見える」人だったのだが葬儀場で体験した不思議な話を語ってくれた。まだ彼女が幼かった頃、親戚の葬儀で中国の斎場に行ったそうだ。葬儀ホールで周りに親戚がいる中、ホールの奥のお札を燃やす場所(中国では故人の為に紙のお金を燃やす風習がある。燃やす量は多ければ多いほど良い。)に向かって歩いて行く母親を目にした。なぜ母親だと思ったかというと、その日の母親と同じ服装だったからだそうだ。その人影を追いかけて奥のスペースに行くと、そこには誰もいないことに気づいた。母はホールの反対側で親戚と話をしていたそうだ。

また、同じ斎場のトイレの入り口の扉が閉まる時、そこに中国の伝統的な靴を履いた「一対の足」が見えることがあった。誰かがその扉を開けるたびに、近くの鏡からそれを何度か見たという。決まって同じ扉だったそうだ。

また、彼女の家族は亡くなった親戚を「守る」為に斎場に一泊することにしたのだが、一晩中パブリックエリアを往来する沢山の人影を目にしたという。なぜかは分からないが、多くの霊は故人のために用意された「花立て」の後ろに隠れるのを楽しんでいたそうだ。良い匂いがするからだろうか。とにかくその斎場は彼女が今まで見てきた中で一番「賑やか」な場所だったそうだ。

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