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大学生のサークル活動 in コロナ禍

今日は大学生のサークル活動に関するネットニュースを見たので、それについて思うことを書いていきます。


①コロナ禍における大学生のサークル活動時間

まずはこちらのネットニュースをご覧ください。

これは文科省の2021年度の調査で、平均的な1週間のうち部活動やサークル活動に充てる時間が「0時間」だった学生が69%に上りました。つまり、だいたい10人に7人がサークル活動を行っていない、ということです。新型コロナウイルスの影響でサークル活動の制限があったことが分かります。
それでは、それ以前はどうだったのか。コロナ禍以前の2019年度調査では、1週間のうち部活動やサークル活動の時間が「0時間」だった学生は56%であり、2021年度はコロナの影響により13ポイント増えています。

・・・ん?あれ?
なんか思ったより以前からそんなに活動していないもんだな、というのが私の正直な感想です。

②コロナ禍における大学生のサークル加入率

それでは、サークルの加入率はどうでしょうか。今度はこちらをご覧ください。

第57回学生生活実態調査サークル加入状況
(調査実施時期:2021年10~11月)

こちらは全国大学生協連が毎年秋に調査している大学生の奨学金やアルバイト、サークルなど暮らしに関することを調査した結果です。
この中にあるサークルの加入状況を見ると、2020年度の1年生は明らかに新型コロナウイルスの影響を受けた結果が見れます。しかし、2021年度はだいぶ数字を戻してきています。また、2021年度の2年生を見てわかる通り、2020年に入れなかったものの翌年サークルに加入した、という状況が見受けられます。
そして3~4年生については、そこまで大きな影響を感じさせない数値となりました。そりゃ既に加入していれば大きな影響は無いですね。

③実際の大学生の状況

最初のサークル活動時間のネットニュースから、私はサークルの加入率などが気になって色々調べたわけですが、実際に大学生と触れ合ってそうしたものを実感することがありました。
まずは、大学職員を志望している大学生と面談していて、2年生から部活動を始めた学生がいました。「え、なんで2年生から?」と思いましたが、直後コロナの影響で最初から加入する機会が無かったのか、と気づきました。
他の学生では、コロナの影響によりサークルに加入するきっかけを失って、そのまま大学3年生になり、もう今更という感じで結局何にも加入しなかった、という大学生もいました。むしろこうした学生はある程度いるのではないでしょうか。
せっかく華やかな大学生活を思い描いて入学したにも関わらず、思ったような学生生活を送れていない大学生には同情するしかありません。

余談ですが、私が学生の頃はサークルに所属していませんでした。あのノリがどうしても好きになれず、何が面白くて意味もなくワイワイ騒いでいるのだろうと思っていました。最初から私には華やかな大学生活なんてありませんでした。
郷に入っては郷に従え」たいして能力もないものは長いものに巻かれましょう。その方が社会で無難に生きれます。

④こうした状況から見る大学生の懸念点

サークル活動なんて無くても学生の本分は勉強!という人もいるかもしれません。確かに大学生の勉強時間はコロナ禍以前よりも増えています。

対面授業ができなくなった影響でオンライン授業となり、その学修成果を評価するためにも毎回の授業で課題を出す授業が増えたり、期末試験が減ってその分レポート課題が増えたりと、教務にいる立場としては最近の学生は勉強時間や課題に取り組む量が以前よりも増えたなあ、と感じています。
ただし、社会に出て必要なコミュニケーション能力や主体性といった学修では測れないものは、サークル活動やアルバイトといった正課外の活動で身につくことが大いにあります。つまり、私の懸念としては、コロナ禍の大学生はコミュニケーション能力が以前の大学生よりも低下してしまうのではないか、ということです。人間関係のトラブルや組織の課題というのは、そういった所で直面し、考えて解決していきます。そうした部分が無くなってしまうと、人との関わり合いに対してあまり経験がないまま社会に出ることになります。今の社会を形成している大卒の人たちは、だいたいがサークル活動やアルバイトを学生時代に経験し、良い思いも悪い思いもしてきたと思います。そうした経験値がその人のパーソナリティを形成しています。コロナ禍の大学生には、学生時代にそうした人との関わり合いでの経験値が少ないため、今の社会人たちとはまた違った学生生活を送っています。
社会人の方々には、ぜひともそうした部分に理解をしてした上で新卒で入社してきた新人たちを教育してほしいと思います。


まとめ・おわりに

いかがでしょうか?
今日は大学生のコロナ禍におけるサークル活動から、制限を受けた学生たちにどういった影響が考えられるかを書いてきました。
こうしたどうしようもない状況に置かれている学生たちに、せめてものお手伝いとして最近では就活支援を行っています。このような状況を経験したからこそ、他の世代とは違う能力・考え方を活かして新たな世代を築いていってもらいたいと願っています。
今回の記事が大学職員を目指している人に少しでも貢献できれば幸いです。

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