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コトバ体操

これは、ゲーム感覚で言葉を使って新しい感覚を共創していくエクササイズです。

私たちは普段、日常生活の中で様々な感覚を感じていますが、その中で知覚に意識されるものもごく一部で、小さなことはほとんどは忘れられています。
自分の身体感覚を細かく言葉に置き換えることができれば、日常のささやかな動きを記憶し、豊かな感受性を得られるかもしれません。
なぜなら、スポーツやダンス、マッサージやボディワークの分野では、感覚を表現する方法がたくさんあり、それらの言葉をトレーニングや治癒以外の使い道があるからです。

タイトル / Title:
コトバ体操

人数 / Number of people:
3人以上/1人でもできる

広さ / Space size:
手がぶつからない程度の広さ

準備するもの:
三色の付箋を準備する。
1, ピンク「副詞カード」 擬態語を1枚書く
あらあら、いちゃいちゃ、うかうか、おいおい、かさかさ、わくわく、など
2, 黄色「動詞カード」 動詞を1枚書く
歩く、飛ぶ、落ちる、沈む、浮かぶ、ひねる、流れる、止まる、など
3,水色「名詞カード」 身体の部位を1枚書く、もしくは以下のもの13枚を用意する。
「からだ、胸、腹、おしり、脚、膝、手、肘、目、鼻、口、耳」
4, 短冊状の助詞カードを2枚作ります。以下の文字を縦に書きます。
「を / に / が / と / より / で / から / の / へ / や 」

セッション1: 副詞カードを表現してみよう

自分が書いたカードを体で表現して、グループ内で擬態語のあてっこをしてみましょう。
同じ言葉でも隣の人は違う表現を想像する人がいます。着目点などをシェアしましょう。

セッション2: 動詞を加えて動いてみよう

先ほどの副詞カードに動詞カードを加えてカードの文を身体で表してみましょう。
組み合わせを変えて、どんな動きになるかディスカッションしましょう。

セッション3: 名詞を足して作文してみよう

3人で名詞役、副詞役、動詞役に分かれ、適当に選んだカードを「せーの!」で出します。
カードの間に助詞カードを入れて文を調節します。
助詞カードは縦スライドさせると様々な意味がつくれます。
助詞の選び方でおかしな文章が出来上がりますが、想像力をたくましくして、身体で試してみましょう。


ある言葉について複数の人が議論すると、自分が考えていたイメージや動きと一致する言葉と、一致しない言葉があることが明らかになる。これは、コモンセンス(社会通念)とパーソナルセンス(個人感覚)は決して同じではないことを示しているでしょう。
自分らしさであるとも言える、自分だけが感じている感覚を深掘りしていくと、個人的な生活環境や歴史が関わっていることが多く、それを辿っていくと、共通でなかったものが共通になっていくポイントが見えてくるのでしょう。
アーティストとは、その感覚に至る道筋をつくる仕事だと言ってもいいでしょう。このコトバ体操で、自分だけのセンスを見つけ、そこからそのセンスの特徴を考えるきっかけを作ることができると思います。

また工夫として、日本語は、動詞を補助するのが副詞で、名詞を補助するのが形容詞です。副詞は擬態語などが含まれ、形容詞は擬音語などが含まれます。今回は副詞を使いましたが、形容詞を用いることもでき、擬音語も含まれます。擬態語は動きの質を表すのに対して、擬音語は「ふわふわ」とか「つるつる」といったモノの質の表現します。ゲームとしていろいろな組み合わせを考えて、新しい体操を工夫してください。

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