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【ゲキ✖️シネ】『ZIPANG PUNK 五右衛門ロックIII』で楽しそうな春馬君を観て元気になろう!

舞台で弾ける春馬君を観たくて、毎度お馴染み秋葉原へLet’s go!
何回も言ってますが、ありがとうドリパス様。
いや、ドリパス様もきっと「ありがとう春馬君」って言ってる気がします。
それくらい、毎週秋葉原では、春馬君祭り状態で、いろんな作品が復活上映され、満席なのですから。

最近では、映画化されている作品なら、いつか必ず秋葉原で観られる!という妙な安心感があります。本当にありがたい事です。

さて、今回観てきたのは、劇団⭐︎新感線のゲキ✖️シネ『JIPANG PUNK 五右衛門ロックIII』。

タイトル長いよ!
誤字脱字大魔王の私には辛いよ!な作品(笑
お久しぶりの劇団⭐︎新感線。
初めてのゲキ✖️シネ。
春馬君のキラリン。
山盛りてんこ盛りでレビューしてみたいと思います。

劇団⭐︎新感線✖️春馬君の化学反応

劇団⭐︎新感線いつぶりだろう?と思って調べたら、おそらく25年ぶりくらいでした。
ただし、劇団⭐︎新感線の作品は、いろんなところで別のカンパニーが上演してまして、直近では、とある高校のミュージカル公演で観たりしています。

劇団⭐︎新感線の作品の特徴は、とにかく台詞や歌詞など、言葉数がやたら多いこと。つまり、説明が多い。
心情にしろ、状況にしろ、一から十まで、いや一から十二くらいまで説明してくれる。

1980年代に隆盛を極めた学生演劇の劇団の中でも、大阪にルーツのある劇団ならではの台詞回し、ボケとツッコミというか、ノリが独特なのです。吉本新喜劇にも通じるところがあると思うのは、関西のカルチャーを十把一絡げにしがちな、東京目線なのかもしれませんが、やはりあのテイストは、けして東京からは出てこないよなぁと思います。

そんなわけで、劇団⭐︎新感線の世界観は、好き嫌いは別れるところだと思います。
言葉数が多すぎる芝居は、往々にして、作家が役者の演技を信頼していないが故に、全部を自分の言葉で説明しようとして、書いていることがあります。個人的には、そういう作品は、あまり好きではないのですが、劇団⭐︎新感線は別次元の様式美を確立した感があります。

また、劇団⭐︎新感線の作品は、言葉数も多いが、動きも表現も多くて、ひと言でいうなら、全員が多動でハイパーのキャストが繰り広げる「コテコテ」のパフォーマンス。
これでもか、これでもか!まいったか!とホイップクリームマシマシに、さらに追いクリームのハワイアンパンケーキみたいな、パッと見のインパクトは抜群!「うわ〜美味しそう♡!」なのに、食べると例外なく「くどい!」。そして後から必ず消化不良を起こす、タイプの芝居です(全力で褒めてます)

緩急の「急」しかない。なので、観ると正直、疲れる(笑

それゆえに。

不思議なハイパー青年の春馬君には、ぴったりでした。特に舞台の春馬君は、ハイパースイッチ全開になるタイプ。
舞台をやるために生まれてきたような人だなぁと改めて思いました。
劇団⭐︎新感線の様式美にあそこまで、気持ちいいほどハマるとは、予想はしていたけど、予想をはるかに超えていました。

前半の胡散臭ーい、ちゃらちゃらした探偵も、後半の自分の出自と向き合って、お家の遺恨を晴らすために、冷静さを欠いていく様子も、春馬君のハイテンションが、本当にどハマり。

古田新太さんはじめ、コテコテの劇団⭐︎新感線カラーの役者さんに混ざって、違和感なく、それどころかしっかり光る22歳の春馬君。

すごくないですか?

月並みな感想ですみません。
でも、これしか思い浮かびませんでした。

ゲキ✖️シネ『JIPANG PUNK 五右衛門ロックIII』とは

劇団⭐︎新感線にあまり馴染みのない方は、この長いタイトルに驚くと思いますが、このタイトルの長さ(くどさ)も、劇団⭐︎新感線の作品の特徴です。
劇団⭐︎新感線の作品タイトルって、パッと見てパッと頭に入ってこないの私だけ?(笑)

この作品は「III」とついていますので、シリーズ三作目です。
2008年『五右衛門ロック』、2010年『薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive』と来て、2012年に『JIPANG PUNK 五右衛門ロックIII』からの、2014年にゲキ✖️シネ版が制作されました。

ゲキ✖️シネ版は、東京のシアターオーブでの公演なのですが、2012年といえば、シアターオーブが開業した年。
と思って調べたら、なんと、まさかの、数ヶ月間にわたる柿落とし公演シリーズの一角を担っておりまして。
しかも、何がスゴイって、柿落とし公演シリーズは、『ウエストサイドストーリー』をはじめとする、名だたるミュージカルの海外キャストによる来日公演がメインだったにも関わらず、そのラインナップに、この『五右衛門ロックIII』が唯一の日本のカンパニーのミュージカルとして並ぶと言う。。。

つまりシアターオーブで、最初にやった国産ミュージカルが、この作品なのです。

広くて天井高の高いオーブのステージ。
役者のガタイとしては、けして小さくないはずの古田さんや春馬君が小さく見えるくらいの、大きな舞台です。その広い舞台を『五右衛門ロックIII』では、役者たちが走り回って、大立ち回りを繰り広げる。

地方公演も合わせて、のべ13万人を動員した大ヒット作だそうですが、もともと音楽には定評のある『五右衛門ロック』シリーズの作品が、当時の最新設備の整った大劇場での公演となれば、当時の宣伝文句で、「劇団⭐︎新感線史上最大のエンターテイメント」と言われるのもわかる気がします。

この完成度を観ちゃうと、前の2作品も気になるところ。ゲキ✖️シネになってますので、チャンスがあれば見てみたい。
実は、五右衛門モノ、嫌いじゃない。
私の中で、時代劇界最強のファンタジー担当キャラは、五右衛門と弁慶&牛若丸コンビ。
もう、史実なんてどうでもよくて、このキャラが出てくるってだけで、なにかやらかしてくれそう!と、ワクワクします。

しかも古田新太さんの五右衛門って、もう立ってるだけで満点(笑
今まで、何度か舞台で拝見してる古田さんですが、あのカツラがあれほど似合う現代人、なかなかいない気がします。

『五右衛門ロックIII』は、春馬君ファンでなくても、劇団⭐︎新感線ファンでなくても、なんならミュージカルファンでなくても、誰でも楽しめるエンターテイメントなのではないかと思います。

ゲキ✖️シネを企画した人は天才か

私、なんだかとてつもない勘違いをしてまして、ゲキ✖️シネの意味がよくわかっておりませんでした。
私のように、ゲキ✖️シネがなにかわかってない方のために、公式さんの説明をお借りしてみます。

演劇の迫力をスクリーンで体感する《ゲキ×シネ》

エンターテインメント界のトップを走る《劇団☆新感線》の人気舞台を「まるで映画のように楽しめる作品」として、多くの観客に届けるべく映画館で上映するという新しい演劇映像のスタイル。

最新のデジタルシネマの技術を用い、俳優の汗や涙、感情の機微まで体感できるように計算された緻密な映像表現、臨場感を増幅させる繊細でクリアな音響は、想像以上のライブ感と興奮が味わえる。

2004年第1作目の公開から、新感線ファンや演劇ファンのみならず、映画ファンからも支持され、“映画館で楽しむ新たなエンターテインメント”として最新作を待ちわびるファンが急増している。


というわけで、舞台を映画化したという事は理解していましたが、作品そのものが、はじめから映画化する事を想定して制作されている。ここ重要。
昨今の流行りのように、舞台をただ映像化するのではなく、映画化のための舞台という作り込みがあるかないか。この違いは大きいなと、しみじみ感じました。

もちろんコテコテの劇団⭐︎新感線ですから、時々挿入される、スーパー(テロップ)なんかのテイストも大きくて力強くて、映画というより、TVのバラエティ番組よりくどく、漫画ちっくです。正直、ややウザい、いや、「らしい」と言うべきか。

また音響の良さは格別で、あの音響のためなら、見ててうざいレベルに巨大なワイヤレスマイクも、あのマイクをつけているのに、おそらく所々口パクなのかな?なところも、不問に伏す事ができます。

そんなこんなも含めて、単なる舞台作品の映像ではなく、舞台作品とは別の映画作品として楽しむという、ものすごい時代の超最先端なコンセプトです。

チケットの取れない劇団⭐︎新感線ならではの発想なのか、ひとつのコンテンツで、稼ぐだけ稼ぐディズニー的な発想なのか、どうせやるならトコトン追求しちゃう関西人のサービス精神なのか。とにかく、さすが大阪商人は違うなぁ、というのを実感しました。

なにしろ、最後に劇団⭐︎新感線の舞台を見たのがゲキ✖️シネが企画される前の時代だったワタクシ。
このゲキ✖️シネの世界観に触れないまま、なぜ、今まで生きてこれたのか、自分でも謎極まりないなと猛省。
これから、機会があったら、また他の作品も見てみたいと思います。その際は、「あえて、ゲキ✖️シネで」という選択肢もありうるな、とすら思いました。

そして、他のカンパニーも、ぜひこの「映像で魅せる舞台」というゲキ✖️シネの映像作りを学んで欲しい。
コンセプトもテクニックも。
エンタメの新しいジャンルとして、もっと広まってくれないかなぁ。

春馬君にとっての明智心九郎とは

春馬君は、この作品が舞台3作目でした。
前2つは、いずれも同じ事務所の先輩がプロデュースする地球ゴージャスの作品。
いわば、身内の作品ですが、そこから飛び出して、初の他流試合が、この『五右衛門ロックIII』です。しかもこの2012年は、年初に地球ゴージャス、年末に『五右衛門ロックIII』と、舞台が2本。まさにこの年から、春馬君の舞台役者としての人生が始まったと言っても過言ではないのかなと思います。

他流試合の一本目が、飛ぶ鳥も落とす勢いのみんな大好き劇団⭐︎新感線。

これは、もう出演が決まった時点でテンション爆上がりだったのは想像に難くない。
共演は新感線の看板役者の古田新太さんをはじめ、実力者ばかり。恋のお相手役の蒼井優さんでも5つ年上だから、春馬君は、メインキャストの中ではダントツ若手ポジションです。

もう、ここで弾けないでどこで弾ける!
百戦錬磨の先輩方の胸を借りて、弾けちゃえ!です。

また、上にも書いたように、この作品はシアターオーブの柿落とし作品。オーブで最初に上演された国産ミュージカルに出演した春馬君が、その3年半後、初演のジャパンキャストのキンキーブーツを引っ提げて凱旋したのは、本当に感慨深いものがあります。

なんといっても、狭い日本を出て、海の向こうを観に行った明智心九郎が、海の向こうのミュージカルのローラを連れて帰ってきたのですから。

ローラもエンジェルたちを連れてたけど、明智心九郎も部下に可愛い女性達を連れている。
最初は謎のハイテンションキャラだけど、本当は自身の中の葛藤と常に戦っている。
孤立したように見えても、やっぱり味方はいて、最後はハッピーエンド。

なんだか、春馬君とシアターオーブの間には不思議なご縁がありそうにも思えてきます。
ま、ただ単に、こう言う作品が似合うんだろうな。きっと。

明智心九郎という役は、とにかくくるくる立場が変わります。
すごく思慮深くクールかと思いきや、熱くてカッとしやすい面もある。
思慮深い方は、演技だという設定だけど、その演技してる心九郎を演じてる春馬君がめっちゃ楽しそう。
楽しそうすぎて、演技に見えない(笑

なので、後半の感情の赴くままに行動するストーリーと、人物像が矛盾してるように感じました。
作り手の意図通りなのか、それともちょっと惜しかったのか、個人的には後者な気もしますが、それも、結局はアクセル全開で全力投球の春馬君のテンションが力技で吹き飛ばしていたように思います。
それくらい、とにかく終始楽しそうな春馬君。

また、ゲキ✖️シネでは、寄りのカメラで、アップも多いのですが、そうなるとくるくる表情が変わる春馬君の独壇場。映像子役からのキャリアを存分に活かせます。いいキャスティングだ。

そして、寄りのカメラで観ると、とにかくひとり汗だくの春馬君。
最初は、真冬でも若くて新陳代謝がいいのねーと思いながら観ておりましたが、いや、ちがう。
和装をかっこよく着こなすために、めっちゃ詰め物してるじゃないか!

あれは、暑いはず。
しかも、あのお腹のアンコ、邪魔だろうなぁ。
しんどかっただろうなあ。

が、それをものともせず、踊るし、アクションもキレキレで、舞台役者としての身体能力の高さと無尽蔵な体力が、度肝を抜くレベルです。
当時の劇評で、絶賛されるのも当然です。

そして、ラストの追悼テロップ。

「笑顔」と書いて「きらりん」と読ませる追悼テロップの一文が、本当にこのカンパニーで生きた春馬君が幸せで、このカンパニーで、春馬君と生きた人たちが春馬君の事が大好きだったんだなと感じさせてくれました。

ステージに、作品に、たしかに輝く命があったのだな。
それが感じられるから、きっと観てる人まで元気になるんだよね。

おわりに

ここ数年、映画は家のテレビで観るのが当たり前になってしまっていたけれど、スクリーンで観る楽しみを思い出させてくれたのは春馬君です。本当にこの一年、よく映画館に通っています。

こんな新しい楽しみに出会えたのも、春馬君のおかげ。

そして、春馬君の映画といえば、もはや東京のメッカのひとつが秋葉原のUDXシアター。
その、秋葉原に行く楽しみが、ひそかにもう一つあります。

UDXシアターの近くで、適当にランチできる場所を探していて、こちらを見つけました。
とにかく、ときめく品数の日本全国の品々。
その中には、こんなものも。

『日本製』の取材で、春馬君が訪れた千葉のお醤油です。
今使っているお醤油がちょうど切れそうだったので、今回、試しに買って帰りました。

映画館で映画を観る楽しみ。
秋葉原という新しいテリトリーの開拓。
いろんな事に出会っています。

今日もまた、春馬君に感謝。

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