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「なぜ東大は男だらけなのか」の本を読んで愕然とした2つのこと

 「なぜ東大は男だらけなのか」の本を読んだ。

 読んで愕然としたことが2つあった。

自分の感性

 1つめは自分について。

 私は随分昔、この大学に在籍していたことがある。
 当時も女性は約2割の比率、東大女性が入れないサークルはいくつもあった。私は「そんなものかな」とその事実を受け流していた。
 この本を読み、特におかしいとも思わず声をあげず過ごしていた自分に愕然としたのだ。

 近年、それはおかしいと声をあげ、改善している取り組みがあることを知った。
 私はなんか理不尽だなと思うことも「そんなものか」と受け止めて流してしまうことがある。そんな自分の感性の鈍さに愕然する。

東大の歴史

 2つめは東大の歴史について。

 戦後、東大も共学化を進める動きがあった。初めて女性が入学したときには数もごくわずかで、女性たちは奇異な目で見られていたらしい。
 共学が始まると、東大教員のなかに、男性学生と女性学生の違いを論じる人もいたようだ。ある教員は、男性と女性を比べると女性の方が無能だ、といった見解を公然と述べていたようだ。
 
 多様な視点で物事をとらえることを求めたい教員が、そのようなことを公に語っていた東大の歴史に愕然とした。


 そんな時代を乗り越えてきた女性たち、なかには学生生活を送りづらいと感じただろう女性たちの苦労を想像した。そして今も、著者を含め、それを変えようとしている人たちの強さに恐れ入る。

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