【短編】山岳地帯 -奇岩の町ー【架空の町2】

西の方にある、広大な山と草原、深い谷の織り交ざった土地のにある町。
石灰質の地質の為、雨による浸食で不思議な形をした岩や谷が数多くあります。

草原に隠れてぽっかりと開く竪穴もあるため、街道以外を歩く際は命綱と杖が必須となります。道を外れない事を強くお勧めします。

良質な牧草の茂る草原ですが、草に隠れた穴が多くあるため、家畜の放牧には不向きな土地です。しかし、そこは牛飼い・羊飼いと相棒である犬の腕次第。牛と羊も慣れたもので、ひょいひょいと渡り歩きます。

この町に来たならば、新鮮な生クリームと、洞窟の万年氷を使ったアイスクリームや、美味しいチーズを食べましょう。

町中にも大小さまざまな奇岩があり、その岩たちを利用した建物も多くあります。
この町唯一の宿も、奇岩を利用して作られています。
客室の壁はそのまま奇岩がむき出しになっており、夏は涼しく、冬は暖かく部屋の温度を保ってくれます。

羊の毛織物は町の女たちの手作りで、町役場の壁には3年がかりで織られた絨毯が飾られています。

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